9話
テレーサさんのお使いのためトゥーちゃんとお出かけです。
トゥーちゃん本人は少し不服そうですけれども…、案外素直に着いてきてくれるんですよね。
「私のとのお出かけやっぱり嫌でした?」
「いやそんなことはない。ただテレーサさんにそんな気を回させる程度には気遣わせてしまったのが嫌なだけ」
とりあえず、嫌われてはいないようで一安心。
いやそんな心配はしていないですよ?本当ですって。
「よかった、不機嫌そうな顔をしてるからてっきり私は……」
「そう見える? いいやそう見えたのか」
トゥーちゃんは自身の頬をぐりぐりと両手でこね回します。
「うぅん、こういう所も治していかなきゃ」
「いやいった私が言うのなんだけどそれは別に無理して直さなくてもいいんじゃない。個性だよ個性」
「うち一人の問題ならそれでもいい。でもこれはうちがどういうつもりであったとしても周りがどう受け取ったのかが問題。うちがもっとしっかりしていればテレーサさんもこんな気を遣わんでよかった」
少し落ち込んでいるように私には見えました。
トゥーちゃんと知り合って間もない私ですが、そんな私でもこの子は真面目過ぎる子だとそう思います。
今回テレーサさんに言われたのはただお使い次いでに昼食をとっておいでとそう言われただけなのです。
それをどうしてここまで思い悩んでいるのでしょうか。
「トゥーちゃん、考え過ぎじゃない?」
「うちが考えたくて考えてることだからやり過ぎだなんてことはないよ。うちがもっと何でもできるようになればもっとテレーサさんをサポートできる、こんな人付き合いだなんてくだらないことで心配させるなんて以ての外」
自分のダメなところを治そうとすることは当たり前の事のように思えても、それを実際するというのは簡単なことではありません。
治すどころかただ認めるだけでも難しいです。
特に必要性を感じなければそのまま見て見ぬふりをすることも珍しくないでしょう。
それをトゥーちゃんは人付き合いをくだらない事と言いつつも治そうとしています。
慕う師のために。
思わずくすりとしてしまいました。
「何?」
「いいえ何にも、トゥーちゃんは本当にテレーサさんの事が好きなんだなって」
顔を赤くしたトゥーちゃんが噛みついてくるのを適当にいなしたところで楽しいお使いの半分が終わってしまいました。
着いたお店のドアを押したところで私は思わず仰け反ります。
危うく出てくる人とぶつかってしまうところでした。
反射的に頭を下げ謝ってしまいましたが、顔を上げぶつかりそうになった人の憔悴しきった顔にぎょっとしてしまいました。
思わずどういった状況なのか、テレーサさんに師事してからすっかり顔なじみになった店主さんの方を向いてしまいました。
いつも不愛想で表情の固い店主さんも今日ははっきりと困っているって顔に書いてあります。
「どうかされたんですか」
「ちょっと」
私そういった瞬間、トゥーちゃんが袖を引いてきます。
さっきの会話もどこへやら見ると面倒事とは御免だと顔に出ていました。
「いらっしゃい、二人とも。いやなに稀によくある話だよ、気にすることは…「君たち病を診れるかい?」」




