閑話:アルファス・レステングールの感謝《中》
それから、師匠は俺にいろいろなことを教えてくれた。
初めにやったのは、武器選びからだった。
俺は、武器なんて持ったことなかったし、何かに攻撃をしたのも喧嘩以外では兵士に殴りかかったのが初めてだった。
「うぅ〜ん。シンさんは何を使うんだ?」
「短剣と大鎌〜」
「ふ〜ん。そうなのか。俺はどうしよう…」
「まぁ、いろいろ使って見せてあげるから、それから決めるといいよ〜」
「わかった」
そう言って、俺らは森を進んでいった。
初めに遭遇したゴブリンは、師匠が短剣で首を切って倒していた。俺はそれを見て、俺もそんなことができるようになりたいと思った。
しかし、師匠は遥かその上だった。
「普段はもっと違う使い方してるけど、本来「短剣」っていうのは、素早さと手数の多さが売りの武器だからね〜。」
「そうなのか。というか普段はどうやってるんだ?」
「あ、見たい〜?」
「ぜひとも見たい!」
「じゃあ、やってあげよう」
そう言って、師匠は木に登った。何をするのかわからなかったが、師匠がそこで見ていろと言ってきたので、しばらく待っていると。
「じゃあ行くよ〜」
そう言った後、師匠の姿が突然消えたかと思うと、少し先の開けた場所でゴブリンの肢体が転がっていた。
しかも、どれもこれも身体中を切り裂かれて。
「こんな感じ〜。」
「…ええと、何が起きたんだ?」
「木を蹴って、移動しながら切りつけまくった。」
「うん、よくわかんないわ…」
周りの木を見れば、確かに師匠の足の後がくっきりと5cmくらい陥没していた。
その後も、色々と見せてくれたが、俺は初めに見せてもらった短剣を選んだ。
それに、師匠が闇属性を使えたことにも驚かされた。俺はずっと誰にも言わないようにしてきたのだが、師匠は全く気にした様子がなかったのを見て、俺はとても安心したのを覚えている。
まぁ、その後に師匠に王城に連れて行かれて、さらに驚くことになったが。
そこの訓練室で、師匠は自分に一撃でも当てられればそれでいいなんて言って、俺に木でできた短剣を渡してきた。
もちろんのこと、俺は師匠に一撃たりとも当てることはできず、それどころか足をかけられて師匠にいいように遊ばれた。
そして、それから師匠は俺に短剣の振り方を教えてくれた。
「さて、まずは基本の型から教えるね〜。これらを基準として、応用を加えて使うから、しっかり覚えてね〜。」
「わかった。」
「じゃあ、まずはこれね〜。」
ヒュン
師匠ははただ短剣を縦向きに振り下ろした。何がしたいのだろうと思ったが、
「え?それだけ?」
「そ。アルは短剣を振ってる時に、刃が縦向きじゃなかったから。」
「それじゃダメなのか?」
「当たり前でしょ〜。切らないで短剣で殴るつもり〜?」
「あ、そっか。」
確かにそうだと納得させられて、俺は短剣を構えた。
「じゃあ、とりあえず縦横、斜め、後ろに200回ずつね〜。」
「マジで…?」
「マジでだよ〜。ほら早くやんないと、次のやつになんないから〜。」
「わ、わかった!」
それを聞いて、俺は短剣の素振りを始めた。
それを確認した後、師匠は何かの魔法を使って空に飛び上がったりして魔法を作っていた。
俺がそれを見るたびに素振りの回数を増やしたのは、絶対楽しんでたと思う。
そして、しばらくやらされた後、やっと合格が出た。
「うん、まぁ大体いいかな〜。」
「よっしゃ!で、次は?」
「魔法ってどれで使ってる〜?」
「え?普通は詠唱だろ?」
第一、戦闘中だったなら陣は描く暇なんてないし、無詠唱もしっかりイメージができないといけないので、俺は動きながらじゃできない。
「僕は陣使ってるんだけど〜?」
「マジかよ⁉︎あんなに面倒なの使ってたら、戦えないじゃん!」
「そっか。僕はできるんだけどなぁ〜。できないの?」
師匠は俺をニヤニヤと見つめてきた。
「そんなこと、出来るわけが…もしかしてやらせる気か⁉︎」
「そ。こっちの方が使い勝手がいいし、応用が効くし〜。」
「マジか…」
「大丈夫だよ。基本は詠唱で、闇とか合成魔法だけ魔法陣だから〜。」
「合成魔法ってなんだ?」
「こういうやつ〜。『空泳』起動。」
師匠は空に浮かんだ。どうやらそれが合成魔法だという。
「あ!さっきのやつ!それ何なんだ?」
「風魔法と闇魔法を組み合わせて使ってる魔法だよ〜。」
「そうだったのか!」
「こういうやつは陣じゃないと出来ないから〜。」
「へぇ〜。わかった。」
「よろしい。じゃあ、陣の基本を書いた紙あげるから、覚えてきてね〜。」
「…え?」
「今日はここまで。また明日城門の外においで〜。」
「もう終わりなのか?」
「そ。あと、その剣はあげるから自分で素振りしなよ〜。」
「貰っていいのか⁉︎」
「いいよ〜。ちゃんと、素振りして陣も覚えて来なよ〜。」
「わかった!」
「じゃあ、また明日ね〜。」
「わかった!ふふんっ。」
俺は木製の短剣と陣が書かれた紙を持って、孤児院に帰った。
その日から、俺の修行は始まった。
その日の夜は陣を覚えるのに費やして、次の日の朝は素振り、王城に行ってから師匠に陣魔法の使い方を教わって、その後に短剣を使った訓練、帰ってからはまた陣を覚える、という生活が5日ほど続いた。
ついでに、短剣の訓練中に口調を少し直された。あと、陣魔法の紙の後ろとかに礼儀作法とかが書かれていて、それも覚えた…というか、毎回次の日にテストされた。
そして、
「じゃ、外に行こうか」
「え?」
「魔物を狩りに行くよ〜。そろそろ、技術は多少はついたでしょ?」
「え。あ、はい」
「よし、じゃあ行こう〜」
そう言って、師匠は俺を再び森に連れ出した。
そして、森の手前に着くと、
「じゃ、これとこれ。さっさと準備して〜」
「あ、はい」
師匠は俺に軽めの鎧と、木じゃなくて金属でできた短剣を渡してきた。
それを装備すると、すぐに森の中に入る。
「じゃあ、まずは…あっちかな」
「え?ちょっと、師匠?どこ行くんです?」
師匠が森の中をずんずん進んでいくので、俺はそれについて行った。
「う〜ん。2匹いけそう?」
「え?突然なんですか?」
しばらくして、師匠は立ち止まった。
「そこにゴブリンが2匹いるんだけど。2匹はまだきついよね?」
「え。あ、多分」
「じゃ、1匹やってね。僕はもう1匹を…片付けたから」
「え。もうですか?」
「ほら、そこ。じゃあ頑張って」
師匠が指差した先にはゴブリンがいて、1匹のゴブリンはすでに死んでいた。
一体どうやってやったのか全くわからなかった。
「ほ、本当に…」
「じゃ、もう1匹頑張って〜」
「は、はい」
俺は腰に下げた短剣を抜き、それを構えてゴブリンのちょうど後ろ側に回ってそのまま飛びかかり、首に思い切り短剣を振り下ろす。
そして、ぬるりとした感触が手に伝わり、ゴブリンの首に傷をつける。
それを師匠は元いた草の陰から…ではなく、木の上から楽しそうに見ていた。その上、片手間に何かの魔法をいじりながら。
そして、ゴブリンも俺に向かって手に持った剣を振り下ろしてくる。
その時、俺はかなり驚いた。剣の軌道は、師匠のものよりずっとわかりやすかったし、何より剣を振っているのを見ていることができるくらいに余裕があったことに。
「ほら〜早く〜」
「はい!」
その後、俺はさらにゴブリンの首に短剣を何度も当てて、ゴブリンを殺した。
初めて何かの命を奪ったが、あまり感じるものはなかった。
俺は師匠の所に戻ると、
「お疲れ〜。どうだった〜?」
「どうだったって言われても…」
「ま、そんなもんかな。あ…なんだろ、これ?」
「どうかしたんですか?師匠」
「そこに浮いてるのって見えてる?」
「え?何がですか?何もないですけど」
師匠が俺が殺したゴブリンの上を指差しているが、何も見えない。
「あ、そう?ならいいや。じゃ次ね〜」
「え?何なんですか?」
「ちょっとスキルの確認〜。魂かな?まぁ、そんなことは置いといて。次に行くよ〜」
「は、はい!」
そういって、師匠はまた歩き出した。
その後は何回かそれを繰り返した後、ギルドで換金をしてその日は解散になった。
「これで、俺も役に立てるかな…?」
その日稼いだお金を孤児院に持って行ったら、アンリねぇちゃんは「怪我しませんでしたか?どこか…」などとすごく心配してくれたけど、最後には「頑張りましたね」と言ってくれた。
これからは俺もこの孤児院を支えていきたいと思って、その日は眠りについた。
それからしばらく、午前中に森で魔物を狩って、午後に改善するべき所を教えられた後、師匠と模擬戦をするなんていう日々が続いた。
俺は、魔物を結構な数を倒してレベルも上がり、冒険者ランクもCランクの試験を受けることができるようなくらいまで強くなれた。
そんなある日、師匠は勇者が集まると言って、俺を朝からいつもの訓練室に連れてきた。
「へぇ〜、その子がしんちゃんの弟子?」
勇者の1人が師匠に向かって話しかけている。
「みたいなものだね〜」
「は、初めまして!アルです」
「あはは〜。アル緊張しまくりじゃん」
「いや、だって仮にも俺、一般市民ですよ」
俺は孤児院の人間だし、師匠たちとは違って特別じゃない。緊張するのは当たり前だった。
「まぁ、僕らだって一応一般市民だよ〜」
「いやいや、師匠はAランクだし、他の皆さんだって勇者なんですよ⁉︎」
「まぁ、俺らはあんまり気にしないで接して欲しいかな?」
「そうだね、私たちだって元々普通の人間だしね」
「そういうこと〜。わかった?」
「は、はい…わかりました」
俺は渋々了承した。
確かに前に師匠が「僕らは、ただ単に魔王討伐のために呼ばれただけの一般人だよ〜」なんて言っていたので、余計な気を使うのも失礼なのかなと思った。
「で、神野くん。なんで僕ら呼ばれたの〜?」
「ああ、なんでも一ヶ月が経ったから、本格的に魔物との戦闘だってさ。だから、一回集まってこれからの説明だってよ」
「ふ〜ん、そうなんだ〜」
「多分もう少ししたら、ソフィがくると思うぞ」
「じゃあ、その前にあげるかな…アル、ちょっとこっちにおいで〜」
俺は師匠に手招きされて近くに行く。
「あ、はい」
「僕が教えることも特になくなったので、アルは卒業です。おめでと〜」
「…へ?俺まだ一回も師匠に勝ってませんよ⁉︎」
突然だった。俺は、まだ一度たりとも師匠にまともな攻撃を入れたことはなかったので、卒業なんて言われても実感はなかった。
「ふふふ〜。勝てるわけないじゃん〜。あれは、一応だよ。そうした方がやる気出るでしょ?」
「え、ええ、まぁ…じゃなくて!なんで突然なんですか⁉︎」
「僕は基礎は教えたし、魔法も教えた。応用も教えて、実際に訓練もした。あとアルに足りないのは、経験だけだよ〜。ここからは僕に頼らなくてもやっていけるでしょ?」
師匠は俺のことを見てくれている。そんな気がした。
涙がこぼれそうになるのをぐっと我慢し、
「…っ!はい!俺、頑張ります」
「と、いうわけで、卒業です。おめでと〜」
「…ありがとうございました!」
師匠に頭を下げた。
「あと、これあげるね〜」
「え?」
「ほら、卒業したら1本作ってあげるって言ったでしょ?」
「あ…そういえば。」
「だから、これあげる。これは、”魔晶石の短剣”。魔力を込めれば、壊れても修復できるから、いつまでも使えるよ〜。」
師匠はそんな説明とともに、青白く輝く結晶でできた短剣を手渡してくる。鞘や柄にかなり手の込んだ彫刻なんかが施されていて、師匠が俺を思って作ってくれたのがよくわかる。
「あ、ありがとうございます!一生大切にします!」
「うん、これからは自分のものを自分で守るんだよ〜」
その言葉に、俺は孤児院のみんなの顔が脳裏に浮かぶ…シモン
「はい!」
「新さんは、いつの間に師匠になっていたのですね」
「はは、そうなんだよな。いつの間にか俺らとは違うことしてたし」
「まぁ、新ちゃんだからな。しょうがないだろ」
「「そうだね」」
そして、俺が短剣を眺めて嬉しそうにしているうちに、王女様がやってきて師匠が勇者の1人と話を終えて、話を始めようとした。その時、ガランガラン…ガランガランと、ギルドの緊急招集の鐘の音が聞こえてきた。師匠がそれを聞いて廊下に出て行くと、
『おい、新。北と西に魔物が攻めてきた。他の奴らはどこだ?』
『そこにいるよ〜』
『そうか。なら、早く準備をして北門に向かえ。西門には、もうギルドの奴らがいるが、北門には人手が足りていない。』
誰かと話す声が聞こえる。そのあと、師匠は扉から顔を出して俺らに確認を取った。
「りょうかーい。聞こえた?神野くんたち」
「ああ…聞こえた」
「うん、じゃあ先に行ってるね〜」
「ああ、俺らもすぐに行く」
「アル〜行くよ〜」
「はい!」
俺は師匠が走って行くのについて行く。
「ありゃ〜。ちょっと遅かったね」
「…はい」
門を出ると、少し離れた範囲のところまでぎっしりと屍体の山ができていた。
「じゃあ、殲滅といきましょうかな〜」
師匠は場に合わない愉快そうな声でそう言った。
「はい、了解です」
「アルは右ね〜。左に来たら死ぬよ?」
「へ?」
「じゃあ行こうか…『魔力を喰らえ”烈炎”』」
そう言って、師匠がいつも使っている短剣を横薙ぎに振るう。
そしてその瞬間、俺の横をジリジリと焼けつくような高温の炎が通って行った。
「いやいや、それやっぱりおかしいですよね…」
その炎をが通って行った跡は、焼け野原になっている。
「僕もそう思うよ〜。ほら、早くやらないと来るよ〜?」
「…はい、そうですね」
全く、師匠の異常さには呆れる。
「じゃあ、終わったらここに集合ね〜?」
「了解です」
「魔石回収してきてね〜」
そう言って、師匠は俺を送り出す。
俺はまだ残っている魔物を狩るために、森の中を進んでく。
「うっ…」
出会った魔物をかたっぱしから倒してはいるが、一向に数が減らないような気がするほどの魔物がいる。
その上、所々に屍体となった冒険者や騎士が落ちている。
『ぎゃぎゃぎゃ!』
『ぎゃあ!』
少し向こうで、まるで騎士のような鎧を着たゴブリンが戦っている。おそらく、師匠の眷属だろう。訓練中に”テラ”っていうスライムを胸ポケットから出しているのを見たから、多分間違いないだろう。
そいつらを見ると、向かってくるCランク以上の魔物を軽く、まるで虫を追い払うかのように倒している。
「くっ…まだ俺も力が足りない」
目の前に現れたスライムなどのFランク程度の魔物を、師匠に教わった魔法で燃やしながら自分の力不足を感じる。
俺は次々に魔物を倒して奥へと進む。
最近、俺はギルドで自分の職業を聞いてやってみていることがある。自らの武器に魔法を付与して戦う”魔法剣”と呼ばれる技術だ。主な使い方といえば、剣に魔法を使うのと同じような感覚で魔法を使う。これを使える人自体が少なくて、ほとんど独学でやっているせいもあり、未だ成功率は5%を超えることはなく実戦で使えるような代物ではない。しかし、それでも成功すれば今の俺なら師匠の”烈炎”や”氷獄”のような威力を発揮する。
前に、師匠との模擬戦の最中に一度だけ成功して、師匠を驚かせたことがあった。が、それでも師匠は軽々と木製の短剣を俺が目で追えないようなレベルの速さで振るってかき消された。やっぱり師匠はすごいと思う。その上、師匠は俺にちょっとしたアドバイスをくれた。しかも実演付きで。
「魔力の込め方がぬるいね。もっと意識して込めるといいよ」そう言われて俺がどういうことなのかを尋ねると「例えば、『そよ風』起動。こんな風に普通は魔法を使うでしょ?けど、今のアルのやつは『そよ風』起動。こんな風に、人がゆがんでうまく発動できてないような感じだね」そう言ってくれた。師匠は使えないのかと聞いたら、「別にこれでいい」なんて言って、”烈炎”を振るいものすごい炎が出て驚いた覚えがある。
そして今、それをやろうとしている。なぜかと言われれば、絶体絶命の状態に追い込まれているからだ。
俺の周りには、オークやギガントなどの大型の魔物が俺を囲うように立っていて、その向こうにはゴブリンなどのランクの低い魔物も見える。
どうやら、焦って先に進んだのが仇となったようだった。
「ふぅ…『蹂炎』」
俺は黒く揺らぐ炎を、初めの頃に師匠のくれた短剣に灯した。
そこからだ。それを安定させ、魔法へと昇華させる…
その間も、魔物は容赦なく俺を殺そうとしてくる。オークは手に持った棍棒を振り回し、ギガントはその巨体で体当たりをしてくる。
しかし、運のいいことに巨体が集まっているおかげで、俺には当たらない。注意すべきはランクの低い魔物だが、それらは巨体に阻まれて俺の元まで来ることはない。
俺は時折くる攻撃を避けながら、魔法剣に集中する。
「うわぁっ⁉︎」
俺は剣を取り落とした。失敗して、魔法が変な発動の仕方をして暴発した。
短剣はギガントの足元へと落ち、踏まれて使い物にならなくなる。
「くそっ!…あ」
いろいろあって忘れていたが、師匠にもらった短剣がもう1つあった。
「ならこっちで…『蹂炎』」
師匠がくれた青白く輝く短剣を取り出し、再び黒く揺らぐ炎を灯す。
そして、魔法へと昇華させる。
気のせいかもしれないけど、今まで使っていた短剣よりも簡単に感じた。
「ふぅ…」
しばらくして、魔法が安定した。
そして、
「おりゃあぁああああああ!」
俺はそのまま回転切りを放つ。
周囲にいる魔物に向かって青黒い炎が飛び、俺の周りにいた魔物を蒸発させる。
「はぁはぁ…」
周りを見れば、師匠が使った”烈炎”ほどではなかったが、焼野原と化していた。もう魔物の姿は見えない。
肌を焼くような暑さが俺の周りを包んでいる。
少し離れたところで、ゴブリン達が戻っていくのが見えた。
「…俺も、戻ろう」
俺は、魔力が一気に減ったことによる疲労を抱えながら、師匠のいる場所へ戻った…




