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第6話 四国新幹線に乗ろう

新幹線に乗った一行。


「宗も桐子も大きくなったなー!」

「俺達もう中3だからな」

「人生一番楽しい時期だなぁ……オレなんて社会人生活キツくてさ〜昨日なんか……が……で…………」


しばらく離れていた人に再会すると、思い出話で盛り上がる。

話しているうちに景色は進む。

関ヶ原を越え、琵琶湖を臨み、トンネルを抜けたらそこは日本の首都、京都。ここまで来ると景色に街が増えてきて、関西の都市圏に入ったんだと実感する。


新幹線は早く、あっという間に新大阪に到着した。


「さあ、乗り換えるわよ」


これから乗る電車はエスカレーターを降りた先にあるらしい。

俺は、エスカレーターの"左側"に立ち止まる。

「宗、そこだと邪魔よ」

「え?」

「ここは大阪。エスカレーターでは右側に立ち止まるのよ」

「あそっか!」


俺は慌ててエスカレーターを数段降りて、右側に立ち止まる。


「本当に大阪に来たんだな〜」

「でもすぐ乗り換えるんでしょ?」

「ええ。これから乗るのは四国新幹線いしづちよ」


ホームに到着すると、そこにはオレンジ色の新幹線が停まっていた。


俺達はその新幹線に乗り、4人セットで座れる自由席を確保した。


『本日も四国新幹線をご利用頂き、誠にありがとうございます。この電車はいしづち号、高松経由大分行きです。自由席は……』


四国新幹線のホームは地下にあって景色は見えなかったが、初めての大阪、そしてこれから行くであろう、初めての本州以外の土地にワクワクしていた。


しばらく経つと新幹線が発車した。発車しても数分は地下で景色が見えず、地上に出たと思ったら関空前駅を過ぎた後にまた地下に潜ってしまった。


長いトンネルを抜けた後は緑がまぶしかった。スマホの地図で位置情報を見るとここは淡路島。新幹線に乗っていると位置情報がせこせこ動いて面白いことが分かった。


「海だ!」


桐子の声を聞いて、目線をスマホから窓の外に向けると、そこには海が広がっていた。しかもその海は渦を巻いている!


「ここは鳴門海峡。鳴門の渦潮が有名ね。この橋を超えたら四国突入よ」


初めて見る景色が沢山あって、楽しくなってきた。


「さて、観光と思い出話を楽しむだけじゃなくて、本題のユニコーンの角入手の作戦会議をするわよ」

「ユニコーンってどんな生き物なんだ?」

俺が質問すると、円香が答えた。

「ユニコーンの特徴と言ったら、オスのみに立派なツノがある、人の言葉を話す馬といったところかしら。でもユニコーンのオスは『清らかな乙女』以外の人に対しては、敵意をむき出しにして攻撃してくるのよ」

「『清らかな乙女』なら穏やかに話せるんですか?じゃあ私と円香さんで協力して説得すれば……!」

「あのね桐子、私は清らかな乙女ではないの」

「つまり非処女」

「武蔵!公共の場でそういうこと言わないの!はぁ~

あのね、もし桐子がユニコーンを説得しようとしたとしても、初対面の知らない人間にツノをあげたりするユニコーンはいないと思うの。

ユニコーンのツノは再生するとはいえユニコーンの体の一部。人間で言う髪みたいなものよ。

桐子だって初対面の人に髪くれなんて言われたら嫌でしょう」

「たしかに!」

「だから話し合いを作戦に組み込むなら騙し討ちみたいな形になると思うわ」

「私、ユニコーンさんと話してみたいから、騙し討ちやってみていいですか?」

「まあ、いいんじゃないかしら。こういうのも旅の思い出ね」


こうして、ユニコーンのツノを手に入れる作戦が決まった。

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