この弓は最強です!
「・・・は?」
間違いなく俺は怒っている
「あ、ありがた~く使うのよ…」
「…こんなん使えるかああああああああ!」
-数十分前-
突然で悪いんだけど、俺、海道 風斗。死のうと思う。
理由はもう疲れてしまったから。さようなら どうしようもない奴でごめん。
俺は望み通りにこの世からおさらばした。
・・・あ?
「ここは・・どこだ?」
いかにも神々しい光が差し込んできた。
「天界。これでいいでしょう?」
「言っとくけれど、私はせっかく与えてあげた命を放り出した自殺者は嫌いよ」
女神…らしき人が出てきた。
「さっさと選んで下界に行ってちょうだい?」
剣、弓、杖、魔導書
どれも強そうだが…
「お前は俺に戦争でもさせる気か?」
「いいえ。そんなことはないわ」
「あなたを死者の世界に送り出すための手続きよ。」
どうしようか…勇者っぽい剣もいいし、魔導書と杖…魔法も使いたいな 弓もいい…
「うーんじゃあ弓で」
「わかりました。」
「これがあなたの武器です。武器にとってあなたは命。あなたにとって武器は命。これをお忘れなく。」
黄金の弓。これが俺のもう一つの命になった。
「貴方は自殺者。あの世界では疎まれる存在…いいえなんでもないわ。」
「それでは…」
「あら?」
「突然の通信すみません。お届けした、黄金の弓なんですけど…普通の弓と間違えて…」
「たった今契約が完了しましたが?」
何の話だろうか。この黄金の弓がどうしたのだろうか。
「あちゃ~。その弓、当たれば魔王も一撃で殺せるんですけど…」
「何っ!?」
魔王…?この世界にも魔王が存在するのか…
「当たればですよ。…その弓当たる確率がほぼ0%なんですよね…。」
「は…?」
「あ、ありがた~く使うのよ…」
「…こんなん使えるかああああああああ!」
「それでは気の毒ですが…一度契約してしまうと戻せないもので…。すみません。」
「一つ言わせてくれ。生きていたくても、耐えられなくて自殺してしまうことだってあるんだ。そいつらを嫌わないでくれ。」
「…覚えておくわ。」
「じゃあな」
世界最強であり世界最弱の弓を得た風斗はただひたすら思った。
死ぬんじゃなかったと。
初投稿です(*´ω`)