Ⅵ 報告
「ふーん、んでそっちの収穫としてはその女か」
ベレトラでカルナと情報を共有する。
「ああ、ただ気になるのは捨てるには早すぎる。」
あの早さから、もう用のすんだ施設だったのか、もともと捨てる事を計画していたか。
「こっちでもベレトラ内での方はすんだぜ」
どうやらここに根をはり始めていた商会を片付けてきたようだ。
「自慢の傭兵に忍者がいるとか聞いてたからよ警戒してたが情報と違って隻腕でよ、そいつも慣れてないのか義手着けてたんだが意外とはやく終わったな」
そう言って束になった紙を机に乗せてくる。
写真と共に名前、出荷場所が示されている。
奴隷を売りさばいた内容だろう。
「あとはマルスの奴に垂れ込んどけば上手いこと潰してくれるだろ。」
マルス・サーレン公爵、この国での貴族内で派閥の一角となっている大貴族だ。
それなりに裏と精通している事からカルナとは良く取引をしている。
奴が動くなら早々に終息しそうだ。
そんなことを考えつつカルナからの資料に目を通す。
肉体強度や魔力が一定を越えないものは処分との表記がある。
処分された者たちを見ると、どうやら容器には入れられず部位ごとに分けられていた人間たちのようだ。
だが、そこで一つの名前に目が止まる。
「ナターシャ・カルドネル…」
「ああ、お前に依頼してきた令嬢か…あんな交渉受けちゃなしょうがねぇよ」
カルナは俺が誘導にあった事に慰めを向けるが、今はそれよりも気になる記述を見つけたのだ。
「この資料は本当なのか?」
「何?ヘッケラー本人から奪い取った物だ、奴がどう知らされていたかは知らないが売り払ったルートは確実だろ」
「あの令嬢、一ヶ月前に処分と記されている。」
「なんだと?」
◼️
「うふふふふ、ふふふっ」
わたくしの笑みが止まらないわ
「あははは!」
だってやっと人間界にこれたんだもの!
この娘も恨みを晴らす事と引き換えに体をくれるって言ってくれたしっ!
これからどんな楽しいことが待ってるのかしら。
ワクワクしちゃうわ!
狂乱した笑みを見せた女は闇へと消えていった。