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最強勇者スキルだけど口に出すのも恥ずかしい・・・  作者: 安藤昌益
魔法討伐の旅

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戦後処理?

「この化け物ども、皆殺しよ。」

と絶叫して上位魔族達を殺しまくっているスカディを見て、

「同じ魔族と言っても、随分恨んでいたんだな。」

と思わずタイジは呟いた。彼女に一番目立つところを与えるため、彼も他の人妻Sも彼女の後方から支援をしていたのだ。

「あの化け物どもの支配というのは、同じ魔族とは言っても、下位魔族に対してかなり厳しいものだったようですよ。立場が弱いどおし、ある程度互いに同情しあって、色々と話をしましたけれど、彼女が話してくれました。彼女達は上位魔族達を同じ魔族とは見ていませんでしたが、上位魔族達も同様だったのかもしれませんね。」

とハイエルフのネルティスが、その気持ちはよく分かるわという感じで、解説をした。そういうネルティスも、

「ええい、全員消えてしまえ。」

とかなり激しく殺しまわるのであるが。彼女の部族もかなり厳しい支配を受けているのであるから当然だろう。


「俺に一番面倒なことを押し付けないでくれよ。」

 ウラヌスはタイジに苦情を言った。タイジはスカディに、今後は人間と提携して上位魔族の脅威を退けようと提案した。もう人妻Sに入ってしまい、彼の実力を見、彼が憎き魔王を瞬殺、彼は瞬殺ではないよと言うのだが、するのを見ては拒否できなくなっていた。魔王を殺し、魔王軍を壊滅させたとはいえ、上位魔族が消え去ったというわけではない。彼らの国々?はまだ残っているのである。下位魔族の各部族は、その脅威を、或いは現に支配を受けているのである。それを、タイジと人妻Sは次々に潰していった。それを見せつけての和平、提携の交渉、それをウラヌスに押し付けた、タイジは適任だから要請したと言うのだが。

 今日も、取り合えず集めることができた下位魔族各部族長、かつてなら魔王と称することもできたであろう面々への人間との提携、協力、和平の説明をし、説得して、演説もぶったのである。色々と魔族側も言ってくる、詰問さえしてくる。それに答えつつ、説得する。それが連日である。

「戦っている方が気が楽だ。」

と愚痴も続いた。

「お前にしかできないだろう?ここにいる連中、俺も含めて、そういうことができる者はいないだろう。しいていうとフレイアだけど、彼女は政略家としてもやり手ではあるけど、直接交渉する担当には不向きだろう?」

と本当に悪いなという表情でタイジが言った。

「しかし、魔族との共存、和平など実現できると思っているのか?」

「今しか機会はないだろう?それに、このまま魔族と戦いが続くことがいいことだとは思わないだろう?」

「まあな。努力するさ。」

 ウラヌスもまた、魔族との共存・和平、下位魔族との間でのことだが、もいいのではないか思い出していた。

「ウラヌス様。あまり無理なされないように。」

 ヘレネは、彼女自身も彼を守ろうと常時気を張っていた、彼を守ろうと、疲れた表情ながらも、心配そうに言った。

「寄り添いながら言っている?完全にできているな、この2人。」

と人妻Sの目が光った。

「無骨一辺倒の我が国最強の騎士ヘレナがな・・・。美人ではありましたけど。」

「まあ、ようやく女に目覚めたということでしょうね。いいことでは?」

「でれでれしてますね。」

「まあ、私達がすぐ目の前で毎日のように、激しく愛し合って刺激してしまっていますものね。」

「ああ・・・。とにかく大魔導士様は大事な方だから大切に・・・彼女に守ってもらわないとな。」

「夜も、ベッドの上でも、しっかりと守っているようですから・・・から、これからも・・・?」

「どうしたの?」

「私達全員と・・・勇者様はわかりますが・・・私達も疲れることなく・・・?」

「彼の女となったからでしょう?」

「あのスキルの対象となったせいでしょう?」

「愛されているから?」

「まあ、私達は勇者様と一蓮托生ですからね。それに、力がこんなに強くなってから、今更ですよ。」

「私は、どうせ一度死んだようなものだしな。」

「そうですね・・・あら大魔導士ウラヌス様は?」

「2人で・・・というより、女騎士様が連れて行ったよ。2人とも疲れたという顔しながら・・・。お前達が疲れていると言うのなら。」

「いいえ、疲れていません。」

とハーモニーする6人に、自分が飽きも疲れもなく、彼女達を求めている、心身ともに、自分に心の中で大きなため息をついたタイジだった。新たに加わったスカディとネルティフにチラッと視線を向けて、また、敵を作ったんだということを思い知った。しかし、もう進むしかない。彼女達を残して消えて、彼女達が元の幸せな?に戻れるはずはない、自分が守らなければならないのだ、それを忘れるな、放棄するな、とタイジは、あらためて自分に言い聞かせた。

「じゃあ。あの2人の刺激になってやろうか?」

と手を彼が差し伸べると、6人は立ち上がって彼に歩み寄った、というより駆け寄って飛びついた、という方が正確だった。そして、そのまま7人は寝室に消えた。


「さ、流石に勇者・・・、恐るべし。」

「夫が刺激されて・・・、もうくたくた・・・。」

「うちは妻が・・・。」

「この分なら、お目出度が続いて、上位魔族を恐れる必要のない大軍を作れるような気がする・・・。」

と魔族達の間でも、囁かれていた。

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