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最強勇者スキルだけど口に出すのも恥ずかしい・・・  作者: 安藤昌益
恥ずかしいスキルの最強無双の出番です

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次々にブーメラン?

「ど、どう言う事だ?これは?」

と国王は立ち上がり絶叫した。

"だから、そのままの結果ですよ。説明したでしょうが・・・。"クロノスは心の中で舌打ちをし、大きなため息をついた。スキルにしろ、能力、体力、魔力量等いろいろなステータスは単純な所はすぐわかる。しかし、一歩その内容に深く立ち入ろうとすると累乗的に複雑になっていく。だから、そのことでの専門知識も知識を持った者の鑑定が必要になってくるのである。タイジのスキルは、口にするのも恥ずかしいスキルだが、特に誰も見たこともない、書物にも記されていないものであるから、一年以上にわたって丸投げされたクロノスが頭を抱えて、四苦八苦して調べてきたのである。

 その1。このスキルは発動するのには、好みの人妻とイチャイチャラブラブすること、説明する者が恥ずかしくなるが。

 その2。その対象の人妻を見つけると、双方が光る。そして、その1を実行してスキルが完全発動する。

 まだまだあるのだが、取り合えずはこの段階なのだ、今。


「おい、ちょっとこれはやり過ぎじゃないか?」

 クロノスは流石に小声でタイジに文句を言った。

「別に、俺が王妃様がいいと思ってとか選んだとか言うんじゃないぞ。勝手にこうなっただけだよ。」

とやはり小声で反論した。

 そう言いながらも、あらためて王妃を、タイジは見た。女性としてはやや長身で、賢そうでいてやんちゃそうな顔立ちの細面の見事な金髪の、30歳そこそこの美人である。何故かドレスの上からでは分からないのではあるが、スマートではあるが、でるところはでていてなかなかのプロポーションだと感じることができた、タイジには。

"好みの女性、と言われればそのとおりではあるけれど・・・。"

 性欲は人並み以上にはあると自負?しているが、この場では、流石に緊張してそのようなものは感じられない。

"ああ、王妃様、狼狽えてしまって・・・当然だよな・・可哀想に。"

とタイジは自分が一応原因であるにも関わらず、それを無視するように王妃に同情していた。


「お、王妃はだめだ。この前の選んだ女達の誰でもいい、何人でもいい、勝手にイ・・・・やればよかろう。」

"無理言わんで欲しいな。"

はタイジ。

 クロノスは、ゆっくりと立ち上がった。

「以前にも、ご説明いたしましたように、発動の対象になった者でなければ、どのような者でも、それが何人、何十人、どのような美人であっても、最強無双の勇者のスキルを発動させられません。」

と大きな声で、ゆっくりと、断固とした口調で彼は言った。それを言わなければ、これからどうなるか分からないからだった。

「と、とにかく、お、王妃はだめだ。そ、そうだ、何とかならないのか?そのために、お前に任せたのではないか?」

と狼狽えながらも、国王は抵抗した。

" そんなことを言ってもどうしようもないんだよ。"

とクロノス。

"国王の気持ちもわかるけど、それを言っちゃあ、お終いだよな。"

 タイジは、なんとなく諦めの境地に達しかけてきていた。その時だった。

「国王陛下。お気持ちはわかりますが、ここは民のため、世界のため、王妃様に耐えていただくしかないのではありませんか?」

と仲裁のように割って入る女がいた。国王の第一側室である。


 こちらは、王妃より1歳年上、伯爵家の出であるが、外国の王族である王妃と異なって国内では、それゆうな人気があり、王妃以前に国王の寵愛を受けた女であり、今でもライバル達登場で、その地位は揺らいでいるまたは怪しくなっているが、第一の寵愛を受けている女である。やはり見事な金髪で、王妃より小柄ではあるが、華やかな感じのする美人である。王妃は、いまいましそうな表情である。当然だろうな、と誰もが思った。目の上のたんこぶを、今こそ合法的に葬る?ことができる絶好の機会だと思っているのだということは誰もが考えたし、当人もそのつもりだった。

「あなたは・・・。」

 怒り心頭ではあったが、王妃は言葉が出ない。

「王妃様にはお気の毒だとは思います。同じ女として、耐えきれないなどとは生易しい苦痛を感じられていることはわかりますし、同情申し上げますわ。しかし、国の上に立つ者として、民のためには身を犠牲にしなければならないのではないでしょうか?もし、この場で私がそこなる勇者に見初められたとしたら、民のために、心は張り裂ける程悲しむでしょうが、敢えてこの身を犠牲にいたしますわ。」

と高らかに、心の中では高笑いして、宣言?した。

 王妃は救いを求めて国王をチラッと見たが、国王は彼女の言葉に納得した顔で、寵妃の長年の願い、幼馴染とも言える女を選ぼうとする色が向出ていた、絶望感と敗北感に陥った。

「ん。」

と軽く頷いた直後、広間はまた大きくざわめいた。勝ち誇っていた第一側室の体が光り始めたからだ。

 気が付いた彼女は、

「?・・・そ、そんな・・・私は・・・いや・・・。なんで私が・・・。王妃だけでいいじゃない・・・。」

と真っ青になり、国王に助けを求めようと歩み寄りかけた。

 しかし、王妃はすっくと毅然をもって立ち上がった。

「先ほどの言葉、よもや忘れてはいないでしょね?自分だけは民の犠牲は関係ないと言うのですか?民のために潔く犠牲になりなさい。」

と厳しい口調ではっきりと言った。その言葉に第一側室の女は、床に両手をついて動けなくなった。この時、失禁してしまったらしい。しかし、この言葉で王妃も、自分自身を進退窮まらせることになったのだが。

 その時、側近の一人が、いかにも世知にたけた、悪知恵が働くというような感じがぷんぷんのそろそろ頭が禿げかかった、駆けつけて国王の耳元で何事かを囁いた。すると、国王は激しく首を縦に振った。それを見て、彼はまた駆けだした。少し後方にいた女達を連れて、部屋の外に急かすようにして連れ出した。国王の他の側室達だった。もちろん、最近の寵愛第一の、かなり若い、側室もいた。

 彼女が部屋の外に出るのを確認した国王の表情は、かなり落ち着いたものになった。が、床に座り込んだ、王妃もライバル女に言い放って緊張が解けて、2人の女を見て、表情がまた元に戻った。

「な、何とか、他の女で我慢できないのか?」

"いや、私にそんなことを言われても・・・。"

"俺だって、どうしようもないんだけど・・・。"

と2人。

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