表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/361

80.帰ってきました

 「よし、もうそろそろ戻るか!」


 しばらくたち、ルディは元気を取り戻した。というか、取り戻させた。

 元気がないルディは見たくない。というか、見てて面白くない。


 「うん。そうだね」

 「じゃあ開けてみろ」

 「え?僕が?なんでさ。ルディがやってよ」

 「じゃあ修行の最終試験ってことで」

 「ええ〜…面倒いんだけど」

 「ほら早く」

 「ほ〜い。えっと…」


 僕はオービスの場所を探す。

 始めにこの世界を作った時はすぐ近くにあったので、割と早く見つかった。僕はそこに穴を開ける。


 「これでいい?」

 「ああ、合格だな。戻ろうぜ」

 「ほ〜い」


 僕らは穴をくぐり、シャルドネの空間…いや、今は僕の空間へ戻る。

 正しく言えば、オービスのための管理空間だけど。まぁ、それはいいよね。




 「ねぇ、そういえばこっちの時間はどれくらいだったの?」

 「ええと…多分、3,4日ってところだな」

 「え?本当に⁉︎」

 「ど、どうした?」

 「ロメが心配してそう…」

 「ああ、そうか。じゃあ早く帰ってやりな。俺もたまにはそっちに行くからよ」

 「うん。でも、戻るのは一緒に行かない?どうせ暇でしょ?しばらく僕の空間にいなよ。ロメとかテラもいるしさ」

 「あ、ああ〜…そうだな。しばらく世話になる」

 「よし、じゃあ行こうか。『扉』」

 「なぁ、その”扉”ってのは必要か?」

 「気分だよ。気にしない気にしない。さ、行こ」


 僕は”メインルーム”への扉を開き、空間をまたぐ。



 「へぇ〜。なかなかだな」

 

 ルディは僕の空間を見て、感心したような声を上げた。

 

 「さ、早くいこ。ロメに怒られる…」

 「はっはっは。たかが3,4日程度だ。そんなに怒られやしないだろ」

 「いやぁ〜…無断でどっか行ってたら、普通は心配すると思う…」

 「まぁ、こっちじゃそうだったな。まぁ早く行こうぜ」


 僕らはロメの書斎に行く。



 「ロメ、いる〜?」

 「あ、主。ちょっと待ってください…」

 「ほら、なんでもなかっただろ?」

 「そうみたいだね。よかった」


 ロメから帰ってきた声は、いつものような感じだったので、怒ってはいないと思う。


 「お待たせ、し、ました?」

 「ん?どうかした?」

 「あああああ、主が誰かを連れてきた⁉︎」

 「そんなに驚く?」

 「当然です!いつも、私ら眷属以外を近くに置いていなかったのに…ところで、そちらの方は誰ですか?」

 「あ、紹介するね。ルディだよ」

 

 僕はルディをロメの方に押し出す。


 「初めましてだな。エクの師匠兼友人のキャルディだ。しばらく世話になる」

 「はぁ、初めまして…って、今世話になるって言いませんでしたか⁉︎」

 「ああ、言ったぞ。それがどうかしたか?」

 「主が人を連れてくるだけで珍しいのに…さらに、しばらくここにいるなんて」

 「あ、そっか。ロメ、それは説明するから、客間に来てよ。ついでになんか飲み物も」

 「は、はぁ。承知しました」


 ロメは、何が何だか全く分からないといった顔をした。


 「よし、じゃあこっちに来て」

 「おう、わかった」


 僕らは客間へ移動する。




^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^



 「つまり、主は修行をしていたというのですね?」

 「そ。で、ルディが暇そうだったから、こっちに呼んだんだ」


 ロメに千年のことを話した。ロメも最終的には納得したようで、いつもの調子に戻っている。


 「そうでしたか。キャルディ様、これからどうぞよろしくお願いいたします」

 「おう、よろしくな」

 「で、僕が出かけてからどのくらいが経ってる?」

 「ええと…確か5日ですね」

 「ルディ、5日だってよ?3,4日じゃないよ?」

 「1日ぐらいいいじゃねぇか。な?」

 「まぁ、別にいんだけどね。さてと、じゃあどうしようかな〜?」

 「どうしようとは?」


 大雪の期間は、後5日くらいはある。その間は外には行けないし、やる事もこれといってないのだ。つまり、もうしばらく暇なのである。



 「大雪の間どうやって時間潰そうかな〜、って」

 「ああ、そうか。この世界にはそんなのもあるんだったな」

 「で、何か案ある?」

 「そうですね…テラと遊んであげてはいかかでしょう?テラ、主に会えなくて寂しそうでしたよ」

 「あ、そうだね。今どこにいる?」

 「おそらく部屋にいると思いますよ」

 「よし、じゃあ行こう。…っとその前に、ルディ」

 「ん?どうかしたか?」

 「ルディの部屋、どこがいい?」


 そういえば、しばらくはこっちにいるんだし、ルディにも部屋があった方がいいだろう。



 「う〜ん、そうだな。エクの部屋はどこなんだ?」

 「あっちの端だよ」

 「ならそこの隣で」

 「了解〜。『空間増設』…これでできたかな?」

 「ず、随分と簡単になりましたね…」

 「でしょ〜?修行の成果だねっ!」

 「修行の成果なら、いちいち声に出すな」


 声に出す方がイメージしやすいから、楽なんだけどな…


 「ええ〜、その方が楽じゃん」

 「はぁ…全く」

 「ふふふ〜。じゃあ、とにかく部屋を見に行こうよ」

 「そうだな。じゃあロメ、しばらく世話になる。多分、数万年くらいは」

 「はい。え…?万年?」

 「どうせ死なねぇんだ。しばらくはこっちに住むから」

 「まぁ、別に困る事もないし、いいでしょ?」

 「はぁ。承知しました」

 「よし、とにかく部屋に行こう!」


 僕とルディはロメと別れ、部屋を見に行く…




 「という事で、ここがルディの部屋です!」

 

 僕らは部屋に入った。ルディの部屋は10畳くらいの部屋で、ただ白いだけの空間だ。


 「何もねぇな」

 「自分で創ってね。部屋を広げたりは好きなようにしていいよ。カスタマイズは自由自在だよ!」

 「了解だ。つまり勝手に創れと言いたいんだな。俺の自由にさせてもらうぞ?」

 「いいよ〜。住みやすいように自分で創ってね」

 「よし、ちょっと今から創る」

 「テラのとこに行かない?」

 「ああ〜、そうだな。それは後にしよう」

 「よし、じゃあ行こうか」


 僕らはテラの部屋に行く。

 

 「テラ〜、いる〜?」

 

 僕を声をかけた次の瞬間、


 「あ、お姉ちゃん!」


 扉を勢いよく開け、テラが飛び出してきた。

 というか、話し方変わったな。


 「やっほ〜。遊びに来たよ」

 「えっと…そっちの人は?」


 あ、紹介してなかった。


 「ルディだよ。しばらくはここに一緒に住んでるから」

 「へぇ〜、わかった。よろしくね、お兄ちゃん!」

 「おう、よろしくテラ。」

 「ねぇ、なんでルディはお兄ちゃんで、僕はお姉ちゃんなの?」


 なんで、ルディはお兄ちゃんで、僕はそのままなんだ?今は、もう元々の男の状態のはずなんだけど…


 「慣れちゃったから!いいでしょ?」 

 「別にいいじゃねぇか。な、お姉ちゃん?」

 「テラはいいけど、ルディが言うとなんか腹立つ〜」

 「はっはっは。さぁ、しばらく暇潰すんだろ?何する?」



 そうだった。暇だったから、テラのとこに遊びに来たんだったっけ。




 「そうだったね。じゃあ、テラは何がしたい?」

 「う〜ん…わかんない!」

 「お、おう。元気にわかんないって…」

 「ルディは何か案ある?」

 「いや、ないぞ?」

 「だよね。ルディにあるとは思ってなかったし。じゃあどうしよっか?」

 「ひでぇな。俺にある可能性なかったのかよ」

 「う〜ん…あ」


 そうだ、”眷属の箱庭”に行こう。


 「ねぇ、”眷属の箱庭”に行かない?」

 「どこだそれ?」

 「僕の眷属がいるとこ。結構楽しいと思うよ」

 「うん、行く〜!」

 「そうか。じゃあ行くか」

 「よし、『扉」…じゃあ、行こっか」


 僕らは空間を移動する。





 目の前には大自然が広がり、ゴブリン達が訓練していたり、上空を竜が飛んでいたり、小動物が走り回ったりしている。



 「おお〜。結構スゲェな」

 「でしょ?僕の自信作だもん」

 

 ここを作るのには、結構な時間を費やした。

 入り口付近は森だが、奥に行けば湖や川などもあるし、さらに奥には火山地帯など、ここが1つの世界のようになっているのだ。



 「さて、じゃあ行こ〜」

 

 僕は歩き出す…


意見、感想等あったらお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ