プロローグ いざ、夢の地へ
是非、楽しんでいってください!!
2188年6月20日、23;58。
人気フルダイブ型MMORPG『アトランティスダリア』の五周年目の記念日にして、サービス終了まで丁度一年という節目の日だった。
スリープダイブ用デバイス「ノア」をかぶり、アップデート終了を待機している青年少女の5人。
そう、彼らが、『アトランティスダリア』を創ったいわゆる、ゲームマスター。
2150年頃から、一般商品化された「ノア」とゲームプログラミングソフト。
これらにより、ある程度知識をつければゲームメイクできるようになっていた。
そのソフトが、「ノア」の会社「N’sA」から正式に承認を得られれば配布できる仕組みになっている。
アップデートなども、すべてN’sAを通さなければ実装できないなど、ゲーム業界を牛耳っている。
それはさておき。
『アトランティスダリア』はこの5人にとっては、夢の世界だった。
自分たちのやりたいこと、やってみたいことに始まり、現実では絶対に味わえない風景、モンスターと対峙するワクワクと恐怖、などなど挙げればキリがない。
それらが実現できる世界、それが『アトランティスダリア』にすべて組み込まれている。
が、その世界が一年後には閉鎖される。
これはN’sAの決定事項として可決された。理由は未発表。
そんな最後の一年を満喫しようという5人と、各ユーザーたちはアプデ終了を待っていた。
6月21日、0時00分。
『アトランティスダリア』プレイヤーは一斉にログインした。
「オカエリナサイマセ。リンガサマ。」
ノアの付属機能の人工知能が話しかけてくる。
「キョウハ、ドノゲームニイタシマスカ?」
俺は、無機質な声があまり好きではない。
それに、どのゲームかと聞かれても、一つしか入ってないっての。
とか、思いながらゲーム選択をする。
「アトランティスダリア、デゴザイマスネ。デハ、イッテラッシャイマセ。」
と声が聞こえたらそのままブラックアウト。
次に目を開けた時には『アトランティスダリア』の世界の中だ。
見慣れた天井と聞き慣れた音楽。
大広間の方からは、残り四人のゲームマスターたちの声が聞こえる。
どうやら、なにから始めるかを話し合っているようだ。
セーブポイントであるベッドから起きて、大広間に行く。
「おぉい、遅いじゃん!」
と手を振って早く来いアピールをしているのが、
クレイオーこと礼渦。
「で?どこから始めんの?」
と、早くも体の重心が出口に向いているのは、
テミスこと咲渦。彼女は礼渦の姉である。
「そんなに焦ることないって、セントミアスはにげないよ」
と咲渦を落ち着かせているのが、
ニュクスこと紫苑である。
そしてさっきから黙って話を聞いてるのが、
アスクレピオスこと心。
このクレイオーだのニュクスだのは、ストーリーに出てくる重要な名前で、
このチームの砦に攻め込まれた時のためコードネームみたいなものだ。
ちなみに、俺はエレボスとなっている。
これがゲームの創造者たる五人だ。
俺たちは、小さい時から一緒に遊んでた仲だ。そして、五人とも両親がいない、もしくは遠くにいるという、訳ありチームだった。
このゲームはその悲しみを和らげるものであるのかもしれない。
「あ、そうそう、凛ちゃんの昔のクラメン戻ってきてるかもよ?ホール行ってみたら?」
「ねぇよ。それに、ここからは遠すぎて行く気にもなれねーよ。まぁでも、ちょっと顔出してみるかあ。0ではねーだろうし。」
俺は装備を通常プレイヤーレベルの最高位Lⅴ,10に戻し、転移用の指輪を発動させ、クランホールのあるウェタンデの町まで転移した。
そこで俺は知ることとなった。俺たちの現状を……。
まともなもの書くのが初めてなので、至らぬところ多いのでご了承ください。
誤字脱字は、報告が来次第、直します。
みなさんに楽しんでもらえたら嬉しいです!