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略奪の姫君と太陽の王  作者: 優姫
1/2

運命

空が少し沈んできた。少し静まり返った、とある西の端に存在する小さな国の国王の住まう城の一室で。

今現在。話し合いが行われていた。

「 それでは。それで決まりで皆様よろしいですか? 」

大きな丸い机の真ん中に1つの燭台しょくだいを置いただけの薄暗い部屋の中で。

机を囲む9人の男性の中の1人の男が机に両手をつき立ち上がった状態で言葉を述べた。

7人の男性が頭を下に振り、頷く動作をして見せた。


そして。他8名とは明らかに装飾が豪華な椅子に座る。顎鬚あごひげを左手で撫でる、初老の男性に8名は一斉に視線を送る。

薄暗くてわかりにくいが。濃いトパーズ色の瞳を持ち。若い頃はさぞ見目の素晴らしい青年だったであろうオーラを漂わせる初老の男性はゆっくりと口を開く。

「 仕方。あるまいな。 」








「 姫様!どこですかー?姫様ー! 」

西の端にある小さな国。カルディリア国。そこは。緑豊かで平和な国ではあったが。規模がとても小さい国であった。

その国の中心にあるひっそりと佇む。城の天井の高い柱が数本立つ廊下で。

よわい17歳になる赤い髪を肩でとどめた髪型の娘があたりをきょろきょろと見渡しながら叫んでいる。

「 イネス。どうしたの?王宮の廊下でそんなに大きな声を出して・・・・。はしたないですよ? 」

続け様に叫び。探し人を探していると。年配の娘と同じ。城で働く者達が着る服と同じものを着る女性に声をかけられた。

「 あっ・・・・申し訳ありません・・・侍女頭様・・・。陛下が姫をお呼びなのですが。どこにもいらっしゃらないものですから・・・。 」

イネスと呼ばれる娘が。声をかけて来た者にそう言うと。声をかけた者は「はぁ・・・」と、少し下を向きため息をついた。

「 あの方は・・・またですか。専属侍女の貴女も苦労するわね。でも!だからと言って。城の廊下で大きな声を出して良いと言う事にはなりません。兵士達数名にも言って手伝ってもらいなさい。 」

イネスはまたも反省した様子で。

「 はい・・・申し訳ありません・・・。失礼致します。 」

と、声をかけて来た者に一礼しその場を後にした。




その時。城の庭では。

「 何だ。お前。また来たのか?フフフッ。気持ちの良い声で鳴くな。美しい声だ。もっと聞かせてくれ。 」

城の庭にある木で、一番大きな木の上の方から声がする。そこには空色の瞳に腰まであるストロベリーブロンドを流し、ドレスの端を結んで木の枝にもたれるように座り。人差し指や肩、頭の上に小鳥を乗せた娘が小鳥の囀りを聞いて。心を落ち着かせていた。

「 見ろ。ここからの眺めはいつ見ても最高だろ?この国だけではなく、それよりもっと向う遥か遠くまで見通す事が出来る。お前たちの美しい声を聞きながら、我が国を一望出来るこの場所が私はとても好きだ。 」

娘の言葉に。小鳥たちが返事をするようにさえずっている。

「 こちらです。リンス公爵。 」

突然、見知らぬ男の声がし。小鳥達は皆、羽を羽ばたかせどこかに飛んで行ってしまった。娘は庭に面した廊下の方に視線を送る。そこには。自分より数倍年上であろう、態度のでかい男と。彼に媚びへつらっているように見える。弱弱しい男が歩いていた。

「 ふん!相変わらずこの国は狭いな!鳥の鳴き声も煩く!耳障りだ!良い所と言えば。国は小さいが栄、良い文化があるために金が多いくらいだ!さっさと用を済ませて帰るぞ! 」

「 あれは・・・。確か隣国のハウンメルスト領が公爵・・・・名は確かリンスだった・・・か?何故あやつがここに居る。 」

男達の異様な雰囲気に気づいてはいたが。娘はただポツリとそう言うだけで、それ以上は何もしないで公爵が見えなくなるまで視線を送り続けた。

そこで。再び、視線を外へ向けようとした時。

「 あーーーーーーっ!!!!! 」

突如。聞きなれた叫び声が聞こえ。娘は再び。声のする方、廊下の方へ視線を送る。

娘と目が合うなり、叫んだ本人はすかさず木の傍まで駆け寄り。

「 姫様!!また、そんな所にいらっしゃったのですね!あぶのぅございますので、やめて下さい!と、何度も申しておりますのに! 」

声の主。イネスは木の上に居る娘に向かって一生懸命抗議する。

「 危ないものか。ここからの眺めは最高だぞ。お前も一度ここまで上がってくれば良さがわかると、何度も言ってるだろう? 」

娘はイネスを見ながら微笑み。そう訴える。

「 そのようなはしたない真似!イネスには出来ません!って・・・そうじゃなくて!姫様!陛下がお呼びです!御召し物を整えてからで、構わないので書斎に来るようにと! 」

その言葉を聞くなり。娘は木の上からふわりっと降り立った。娘に背を向け喋っているイネスは気づいては居ない。

「 でも流石陛下ですね!一々、御召し物を整えてからと言うので。何でそんな事を言うのかと思えば・・・!姫様が木の上にいらっしゃる事に、きっと気付いていらっしゃったのですね!わっっっ!!! 」

最後まで喋り、勢いよくまだ木の上に居るであろぅ主に向き直ると。すぐ目の前に木の上から降りて来た娘の顔が目の前にきて、驚き声を上げる。

「 私より。お前の方が危ないぞ。ちゃんと前は向け。呼ばれているのなら書斎へ行こうか。 」

娘はイネスの腰に右腕を回し、後ろに転ばないように支えてやりながらそう言うなり、イネスが落ち着くや否や書斎がある方へ歩き出そうとする。

「 ちょ・・・っと。お待ちくださいませ。姫様。 」

呼び止められた娘は振り返りイネスを見る。

「 なんだ? 」

「 なんだ?ではございません!言いましたよね?御召し物を整えてから、書斎へ!と。お部屋に参りましょう!ほらほら、早く! 」

にこやかに微笑みながらイネスは娘の腕を掴み。書斎とは別の方へ引っ張って歩いて行く。




コツ コツ コツ コツ コツ コツン。

―――――――――――――――コン、コン―――――――――――

「 誰だ。 」

廊下を歩いていた人間は茶色く大きな、豪奢な扉をノックする。すると、すぐさま中から優しそうな男性の声が聞こえてきた。

「 私です。ウィリスです。入ってもよろしいですか? 」

ウィリスと名乗った青年は中からの返事を待つ。

「 構わん。入りなさい。 」

返事が来ると。青年はゆっくりと扉を開けた。

キィ・・・・。バタン・・・。

扉の中は綺麗に整えられた書斎だった。

部屋の奥。窓際には大きな机があり。今まさに机に向かって、何やら書類を書いている初老の男が居る。

部屋の中に入った青年は。ゆっくりと歩き。机の傍で立ち止まった。

「 それで?何か用事があって来たのだろぅ? 」

青年は目の前の椅子に座り、書類に目を通したまま自分に声をかけてくる初老の男性を睨み付けた。

「 父上。エヴァを嫁に出すとはどういう事ですか?しかも、聞いた所によると相手は隣国のハウンメルストが公爵、リンスだと言うではないですか!一体何を考えておられるのですか!考えをお聞かせ下さい! 」

青年、ウィリスはそう言いながら目の前の机に両手を叩くように置いた。

言葉を聞くなり。男性は書類を机に置き視線をウィリスに向ける。

「 その話か。もう耳にしたとは早いな。お前も知っているだろぅ。この国は緑が豊かで文化も発達している。産業などにも困らない良い国だ。だが、小さすぎる。この国より南にあるギリスト国は文武は良いが乱暴な素行の者が多い国だと聞く。いつ、攻め落とされるか。怯えるのは疲れたのだ。だからこそ。北にある同じく文武が発達し、海を通して他の国とも交流のあるヘルフィリスト国と縁を繋ぎたい。 」

男はそう言いながら両手を組みその上に顎を乗せ。ウィリスを諭すように話す。

「 ならば公爵ではなく。ヘルフィリスト国の王子と婚約させれば良いでしょう!何故公爵なのですか!リンス公爵は齢50なのですよ!?まだ17歳のエヴァが可哀そうだとは思わないのですか!それに、あの男は一度結婚しています!早くに奥方を亡くし子供が居ないという境遇には同情しますが、王女であるエヴァを再婚相手として差し出すつもりですか! 」

ウィリスは納得出来ぬ、とまだ声を荒げて目の前に男に言い返す。

「 リンス公爵家は代々子どもをヘルフィリスト国に嫁がせるだけの力を持っている。良い伝手があると言う事だ。関係を持っても問題ない相手であろぅ。ヘルフィリスト国王子にはもう婚約者が居るからエヴァを差し出すのは不可能なのだ。確かにあの男は齢50にもなるが。それが何だと言うのだ?エヴァは国は小さくともこの国の王女だ。王女なら王女らしく、国の為になる所へ嫁ぐのは当たり前の事だろぅ。 」

そこまで言われてしまい。机から手を放して1歩後ろへ下がるウィリス。

「 しかし・・・・っ! 」

「 いい加減にしないか!この話は会議で決まった事だ!覆す事はもう出来ぬ!宰相達も納得してのものなのだ!諦めなさい!!それでも納得出来ないとは言わせぬぞ!これは王命である! 」

負けじと意見の言葉を述べようとしたが。父であり、この国の王である男に遮られてしまった。

そこまで言われてしまっては。流石の第一王子であるウィリスは何も言えなくなってしまう。辛い表情を作り俯き舌打ちをする。

「 私だって・・・・ 」

舌打ち後。目の前から小さく声がしたので。視線だけを其方に向けた。

「 私だって。「父親」何だ。娘と息子には幸せになってほしい。だが、私はこの国の王でもあるのだ。娘と息子の幸せを望みながらもこの国の事も考えなければならない。これは、仕方のない事なのだ・・・ 」

国王は両手を机に置き。拳を握りながら、苦虫を噛み潰したような顔をする。

その言葉にウィリスは再度舌打ちをすると、踵を返し何も言わずに部屋を後にした。



久しぶり?1年ぶり?2年ぶり?3・・・・3年ぶり・・・?wの新作です^^

ネタが尽きてしまってw久しぶりにひらめいたものですw

まだまだ書けますbすぐにも続きを投稿出来るでしょう^^


文章能力が低いため。ちーとばかし、読みにくいかもだけど。

宜しくお願い致します><;


読んだ感想など頂けると嬉しいです^^

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