表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

不穏なる空気

それは、オーテン村でブラックが【リーバ】という(スライムだったが)を倒すために、【覚醒】した時。


………………

…………

……


《勇者の【覚醒】を確認》

《世界から、該当(がいとう)者を検索。

 該当。……、……、2人?》

《エラー、再検索を開始》

《エラー》

《エラー》


 遺跡の中で、真っ白な球体が何度も()()()()()()検索を繰り返す。


《異常事態と認識》

《勇者と(いつわ)る異分子を排除、排除、排除、排除、排除……》

《遺跡に侵入後、抹殺(まっさつ)モードに移行を検討……》

()()


………………

…………

……


()()指示だったわけか』


『うん、パパ』

『パパが【覚醒】?するために村を焼けって命令書が届いてきた』


 なんでも……スィは幼体…(おさな)いの頃の記憶がなく、気がついたら国の命令が書かれた指示書に従うようになっていたらしい。


 ある日、王城の地下にある牢屋(ろうや)で寝泊まりをしている生活が嫌になって、抜け出したそうだ。

 でも、脱走が見っかってしまい、呪いの魔法具【従魔(じゅうま)の首輪】を取り付けられて、命令に絶対服従させられていたそうだ。


ーーーそれにしても、()()()国の指示だ?

 コクロック王国なら、今は第一王女が王になったから違うとしてもな…。


 いや?命令が遅れて届いたって可能性もあるか?


『あの村長も知ってたのかな?』


 安里、俺が目をそらしていたことを…


『村人()()()協力するから、被害者ゼロの楽な仕事でした』


 あの村……火事が起きる前日にお祭り騒ぎだったのは、村の最後を知っていたからか…。


 それに、最初の挨拶で俺を勇者だと答えるのも()に落ちなかったんだ。


 俺の顔は撮られていない。っていうか、ここには似顔絵くらいでしか人の顔を知らせることができていない。


 勇者の印として、あの王国から書状(しょじょう)(もら)っているが、この村を助けるのはボランティアでしようと思っていたために挨拶の時には見せていなかったしな。


『パパ?』『コーくん?』


『悪い、考えていた』

『で、決まった。

 このまま、村に帰らずに旅に出よう!』


『えっ!?』


 安里が驚いて、スライム・ボディが波打つ。


『村は救われてるしな』


 正直……この事実を知って、あの村の人達を見るのが怖いし。


『パパ、どこに行くの?』


『遺跡だ。

 そこに、勇者の【剣】があるんだ』


 勇者の剣を装備したら、力がまた10%上がるんだ!


 戦力は高いほど良いし、この先で、魔王に会わないとも言い切れないしな!

 

 とりかく!あの村には、行きたくないぜ!


………………

…………

……


『安里、俺が考えていることは分かるか?』


『私と結婚したい!?

 コーくん愛してるぅ~♥』


 うん、こいつは低知能のスライムだな。


『パパ、ごめんなさい』


『スィは、悪くないぞ?

 このスライムが悪い』

『でも、謝れたことは偉いな!』


『うんうん、スィちゃん偉い!』


 さて、()()これくらいでいいかな?


 もうちょい、掘るか?


 いっそ、【覚醒】して、どこまで掘ったら水が出るか、チャレンジするのも悪くはないな!


『パパ…そんな笑顔で、こんなに深い穴を掘ってどうするの?』


『大人になれば分かるさ』


『そう!

 コーくんも大人になったよね!』

『大きくなったよね!

 昔は、ちっちゃかったのに♥』


 こいつの、大人の基準はあれがデカイかどうかなのか?


『よし!あとはスィ、この穴の壁の半分くらいの高さの所で()()()()()()()()()()()


『え?でも…安里が『小さな爆発でいいぞ』でも、『あ、結構深いから見えない?』』


『なら、肩車してやる。

 おいで、スィ』


『肩車!

 うん!パパ~♪』


 俺はスィを抱き寄せて、肩車する。


『スィ?あの辺を爆発してね?』


 俺は、穴の(なか)ばほどの壁を指差(ゆびさ)す。


『でも、『高い高いもしてあげるから』分かった♪パパ♥』


 こうして、安里を()()()()()箱ごと、掘った穴は埋められた。


『スィ?

 今度からは、あんなことはぜ~たいにしないようにな?』

『パパとの約束な♪』


 安里がこの国の門番に検問されていた時に、寝ていたスィ(擬態を解いて、丸くなった状態)を起こして、俺の股間部分に()()()()()()ことを仕込んだせいで、また、【優しい世界】が広がったじゃねぇか!


 ()()に、こんな幼い子に、


『パパのは、これくらい立派だって見せるのが流儀(りゅうぎ)?だって安里が……』


って言わせやがって。


 反省が必要ですね。はい。


『よし!高い高ーい』


 キャッ♪キャッ♪と笑顔になって、高い高いされるスィを見ながら俺は、この【リッパー国】の南、マヤゴーア砂漠を目指して森を歩くのだった。


 グオーラ砂漠→マヤゴーア砂漠に修正。


 やっと、愛娘編が書き終わったので、


 私、女神になりました♪~MP頼りのステータスで敵をボコボコに!~

 に取り組んでます!

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ