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女神は死神(仮)へ再就職希望しましたっ!  作者: き・そ・あ
第1章 死神さんと運命の女神と
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1 いきなりっ!?死神さん登場!

 そんなレアの今日の仕事は、早速危険な夜の作業。

 正直言って、今すぐにでも天界に帰りたいです。


 空から見下ろすと、小さい田舎の町で、ひとりの人間がその命を終わらせようとしているのを感じる。

 ま、そんなかっこいいコト言っても事前に天界でどこの誰がって教えてもらってるんだけどね。

 その魂を天界へ導くのが、レアの今日の仕事。


 山あいの小さな村。

 人間たちの寝静まる時間にも関わらず、木材で作られた一般的な家が連なる中、ひとつだけ明かりが灯る家があった。

 今日行くのは、あの家みたい。


「おばあちゃん!おばあちゃん!!」


 窓の外から中を覗くと、大勢、とは言い難いけど、数人の人間たちがベッドに眠る老婆を取り囲むように立ち尽くしている。

 その中でも、娘なのかな?中年の女の人は特に涙を流し隣で泣いていた。

 最初は、やっぱりレアも心が痛んだけど職業病なのかな、最近は慣れてきた気がする。


 それよりも、魔族に襲われないかの方がよっぽど心配になってきた。

 それでね、この人が死ぬっていうのはレア以外にも知ってる人が居るの。

 その人は、いつも必ずレアよりも先に来てるんだ。


 ・・・やっぱり今日もいるのかな?


 そっと、人間たちにバレないように扉を開けて中に入るんだけどこの瞬間が一番緊張する。

 レアの姿は見えないんだけど、流石に壁をすり抜けたりはできないからドアや窓を開けて入るんだけど、急に締められそうになったり、人間が出てきたりするとビックリ!!基本的に人間界のモノに干渉してはいけない!っていうのは天界のルールだから。もちろん、物だけじゃなくて生きてる生物もダメです。

 家の中よりも、家の外で亡くなった方がレアとしては楽なんだけどなぁ。


(ふぅ・・・)


 そっと、ドアを最低限開けて無事に部屋に入ることができたわ。


「あ、今日もいる」


 女神の羽で羽ばたくと、人間に接触しないように天井へと飛び立つ。

 すると、ベッドの枕元、老婆の頭の上あたりで人間に混ざっている見慣れた人がいる。

 黒いローブを身にまとい、頭まですっぽりとかぶる姿。


 ・・・死神。


 そう、彼は死神さん。見た目は子供みたいな大きさだけど、その正体はおんなじ神族なんだぁ!レアたち女神とは微妙に違うような・・・おんなじなような微妙な神様なんだけどね。


「こんばんわっ、今日も早いですね。」


「どもっ!」


 私の声に軽く頭を動かしながら、明るく答えると枕元から動こうとしない。

 彼は、何をしているんだろう。

 いつも、あまり気にならないんだけど、今日は聞いてみようかな。


「あの、何をしてるんですか?いつもその辺にいますけど・・・」


「魂の選定をしてるんだよ。」


「魂の選定?」


「そう、この人間の魂を見るんだ。アカシックレコードってやつだね。この人間の魂に刻まれた思いを見て、選定する。それが僕たち死神のお仕事」


「へ、へぇ・・・」


 死神さんはなにかやってたんだ。

 レアから見ると、ただ枕元に立って死にそうな人を眺めているだけ。にしか見えなかったから驚き。

 魂の選定かぁ。死神さんにしかできないのかな。やっぱり。


「その、魂の選定をしたらどうするんですか?」


「選定をしたら、魂を刈り取るか残すか選ぶんだよ。魂に刻まれた想い。人生で一番嬉しかったこと、悲しかったこと、辛かったこと、楽しかったこと・・・そして」


「そして?」


「この世へ残りたいと思う未練。それを見て、最終的な判断を下すんだ」


「も、もし・・・。もしですよ?まだまだ生きたい!未練がいっぱい!って人はどうするんですか?」


「そしたら、生き返らすよ?」


「えぇえ!!?いいいい、生き返らせちゃうんですか!?」


「うん、だって生きたい気持ちがほんとなら可愛そうだし。それも、僕らの特権!」


 最初にあった時のように、ニヒッと笑う死神さん。

 そんな、笑ってますけど、かわいそうだから生き返らせちゃうとか、そんなこと簡単にできちゃうなんて、すごい!

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