72.色々やってみました
肉体を作り直すこと6時間。
「あ、戻った。」
やっとの事で、元の自分に戻れた。こんどは、しっかりと形成されているので、壊れる心配もないだろう。それに、こちらの方がわざわざ肉体の構造をいちいち意識しながら作らなくていいため、すごく楽に体を構成できる。こっちは、俺の魂の情報から作るだけだから、一瞬だ。
「いやぁ〜、良かった良かった。さて、じゃあ今度は色々やってみるとしようか。」
魂からの情報を意識しながら作れば、この世界にいるどんな生物でもしっかりと体が作れるはず。
「やっぱり最初は…スライムかな?」
俺は肉体を魂に還元し、魂から情報を探す…
(あった。じゃあやってみるか。)
俺は魂の情報を元に体を作り出す…
(おお〜。できた!なんだこれ。どこが手足なのかわかんねぇし、なんか360度全部が見える!)
手足という感覚はなく、全てが俺そのものであった。それに、今までにはない死角がない状態になっていた。これ、俺ってステータス高いから最強じゃね。
(あ、鑑定したらどうなるんだろ?まぁ、やってみようか”鑑定”!)
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名前:松井 新一郎
種族:ー
性別:男
年齢:16
称号:暇人 鬼畜 外道 ドS 快楽主義者
読書家 知識人 異界人 不老不死 虐殺者
悪霊 黒龍の英雄 世界の異常 迷宮攻略者
上級冒険者
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職業:嘘つきの王 レベル:173
筋力:error
体力:error
耐性:error
敏捷:error
魔力:ー
知力:error
属性:火 水 風 地 闇 空間 時
スキル:改変 隠蔽 実現 隠密 解析
思考進化 速読 異世界言語 身体制御
眷属創生 神眼 魔力生成 自己再生
空間掌握 陣記録 肉体生成 念話 究極武術
魂操作 魂吸収 擬似創世
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(あ、変わらないのね。しかし、もうちょっとでレベルが200いくな。)
全く変化はなかった。ただ、スライムと同じことはできるので、魂を使って体積を増やすとかができた。変な感じだった。
(さて、このまま人型になってみよう。)
このままで人になったらスライム人間ができるんじゃね?という考えの元、肉体はそのままで、人間の形を作る。
「お、できた。体が透けてるわ。面白ぇ〜。あ、手増やせた。」
形は人間にはなれたが体は透明だったので、成功だろう。これを応用すれば、キメラが作れそうだ。まぁ、キモい事になりそうだからやらないがな。
そんな事を思いながら、俺はとりあえず人に戻った。
「さて、次はやっぱり龍かな?」
やっぱり龍ってかっこいいじゃん。という事で、龍になってみようと思う。
俺は肉体を魂に還元し、魂だけになる…
(よし、じゃあ龍は…これか。よし…)
肉体を作る…
「ギャウ!」
うん、ニーズの仲間だな。とりあえず、声を出せるようにしよう。
「あ、あ〜…よし、こんな感じかな。」
さて、やっぱりせっかく龍になったのだ。
「…ブレスってどうやるんだ?」
飛ぶのは、別に翼でも生やせばいいので、ブレスをやってみたかったのだが、やり方がわからん。いや、やり方自体はロメの記憶の中にあったから、わからなくはないのだが、問題はそのやり方の方だ。やり方が、喉のところにあるブレスを吐くための器官に、魔力を込める。ただそれだけなのだが、それがどこにあるのかが、全くもってわからないのだ。
「う〜ん…これかな?やってみよう。」
俺は、そこに魔力に似たエネルギー…そろそろなんか名前でも考えよ…まぁ、そんなことはどうでもいい。それを送り込む。
グウォォォオオオオ
口からブレスが放出された。が…
「これ二度とやりたくないわ。なんか嘔吐してるような気分になるわ。」
非常に気持ちが悪かった。ちょっとニーズを尊敬するわ。
「とりあえず、戻るかな。魂の吸収訓練も再開できそうだし。」
俺は人間に戻り、部屋着を着なおす。というより、何もないところから作り出して、そのまま着る。
ちなみに、これは訓練用の服で、魂を分解したエネルギーから作っている。見た目は普通の薄い青紫色のジャージだが、その強度は絶対に破けず、燃えたり溶けたりせず、さらに魂や魔力に似たエネルギー…名前何にしようか?まぁそれはいいや。それを通しやすく、訓練の邪魔にもならないようになっている優れものだ。
「さて、じゃあ再開しよう。そろそろ、”世界の意思”にも触れるかな?」
そろそろ、頑張れば問題なく吸収できるような気がするのだ。多分、無理をすればいけるんじゃないかな?
「まぁ、もうちょっと訓練して、レベルが199になったらにしよう。そうすれば、”世界の意思”を吸収したら、レベルが200になるだろうし。」
そんなこんなで、俺は魂の吸収の訓練を再開した…
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「ふぅ、さてそろそろ図書館に行こうかな。『扉、メインルーム』」
訓練再開から、約8時間。今は午前11時くらいだ。確か、図書館は10時から開いてるはずだから、もうやっているだろう。
俺はロメのところに向かう。
「ロメ〜。図書館に行ってくるね〜。」
「承知しました。お気をつけて。」
書斎の中から、ロメの声が聞こえる。本当に大変そうだな…
「『扉、オービス』…じゃね〜。」
俺は空間をまたぐ。
「さて、じゃあ今日も本を読もうか…」
俺は図書館に入る。
図書館はこの街にある塔の1つだ。中は全部で15階あり、1階ごとに置いてある本の種類が揃えて置いてある。上に行けば行くほど、本の閲覧に許可が必要となる本が多くなっていく。
そして、俺が昨日読んでいたのは12階の本である。ここには主に、様々な種族の伝説や伝承や言い伝えなどが書かれた本と、この世界の生物についての本と、この世界の生物についての研究書が置いてある。ここまでは許可なく入れる階になっている。
「うん、とりあえず階段上るのが面倒だな…」
ここには、長老会があった塔とは違い、エレベーターみたいなのがないのだ。どうせなら付けてくれればいいのだが、なんでもここを利用する魔道研究会の運動不足解消のためにつけないのだそうだ。なんとも迷惑なことである。
俺は階段を上っていく…
「はぁ〜、やっとついた〜。なんでこんなに遠いかな〜。」
上ること1分弱。12階の図書館の入り口に着いた。実に面倒だ。
ガチャ…
俺は扉を開けて中に入る。
「さて、昨日は6番目の棚まで読んだから、その次からだな。」
俺は本を30冊ほど取り出し、部屋の真ん中にある机に運ぶ。
「じゃあ読むかな。」
俺は目の前に本を6冊出し、手をかなり早く動かし、すべてのページを同時に読む。
そのまま、時間が過ぎていく…
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