1話 従者とクラン
この世界を満喫することを決意した俺たちは、まず何をするかを決めることにした。
「心、この世界の住人。つまり、元NPCの村人や、ちょいちょい出てくる王国の戦士たちも魔法やアイテム、意志を操れるのか?」
「多分、そうだと思うよ。てか、その件に関しては、スティーブから報告を聞かなきゃね。」
「じゃあ、スティーブ、よろしく頼む。」
「はい。では、私が確認してきたことを報告いたします。まず、我々についてです。我々ハルシャレイン大遺跡砦の守護者『八華』は創造者たるあなた方を神以上に慕っております。」
「俺たちゲームマスターの事か。」
「はい。我々は死しても創造者に逆らうことはありません。これは、ここにいる全ての者が揺るぎない意志にございます。」
「なるほど、俺たちについてくることがお前たちの死であってもか?」
「ねぇ、凜ちゃんその質問は意地悪だよ~」
「紫苑、それに礼渦も咲渦もよく聞けよ。こいつらは、俺たちに絶対なる忠誠を誓うってんだよ?つまり、俺たちの部下、というより手足になるってことだ。」
「凜兄のいう通り。これは、ぼくたちの安心と安全、今後の生活にも関わってくることだよ。」
「さすが心。よくわかってんじゃん。で?スティーブ、俺の解釈に間違いはないよな?」
「はい。寸分の違いもございません。たとえ、行く先が死であったとしても、我々は喜んで進みます。」
ここまでの反応が返ってくることは予想外だった。
ゲームマスターの時からかなり使ってきたが、意志を持つことで反したものが現れるのでは。と心配していたわけだが。
「よくわかった。ありがとう。よろしく頼む。」
「もったいないお言葉。」
「じゃ、最初の命令だ。今から半日後に全ての八華と上位従者を集めよ。場所は、第五階層の王の間。」
「承知。全員ということは、今外部に派遣しているミーア様もお呼びいたしますか?」
「もちろん。よろしく頼むぞ。」
「はい。」
というとスティーブは扉から出て行った。
「んで?これから何するわけさ。」
「そうだな。まず、霧心には今一度町に戻ってもらう。」
「そうだな。俺のギルドの様子も気になるからな。」
「じゃあ、葵に町の外まで送ってもらう。それと、何かあればすぐに俺にコールしろ。」
「おうよ。じゃ、また連絡する。」
「あ、それともし、元むき身を見つけたら明後日の晩、ここに来ることを伝えといてくれ。」
「おう。じゃ、急いで戻るわ。」
というと霧心は葵と消えてしまった。
「じゃ、ゆっくりどうするか決めるか。」
「そうだねぇ。」
「まずは、ゲームマスターとしての行動だよね。」
「それはもう決まってるよ。楽しむ。でしょ?」
「いや、咲渦、そうなんだけどさ。それじゃあ、誰も納得しねーよ?」
「じゃあ、どうすんのさ。私たちが何者なのかは明かすべきじゃないんでしょ?」
「あぁ。その時が来るまでは。」
すっと手を挙げた心がだんまりを解いた。
「考えたんだけどさ、何が起こるか分かっていない今、一般プレイヤーとの情報交換も必要不可欠だ。」
「それは当り前よ。」
「で、一つ考えたってのが、まず、ぼくたちもクランを作る。」
「うん。」
「で、今度はぼくたちも町に出てほかのクランにも呼びかける。緊急事態につき大手クランはむき身のホールに集結せよ。ってね」
「おう。」
「そして、大手クランで議会のようなものを作る。ここから一番近いのはウェタンデの町。そこには霧心さんはじめむき身のメンバーもいる。」
「なるほど、ウェタンデに治安を作ると。」
「そうゆうこと。」
「ねぇ、心のいう通りやってもいいけど、私たちのクランのリーダーは誰がやるのよ?」
「咲渦はいやよ。」
「ぼくもリーダーって感じじゃないし。」
「んじゃ、凜兄か紫苑姉だね。」
「じゃ、わたしは凛雅に一票。」
「俺ね。じゃあ、みんな俺について来いよな。」
「もちろん。」
これが、ゲームマスターたちのクランの完成である。
「名前は、、、ゲームに則ってアトランティスでどうよ。」
「それでいいわ。」
「そうだね。」
「じゃあ、とりあえず腹減ったから飯にするか。」
「うん!」
「てか、腹減るんだね。」
「葵~。飯~。」
「御意。」
なんか詮索感が半端ないけど許してください。
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