プロローグ
どうしてこうなったのだろう?
僕はただ皆に幸せでいて欲しかっただけなのに。
「すみま…せん…アイリスさ…」
「もう喋らないで!すぐに治療を」
男は首を横に振る。
彼にも僕にも分かっていた、彼はもう助からない。
無くなった下半身からは血が溢れ続け、その周囲には血溜まりが出来ていた。
こうなったのは僕のせいだ。
「あな…た…は…わた…したち…のきぼう」
目の前で刻一刻と命の灯火が消えていく。
「どうか…どう…か」
そう言って彼は力尽きる。
どうしてこうなったのだろう?
そんなの決まっている。
こうなったのは僕のせいだ。
目を開いたまま力尽きた彼の目を閉じる。
「ゆっくり休んで。後は私に任せて」
僕の周りにはすすり泣く者、声を上げて泣く者、悔しさを叫ぶ者達がいた。
「必ず仇は取るから」
僕はそう呟き立ち上がる。
彼の血を吸ったドレスは重たくなっていた。
だけど、歩みを止めるわけには行かない。
助けると決めてしまった。
思いを託されてしまった。
だから
「戦争をしましょう」
僕は泣く者達を見てそう言った。
泣いていた者達も僕を見て頷いた。
こうなったのは僕のせいだ。
なろう初投稿です。
まだ慣れていないため、色々と不手際があると思いますが、生暖かく見守って頂けるとありがたいです。