表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神は死神(仮)へ再就職希望しましたっ!  作者: き・そ・あ
第1章 死神さんと運命の女神と
7/36

6 仕事を選ぶのは大変

「まず、1つ。神官。大神殿で募集されているわ。他の大地へと大神殿の分所を作る計画みたいね。要は、他の神殿で働く巫女さま的な感じかしら。年齢不問、経験不問、スキル、前職不問。処女であり、容姿が18歳以下であればOK。どぉ!?」


「ど、どぉ?っと言われても、・・・巫女、いや神官ですか?」


 神官って言ったら、この階級制度のど真ん中だし、絶対にレアみたいな子供がうまくいくわけない。

 女であればいい。みたいな適当な募集概要もちょっと・・。嫌かな。

 なんか、いじめられそうだし。


「一旦、保留にしてください」


「そぉ?それじゃこっちは?」


 一枚の紙が差し出される。


「一緒に魂を浄化しましょう!回収された魂をきれいにするお仕事です!。こっちはどぉっ!?」


 これって。・・・。


「これって、魂の回収箱の行き先なんですか?」


「そう!レアちゃんがいつも回収してくる魂!それを今度は裏方さんとして綺麗に浄化するお仕事!。今なら職業訓練期間があって、天界から助成金も出ちゃう!」


「でも、そんな難しそうなこと、レアみたいなのができるでしょうか?」


「だぁいじょうぶ!!ここ見てっ!経験不問!やる気がある人優遇!夜勤交代制。繁忙期手当有り!残業は毎月平均20時間。人間界へ行ったことある方優遇!お休みは毎月6日と安定的な・・・」


「ままま、待ってください!!そ、そんなに忙しいんですか?あの魂の回収箱、そんないつも混んでませんけど・・・。むしろ、今よりもかなりハードワークなんですけど・・・。」


「そりゃそうよ!女神でも豊穣の女神なんて、一流の女神の家系ですもの。週休2日、長期休暇有り、仕事は変形7時間。残業はゼロ!残業した場合も後日調整で早あがりができる。神の仕事と私たち神の中でも下位のグループは扱いが違うのよ」


「は、はぁ・・・。」


 確かに、そう言われると、今の求人を見ているとだいぶ今の仕事の方が楽。

 でも、なれたら楽しいのかな・・・。


 うぅ~ん。


「保留にしとく?まだ、あるし」


「すいません」


 軽い溜息をついて、お姉さんは最後の1枚を私に出す。


「おいっ!こんな求人いいのかよ!?前職、ランクA以上の神のみって、こんなとこにいないだろ!?」


 お姉さんが口を開けたのと同時に、隣の席に座っていたおじさんが声を上げた。

 手に持っているのはレアが見ているのと同じような紙。この人も、仕事を探しているようだ。


 ちなみに、ランクA以上、というのは大伸ゼウス直属の神々、もしくは12神将クラス。更には、人間界のエレメントを司る神々、もしくはそれに属するもの。

 火の神はAクラス。星の神はBクラス以下。っていった感じになる。


「すいません、依頼元の要望なのでそれは変更できかねます」


 頭を下げる様子を見ると、働くって大変なんだなぁ。と改めて思う。

 でも、どんな仕事なんだろう。よっぽど難しいのかな。


「ごめんね、レアちゃん。続けるよ?」


「は、はいっ!こちらこそ、すいません」


「たまにね、こんなこともあるのよ。仕事が少なくてね、働きたくても働けない人が多くて・・・。それじゃ、3件目ね、最後は、精霊騎士です!」


「き、騎士・・!?」


「大神殿で働ける仕事で、剣術経験者であれば可能なんだけど-」


「ごめんなさい!レアには無理です!」


 お姉さんの声を遮って、レアは声を上げた。

 剣術の稽古も無理なのに、精霊騎士なんて絶対に無理。

 怖いし、お稽古やだし、大神殿で働くなんて絶対にイヤ。


「なんか、ごめんなさい。レアが何もできないのに変に期待してきちゃったから・・・」


「ふぅ・・・」


 3枚の紙を見比べながら、お姉さんが静かに溜息を吐いた。

 仕事って、もっと簡単になれるとか思ってたのに、こんなにいろいろと壁があるんだな。

 資格とか、できることとか、前に何やってたとか・・・。


(前に、・・・何をやってたか?)


 既に空席のとなりの席。さっきまで不機嫌そうにしていたおじさんを思い出した。


「あのっ!」


 わたしは、さっきの隣の人のことを思い出した。

 前職、Aランクの神。

 豊穣の女神は大地の女神の直結。つまり、Aランク。


「さっきの、隣の人が見てたAランクの神じゃないとできないって言ってたヤツ、見せてもらませんか!?」


「これ?」


 となりのカウンターに座っていたおにいさんが身を乗り出して紙を見せてくれた。


「それ、あまり人気がないんだよ。もう長いこと募集されているんだけど・・・」


『君も人間界で活躍しませんか?

 経験はなくても大丈夫!人間の命を司るお仕事です。親切丁寧なスタッフが教えます。神職なので、前職Aランクの神が必須条件です。年齢、性別問いません。詳しい条件は面接にて。

 まずは、死神協会まで』


 昨晩見た、死神さんのことが頭によぎる。


「わたし、これやってみたいです!」


 お姉さんに差し出した紙は、死神募集の紙だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ