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最強勇者スキルだけど口に出すのも恥ずかしい・・・  作者: 安藤昌益
お前を召喚するんじゃなかったと言われても

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勇者パーティーがいっぱい

「もうあなたのスキルの根源、あなたを愛する人妻はおりませんよ。もう、あなたは最強無双勇者でも何でもありませんよ。単なる、好色なだけのつまらない異世界からやってきた男ということです。その悪業を今ここで懺悔し、殺されなさい。」

 一人王宮の広い中庭の練兵場と思われる場所に連れ出されたタイジの前で、正宮廷魔術師の女は叫ぶように言い放った。あっと言う間に、10ほどの、総勢100数十人のパーティーに周囲を囲まれた。

「力がなくなったのなら、こんなに仰々しいことはしなくていいのではないか?しかし、人妻達はあと2人いるけれど、彼女らはどうするつもりだ?彼女らがいたら、スキルは発動しているだろう?」

とため息をつきながら質問した。力は失っていない、という実感がある。

「大丈夫よ。本当の恋人が来て、彼女達を連れて行ったわ、安全な場所にね。もう観念なさい。」

 クロノスがいなくなれば、次席の座の候補者の一人か、と彼は彼女の顔を思い出した。人妻Sの位置も、スキルによるつながりも感じているのだが、そのことは黙っておくか、と敢えて反論しなかった。

「さあ、今こそこの異世界屑勇者を抹殺し、多くの女性達の無念を晴らしてあげてください。」

と高らかに宣言した。

「あ、我々は悪いけど、これ以上協力できないから。悪く思わないでほしい。あの人の悪行の話は矛盾しているので信じられないんだ。それに、一緒に行動したくない屑勇者もいるしね。」

と言い出して、周囲を唖然とさせたのは勇者ディオニソスだった。彼と彼のパーティーが囲みから抜けた。彼は、彼らは、タイジ達が転移魔法での移動先の国の一つで出会い、その国の国王とともにタイジと連携を取ることを盟約していたのだ。それでも、呼びかけに応えたのは、タイジ、クロノスと事前に連絡を取り合ってのことだった。ここでの効果をあげるためだった。実際二つのパーティーが、しっかり尻込みし始めているのがわかった。そして、彼が一緒に行動したくないという勇者パーティーが存在するのも事実だったし、同様な思いを思い起こすパーティーもいた。


「そうそう。王妃様達に四六時中捕まえられていて、どうして他の人妻や少女達に手がだせるんだ?その他の悪行も身に覚えはないよ。討伐されなければならない勇者さん達は、そっちの方にいるけどね。まあ、私の力がなくなっているというなら、早々に倒してくれたまえ?」

とタイジは挑発するように笑い、両腕を広げて、さあここに攻撃したまえ、と声を大にして言った。さらに彼らには訳の分からないことも付け加えた。

「さあ、我の胸を撃て、擲弾兵。」

 勇者達の何人かは頷いた。それに合わせて、そのパーティーのメンバーも頷いた。魔道士達が素早く魔法詠唱を始めた。彼らの最大の攻撃魔法を、最大限集中させて放とうとした。

転真敬会奥義小転定(しょうてんち)小進金、小進火」

とタイジは呟いた。その次の瞬間、爆裂、雷撃、巨大火球、巨大雷球、多数の光の剣、槍、矢等が彼のいたところに集中した。魔道士達は、両脚がガタガタ震え、体の力が抜け、汗が吹き出し、意識がもうろう

とさえした。これで流石に、最強無双勇者でもかなりのダメージを受けただろうと誰もが思った。勇者達を先頭に、土埃が舞い、視界が一時閉ざされた中に飛び込もうとした。が、その背後で、

「う。」

という微かな苦痛の悲鳴、続けてドサっと何かが落ちる音が次々に耳に入ってきた。

 慌てて彼らが後ろを振り向くと、

「しまったな。順番を間違えた。」

と聞こえよがしに独り言を言い、さらに後方の聖女達に視線を向けるタイジの姿が、視線の先にあった。 

 彼の意図は、直ぐに察することができた。動こうとしたが、タイジの方が早かった。聖女達も、戦えると自負しているものは聖杖を構え、そうでない者は時間を少しでも稼ごうと逃げようとした、もちろん全員、聖結界を大急ぎで張ろうとしながら。だが、次々に拳と蹴りで吹っ飛ばされ、建物の壁に叩きつけられた。

「きゃあ。」

と言う悲鳴が相次いだ。

「聖女様。後ろに。」

 大楯士が聖女のガードについていたパーティーの内で何とか間に合った場合もあった。だが、それは逆に聖女にとってより悲惨な結果となった。

「うがー。」

 大楯ごと、タイジの拳の一撃で大盾士は吹っ飛ばされ、聖女を巻き込み、壁に叩きつけられた。この場合、聖女は壁に叩きつけられた上、大楯士の大きな体、分厚い鎧を着ていた、に押しつぶされることになった。そうして、可哀想な聖女は2人いた。大楯士にとっては、自慢の聖大楯を砕かれ、吹っ飛ばされてそれなりのダメージを受けたが、聖女がクッションになって壁への激突のショックが和らいだ形だった。

「ああ、可哀想に。君達、聖女様を殺す気かい?聖女様を自分のクッションして。」

とあざ笑うようにタイジは、彼らが気が付くと目の前にいた。続けて、

「お仕置きしないとね?」

と、拳で顔面を一発づつ。彼らは、完全に気を失った。


「く、くそー。この卑怯者。」


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