5 職業相談 2
「レアちゃんは、どんなお仕事してるのかな?」
「い、今は、女神です。豊穣の女神の、末っ子なんです・・・」
「あぁ!女神さまなんだ!豊穣の女神って言ったら結構いいとこでじゃない?なにか嫌なことあった?」
「嫌なことっていうか・・・」
レアは戦いが好きではないこと。夜の見回りが怖い。剣術のお稽古も嫌い。
そんな当たり前な不満を目の前の女の人に伝えてみた。
「あははっ!、そっか。怖いよね。うん、わかるわかる!」
なんか、あまりわかってもらえてなさそうなんだけど・・・。
あの暗い空を飛んだり、痛いお稽古を耐えたり、目の前にいる魔族を倒すことはすごく怖いんだけどなぁ。
少なくとも、この人はわかってくれていなそう・・・。な気がする。
「でも、女神さまってなりたくてもなれる人いないんだよ?恵まれたことなのにやめちゃうの?」
「辞めるっていうか・・・。そこまでは考えていないくて。他には、どんな仕事があるのかな?って思って」
「あぁ~、まだレアちゃん若いもんねー。いろいろ気になる年なのかなぁ?・・・うぅ~ん」
お姉さんはファイルをペラペラとめくっている。
正直、女神を辞めたい、とか考えているわけではなかった。
だって、勝手に辞めたら間違いなくお姉ちゃんに怒られちゃうから・・・。
ただ、ちょっと、ちょっとだけ他の人がしているお仕事に興味があるだけ。
もしかしたら、レアにとってもっとおもしろいお仕事があるんじゃないか?ってこと。
「やっぱり、レアみたいな子供にはお仕事ないですか?特技もないし、何かできるわけでもないし」
「そんなことないよ!うちはどんな人にもピッタリのお仕事がありますっ!ただ、やっぱりほかの人よりは少ないけどね。・・・これと、これ・・。これもかな?」
お姉さんは紙を3枚抜き出すと目の前に並べてくれた。
目の前のテーブルには4枚紙が並んでいる。
なになに・・?
「まず、これね。エントリーシート。利用規約も書いてあるわ。一応、あとで説明するからここは簡単に終わらせて次に行くわよ?」
「は、はい。」
「それじゃ、レアちゃんも気になると思うけど、紹介できそうなお仕事は、3つあります!」
「3つもあるんですかっ!?」
レアみたいな小さな女神でも、3つもお仕事が選べるなんて、すごい!
きっと3つもあればやりたいこともあると思うし、楽しみだわ。