第1話 滅びの予言
ここは岐阜県の山間の村、勇予村。
勇者と予言者が住む世界唯一の村であることからそう名付けられた。
この村では毎週日曜日、予言を授かる儀式を行う。
「予言者武反円香よ、今週の予言を人々に授けたまえ」
村長が聖堂で呼びかけると、20代くらいのお姉さんが立ち上がって、壇上に向かった。
円香は壇上で手を合わせ、神に祈りを捧げる。
すると、その瞼から涙が零れ出た。
祈りを終えた円香は、泣きながら答えた。
「次の日曜日、世界は滅びます。
これを阻止するには、勇者様がドラゴンカーセックスをする他ありません」
聖堂の中はざわめいた。
泣く者、声がでなくなる者、発狂する者、いろいろいた。
そんな中、俺の隣にいた少女は壇上へと上がり、マイクを手に取りこう言った。
「私家須桐子、勇者の血筋を受け継ぐ者として、世界の平和のため、ドラゴンカーセックスいたします」
一瞬で聖堂は拍手に包まれた。
「予言者様、セックスをするにあたっての車種の指定等はありますか?」
「普通車かつ、勇者様が心の底から受け入れた車なら、何でも構わないそうです」
「分かりました。では今から○ッグモーターへ向かいます。
準備をしますので今日の儀式はこれで終わりで大丈夫ですか?」
「はい。お気を付けて。勇者様」
「それでは皆の者、解散!」
人々が家に帰っていって、聖堂には俺と桐子だけが残った。
静かになったので、俺は桐子に話しかけた。
「怖くないのか?ドラゴンカーセックス」
「ちょっと怖いけど、世界を救うためだから仕方ないよ。
これが勇者の役目だもの」
世界を救うためなら仕方ない……か。
俺は、桐子がドラゴンになって、車とセックスする姿を想像した。
見た目はもう桐子じゃないのに、その魂が桐子だと想像すると、車に嫉妬してしまいそうだ。
そんな妄想をしていると、外から桐子のお母さんの声が聞こえてきた。
どうやら車の準備ができたらしい。
「俺も一緒に行っていいですか?」
「あら〜釈迦寺さん家の宗くんじゃない。
せっかくだし来ていいわよ」
「ありがとうございます」
そうして俺は、好きな女の子のセックス相手を探しに○ッグモーターへ行くことになった。




