第2話 この世界はカードで出来ている
「……ふぅ」
あの後、俺は近くにあったベンチに座り、ひと息ついていた。
あの後、俺は地図を発見し、さらに一緒に置いてあった新聞も入手することができた。
その新聞により、俺は新たな情報を入手することに成功した。
(新しく情報も入手したし、今持ってる情報を整理するか)
新聞で見た情報を含め、俺がティーンについてわかっている情報は以下の通りだ。
『ここはティーンと言う大都市である』
『ゴブリンやオークなど、俗に言うモンスターと言うものを殺しお金を稼ぐ冒険者と言う職業が存在している』
『大都市はティーンを含めて5つあり、それぞれの都市でリーグが存在し、冒険者たちにも順位が存在している』
『この世界はカードの力を実体化させてモンスターと戦ったり、冒険者同士で順位を賭けてカードバトルを行う』
『魔王は今までの歴史の中で複数に存在し、1番最後に倒された魔王は39人目の魔王である』
『各都市で勇者の選別が開始された』
こんなところだ。
新聞で新しい情報を入手したといっても、それで入手した情報は最後の勇者が召喚されたことのみで、俺のもともと持っていた情報からそこまで変化したわけではない。
(やっぱり、この中で重要なのは冒険者についてだな……)
俺にとって、ティーンに来た理由であり、長年の夢である冒険者。
冒険者と言うのは、『カード』と言う特別な力を封じ込めた紙で40枚のデッキを作り、その力を魔力によって解放し、敵を倒していく職業だ。
しかし、その敵はモンスターだけではない。
冒険者には順位が存在し、5つある大都市それぞれに存在するリーグの中で、順位を巡った冒険者同士の熾烈な争いが繰り広げられている。
リーグは合計で6つ存在し、上から、
『シューンヤリーグ』
『ティーンリーグ』
『チェーリーグ』
『ノーリーグ』
『バーラリーグ』
そして……それら全てのリーグの中でチャンピオンの者同士が最強を決める戦いである『チャンピオンリーグ』
他には、それらのリーグ全てを統合した順位が発表される『世界ランキング』なんてものもある。
冒険者たちはその順位を賭けて、冒険者同士で戦う。どちらかと言うと、モンスターを倒すことよりも、そちらの方を重視している冒険者の方が多い。
無論、すべてのリーグに今もチャンピオンが存在し、チャンピオンになった者には、当然だがその都市最強の称号と地位、さらには金が手に入る。
チャンピオンと勝負することを『タイトルマッチ』と言い、冒険者は皆、タイトルマッチをするため、チャンピオンになるために毎日毎日、切磋琢磨していると言うわけだ。
その中でも、5つある大都市の中で、ティーンのティーンリーグは中堅どころで、冒険者のレベルは普通位。順位を上げるのが簡単と言うわけでも難しいと言うわけでもない。
故に、ティーンリーグで冒険者をやろうと言う人間が後を絶たない。
(……まぁ、それでも毎年冒険者を辞めていく奴は数百人存在するらしいけど)
しかし、それぐらいの方が……
(目指しがいがあるってもんだ!!)
さて、冒険者の話はここらへんにして、新しく新聞で入手した情報の話に移ろう。
(勇者の選別……か)
勇者。それはおとぎ話の存在であり、誰もが羨み、そうなりたいと願う存在。
……なのだが、この新聞で言う勇者は、おとぎ話の存在ではない。
この世界の大都市では、それぞれの都市に冒険者専門の学園が存在し、年に1回、最高学年である3年生たちによる大会が開催されるのだ。
そこでのトップ10が将来の有力冒険者候補として、勇者と言う肩書きがもらえるのだ。
勇者と言う肩書きは名前だけではなく、実際にほとんどの勇者がトップランカー。勇者と言う名前は、強さの証明なのだ。
もちろん、都市の中でもトップレベルのビックイベントであり、都市中が今年の勇者の誕生を心待ちにしている。
どちらにせよ、俺にとっては縁のない話だ。
(とにかく今は冒険者登録をしないと)
冒険者登録をする場所といえば、1つしかない。
俺は手に持った地図を広げ、お目当ての建物を探し出す。
「ギルド……!! これしかないでしょ!!」
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