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黒の天使  作者: ミジンコ
2/3

2回目 生徒会長・逢境陽介

 遙か上空の彼方で黒の天使が話しかけてきた。


 「また貴方ですか、逢境陽介」


 それは子供の声だった。見た目相応な小さな女の子の可愛らしい声、しかし、それには感情の一切が欠如していた。

 

 そんな天使の声を聞き、にやりと不敵に微笑む男が一人、腕を組みながら屋上で天使を見上げていた。

 

 「また、とは嬉しい事を言ってくれるね。そしてまた、だと言わせて頂こう黒の天使よ」

 

 黒い丸渕眼鏡を人差し指でクイッと上げて、遙か遠くの天使を見据える。


 天使は何処かあきれたような、しかし抑揚のない声で、


 「何故無駄だとわからないのですか、貴方方が『明日』を迎えることはもうないのですよ」

 

 それは無情な宣言だった。

 しかし、それでも陽介は笑みを絶やすことなく、それがどうしたと言わんばかりに鼻で笑って見せた。


 「甘い、実に甘いぞ黒の天使。まるで君のあそこから滴る禁断の果実のように甘……って田宮書記、その振り上げた金属バットを降ろしたまえ! ――――私にではない、地面にだ!」

 

 コホンッと一つ咳払いをしてから、額に浮かんだ冷や汗を拭う。そして天使に視線を向けてつまりだね、と前置きしてから、


「……我々人類は無駄な事が大好きな種族なのだよ。無駄な文明を作り、無駄な歴史を作り、無駄な法律を作り、無駄な世界を形成する……それが『人』という生き物の性なのだよ」


 そして、と告げてから次々と声を紡ぐ。


 「我々はそうやって前へと進んできたのだ! それは今の人から見ればさぞかし無様で滑稽な姿だったろう。しかし、そうした者がいたから人類は進化していくことができたのだ! それを愚かだと笑うなら笑いたまえ! むしろ私が笑ってやろうではないかっはっはっは」


 天使はやはり、そして無表情に大声で豪快に笑い続ける陽介を見下しながら、


 「……やはり、貴方は理解不能です逢境陽介。しかし、貴方が特別な者だということだけは理解できました」


 それに陽介は尊大に胸を張り、


 「それはありがたいね。私も今度『ここ』から出られたら国家に国宝人間に指定してもらえるよう直訴しようと思っていた所だよ」


 くっくっと笑いながら陽介は、しかし突然笑みを消して真剣な顔で、

  

 「――――そういうわけで、返してもらうぞ黒の天使よ! あの日失った我々の『明日』を、『今日』、この場で!」




 

 二日目――本来それをどう呼んでいいのかわからないので、取りあえず今日は二日目ということにした。

 私は、その日生徒会室の端――――窓のすぐそばでうずくまるように眠っていた。

 目が醒めて、ぼんやりと映るタイル張りの床。それのひんやりとした冷たさが火照った頬を撫でる。

 私はそんな感触を何処か夢心地に感じながら、ゆっくりと顔を上げる。

 黒い丸渕眼鏡越しに辺りを見渡してから、どうしてこんな場所で眠っていたのかを寝ぼけた頭で思考する。

 そしてすぐに――――

 「――――――――!」

 思い出す。

 恐らくは『昨日』起こった惨劇を。

 そして私はトッサに腹に手を当てた。

 思いだし、嫌な汗が背筋を凍らせる感触を覚えながら、私はしっかりと確認するかのように手を這わせた。

 ――――無い……?

 無いのは私の腹部ではなく、昨日掘られたはずの大きな洞窟だった。

 私の身体を貫き、貫通したはずのトンネルが何故か塞がっていたのだ。

 そしてさらなる違和感――――

 それはこの生徒会室だった。

 たしかこの部屋は最後に私もろとも撃たれて壁に大きな穴を空けていたはずだ。

 そして部屋の備品も、木っ端微塵に吹っ飛んだはずだった。

 それなのに、私の目に映る全ての物は昨日――――4月20日、天使の襲来より前の状態と何ら変化がなかった。

 まるで昨日起きたことが、白昼夢だったかのように――――

 実際それが白昼夢だったならば、私はよくやったと私自身を褒め讃えて、すぐにもう一度夢の世界に飛び立ったことだろう。あの黒き両翼の天使に会うために。

 制服の乱れを正しながら立ち上がり、すぐに真横の窓を覗き見る。

 「――――――っ」

 『昨日』見たモノとは違う――――しかし、予想通りだった光景に、思わず息を呑む。

 そこは、地獄と形容するのがふさわしい真っ赤な世界――――ではなく、うららかな朝の日差しが包む『いつも』の校庭だった。

 ただ、一つだけ『昨日』の夢と符合している部分がさらに事態を混乱させる。

 校庭に横たわる生徒達。

 それは確かに『昨日』見た死人達だった。ある者は顔を吹き飛ばされ、またある者は胴体が半分に分かたれ、さらにある者は臓物をはみ出し――――

 とにかく、今私の眼下にいる五体満足な生徒達は『昨日』黒い翼の天使に殺されたその場所で眠りこけていたのだ。

 確かに違う――――しかし偶然とは思えぬ奇妙な共通点。

 もしこの状況をそのまま受け取るとするならば、私達は『昨日』黒い天使に殺され、壊され、そして元通りに戻されてそのまま夜を越した事になる。

 それに一体何の意味があるのかわからず、私は訝しげに眉を寄せてしばし思考する。

 ――――?

 何とはなしに校庭を見下ろしていた時、私の記憶の中に微かな違和感が現れる。

 何かが――――足りない……?

 それが何か分からず、私はまるで間違い探しをするかのように、今目に映る映像と記憶の中の映像を見比べる。

 ほんの数秒、しかしそれだけで違和感の正体を見抜いた。だが、『それ』が何なのかが未だ理解できない。

 何故――――足りないのだ……?

 『何』が『何故』に変わっただけで、結局は何一つわかったことがない。

 そのことに心の中で舌打ちして、ため息のように軽く息をつく。

 落ち着け……そう心中で呟き、もう一度思考の海に飛び込もうとして――――気づく。

 そうだ。私も皆も『昨日』殺された場所で倒れていた。それはつまり――――

 私は考えるよりも先にコンクリートの床を蹴り、駆け出す。

 そして目の前に迫ってくる木製の扉を私は内側に空け放ち、外に出る。

 生徒会室の外――――恐らくは田宮書記が倒れている廊下に出る。

 予想通りだ。

 田宮書記が、『昨日』死んだ姿のまま冷たい廊下の上で死んだように横たわっていた。

 「しっかりしたまえ田宮書記委員……!」

 田宮書記の傍で膝を折り屈み、そして彼女の脈とスカートの中を確認した。

 脈が正常なことに安堵し、一息。

 やはり思った通りだ。これで確実な事ができた。

 あれは『夢』などという酔狂なものではなく、確かに起きた事件であるということ。

 そしてその事件の被害者は、死ぬことはなくただその場で眠りこけているということだ。

 いや、もしかしたら天使はただそう見せられているだけで、実際は集団催眠の類であるかも知れない。

 そう考えればキリがない。故に私はこの場は少しでもわかったことができた事を祝うことにした。

 田宮書記が意外と少女趣味であった事がわかっただけで、この場はよしとしよう。

 「喜びたまえ田宮書記委員、私の君に対する好感度が30は上がったよ」

 「そう、それは嬉しいわね陽介。……それで、私のアンタに対する好感度がどうなったか教えて上げましょうか?」

 「ふふ、メーターが既に振り切っている事は百も承知だよ田宮書記委員。それ以上上がるとなると、私も責任を負わねばならないかね……?」

 「残念、確かに振り切ってるけど最低レベルの方でした。そして上がることは――――アンタが生きている限りありえないから死になさいこの変態!」

 「ぐふっ……嫌よ嫌よも好きのうちと言うが、首を思いっきり締め上げるこの愛情表現は些か――――ヘヴィーだね?」

 いつの間に起きあがっていた田宮書記が私の首を水の滴るタオルのようにキリキリと締め上げてくる。

 その形相たるや恐ろしく、語ることもままならない。

 私の口から泡がぶくぶくとカニのように溢れてくる。それを見て取った田宮書記はゴミをゴミ箱に捨てるように私を無造作に廊下に放って来た。

 「……まったく、今度覗いたら本当に土に埋めてやるからね」

 視線をこちらに向けずに何気なく呟く。

 土に埋めるというのはあれだろうか、私と一緒の墓に入りなさいみたいな遠回しの告白なのだろうか。

 やれやれ、田宮書記のツンデレっぷりには私も少々舌を巻く。毎回こんな愛情表現を展開されていてはいくら私でも身が保つまい。

 しかし残念だ。君の想いに応えてやりたいのは山々なのだが、いかんせん私は同い年に興味がない。ああ、私の肉体が一つで無いならば彼女やその他の女性の気持ちに応えることができるというのに……神はなぜこのような残酷な事をなさるの――――ぐはっ……!

 「……な、何故私の鳩尾をそのようなもの凄い勢いで蹴りつけるのかね……?」

 「何となく、無性に腹が立ったのよ」

 これも何かの照れ隠しか……参ったね。

 「会長――――!」

 田宮書記と毎度のコントを繰り広げていた私たちの元に駆けつける一人の少年の姿が廊下の端に見える。

 廊下にひれ伏した私はまるで忍者になったかのように近づいてくる音が大きく響くのを聞いていた。

 その姿は徐々に大きくなり、やがて私たちの前で急ブレーキをしようとして……

 「――――ぐへっ」

 思いっきり私を踏みつけ通過していった。

 「うわぁっ気色悪っ! なんか踏んじゃったよ僕!?」

 人を踏みつけておいて言うに事欠いて気色悪いとは……

 50m走なら6秒代は確実な速さで廊下を駆け抜けた少年――――佐藤会計はその速さ故にブレーキが遅れ、勢い余って止まりたい所を大幅にオーバーしてしまう傾向がある。

 確か数日前も横断歩道の近くで止まろうとして、勢い余って数多くの車が通り過ぎている車道に飛び出てしまい、結局そのままの勢いで車の通行量が最も多い夕方、国道を一気に駆け抜けるという信号無視常習犯も真っ青な恐怖のノンストップデスレーシングを完走した伝説を打ち立てた程だ。

 そんな佐藤会計は自分の上履きの底をのぞき込んだ後、私がくたばっている姿を発見して、

 「か、会長大丈夫ですか! やっぱり会長も天使にやられたんですね!?」

 「……天使というより悪魔に――――ぬおっ」

 「何か言いましたぁ会長? 私よく聞こえなかったなぁ」

 天使(?)の微笑みを浮かべながら田宮書記がしゃがんで私の顔をのぞき込んでくる。

 そして鼻と鼻の先がくっつく寸前――――ちょうど佐藤会計には聞こえず、そして見えない位置で

 「言ったら殺す……オーバー?」

 「お、オーバー……」

 天使の微笑みが悪魔の囁きへと変わり、私は薄ら寒い戦慄を感じたのでそのまま従うことにした。

 「いやぁ、相変わらず仲がいいですよね二人とも」

 犬っぽい、とても人懐っこい笑顔を浮かべて佐藤会計がにやにやしながら私たちを見下ろしている。

 「や……! ば、馬鹿! 違うわよもぉ! 変なこと言わないでよね佐藤くん。私会長みたいな素晴らしい人と釣り会うなんて思ってないってばぁもう」

 田宮書記は言われ、顔を真っ赤にして立ち上がり取り繕う。最初なんてあまりに驚いたのかほとんど素が出てしまっていた。

 こんな感じで、田宮書記は私以外の者には素を絶対見せない。力が弱くお淑やかなぶりっこを見事に演じきっている田宮書記は元演劇部の部長だったそうだ、それもかなりの腕らしく、この学校にも推薦で受け入れられたそうだ。それは私以外の者に見破れという方が無理な話だ。

 誰も気づかないことをいいことに、最近ちょうしに乗ってきたのかドジっこも追加してみようかしらと呟くのを聞いたことがあった……恐ろしい。

 「さて、非常に素晴らしい光景が眼上に展開している所残念だが」

 言いながらすくっと一瞬で立ち上がり、佐藤会計の方を向き直ってから、

 「一体何事なのかね佐藤会計委員、先ほどかなり慌てていたようだが」

 私の言葉にあっと一つ相づちを打って、佐藤会計は来たときと同じように慌て始めて、 

 「そうでしたっ! す、すっかり忘れちゃってましたよ僕!? ……て、会長そんな顔を真っ青にしてどうしたんですか?」

 私は背後から突然訪れた鈍い、そして重い衝撃に意識を持ってかれていた。

 あまりの衝撃に意識が戻った私は今度は肺がヒューヒューして息がうまく吸えない苦しみを味わうこととなった。

 そしてその元凶である田宮書記は、

 「会長どうしたんですかぁ? 気分でも悪いんですかぁ?」

 佐藤会計に見えない事をいいことに私を背後から力の限り殴りつけた田宮書記は、黒い笑みを浮かべながら心配そうに訊ねてくる。

 まるで公式のサッカー試合で磨いてきたかのような技術力に私はただただ感奮し、同時に言い得ぬ恐怖を感じていた。

 「……な、何でもない……続けたまえ……」

 掠れた声で精一杯絞り出し、何とか音を紡いだ。

 そんな私の声に不審がる様子もなく、佐藤会計はにこっと爽やかな笑顔で、

 「そっかぁ会長が何でもないって言ってるんだから本当に何もないってことですよね。心配しましたよ僕」

 こういった様に素直――――悪く言えば単純な佐藤会計は人を疑うことがない。挙げ句の果てには騙されても騙されていた事に気づかないというある意味無敵な少年だ。

 そんな佐藤会計は私に絶対の信頼を置いているのか、事あるごとに私の所に来てはあらゆる案件を持ってくる。

 私ならそれが解決できると心の底から信じているのだ。

 私が大丈夫だと分かり安堵したのか、はぁと息をつき思い出したように、

 「ああ、また忘れるところだったよ僕!? え、えっとそれがですね会長! た、大変なんですよ僕!?」

 「大変なのはわかったから、少し落ち着きたまえ。それでは君が大変だという事になってしまうぞ」

 あれっ? と首を傾げた佐藤会計は、私の言ったとおり落ちつくために両手を大きく広げて深呼吸して、

 「……それがですね会長。会長も昨日天使に襲われましたよね? それで今校内中がパニックに陥っているんですよ」

 なるほど、確かに常人なら当然、言ってしまえば当たり前の反応だ。

 私程の領域まで来た人間ならむしろこの状況を楽しくてたまらないなどと歓喜の笑みを浮かべているはずだ。

 しかし、どうやら佐藤会計の話では私が思っていたのとは少し違う理由でパニックになっているそうだ。

 ある程度話を聞いた私は、ゆっくりと確認するようにその『事実』を口にする。

 「……つまり、要約するとこういう話かね。私たち生徒以外、先生方は一人も居ず。しかも外にでようとした所ちょうど門の辺りで透明な壁みないなものがあって出られそうにない、と」

 これで一つ私の中の疑問が解消された。

 先ほどの校庭、人の数が少ないと思っていた私だったが、どうして、そして誰が消えたのか全くわからなかっただ、これで合点がいった。

 減ったのが先生ということは、この『場所』には先生方のような大人は不要ということだ。そして我々生徒は必要だと、そう言うことだ。

 つまり『何故』という私の疑問の答えは、先生だったからということだったのだ。

 まぁ、未だに先生方が消された理由はわからないが、何らかの法則があることがわかっただけでよしとしよう。

 しかし気になるのは……

 「見えない壁……か」

 「はい。僕もちょうど校庭にいたんでちょっと確認してみました。それでわかったんですけど南門も西門も東門も北門も同じような壁で全然外に出れませんでした」

 自分で見てみなくてはわからないが、取りあえず閉じこめられたことだけは確定のようだ。恐らく私たちをここに閉じこめたのはあの黒い翼の天使だと思うのだが……

 「あ、あのぅ会長。大丈夫……ですよね? 私たち、ちゃんと外に出れますよね? だってほら、家の人だって絶対気づきますし、先生だって、絶対なんとかしてくれますよね!?」

 田宮書記は焦ったように私に迫り、自分に言い聞かせているかのように大丈夫ですよね、と訊き続けてくる。

 そんな田宮書記の気持ちのことを考えた私は、

 「恐らく、助けは来ない」

 バッサリ切り捨てることにした。

 「な、何でよ! 何でそんなことがわかるのよ! 来るかもしれないじゃない! だってこんなにたくさんの人がいるのよ!」

 もはや自分を取り繕う余裕がないのか、佐藤会計の前だと言うのに素で迫ってくる。

 「おかしいわよ、そんなの! だったら、私たちずっとこのままってことなの!?」

 助かる希望を得る為に私に訊いたのに、それをあっさり砕かれた田宮書記はついには泣きだし喚きだした。

 私はそんな田宮書記の様子を眼鏡越しで見つめ、その視線を佐藤会計に向ける。

 ーーこんな感じかね?

 そして困った風な顔をしていた佐藤会計に目で話しかける。それが通じたのか、佐藤会計は気まずそうに首をコクリと振る。上下に。

 どうやら校内でも今の田宮書記みたいにヒステリックを起こしているようだ。

 それならば早急に事態を納めねば……

 そう数秒で思考し、私はすぐに決行に移す。

 「ねぇっ! 何か言いなさいよぉ……うぅ……ずっと、私たちこのまま、なの…………えっ!?」

 勢いは何処へ行ったのか、徐々に元気をこぼしていく田宮書記を――――私は思いっきり抱きしめた。

 「な、な、な……!」

 何が起こっているのか理解できていない田宮書記は金魚のように口をパクパク動かしている。

 そんな田宮書記を私はさらに強く、強く両手で抱きしめ

 「泣きたまえ。大声で泣きたまえ。我慢をする必要はない。怖いなら、泣けばいい……ただし、一人では泣かせないぞ田宮書記委員。私はここにいる……君のそばに。そして私もともに泣こう。大声で、周りなど気にせず泣き倒してやろうではないか……」

 「か、会長……」

 まるで壊れやすい宝石を扱うように優しく――そして力強く両手で包み込み、できうる限り優しい声音で耳元でささやく。

 「そして涙が涸れたら笑いたまえ。大きい声で、力一杯笑いたまえ……私もともに笑おう。君とともに」

 「うぅ……か、会長……かいちょおぉぉぉ……!」

 今度こそ本気で泣き出した田宮書記委員の頭を優しく、愛でるように撫でる。

 そんなことをしながら、さてどうして泣いたものかと苦笑気味に笑みをこぼし、私は田宮書記委員の咽び泣く声を聞いているのだった。



感想お待ちしております。

どんなことでもいいので、書いて頂けると私的には感涙が止まらなくなります。

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