7.魔法を使いました
「では、先ほど説明したように一人ずつやってみてください。」
とりあえず神野、石井、俺、安井の順でやることになった
「こうか?「火よ、ファイア」」
しかし何も起こらなかった…ザマァ黒歴史、乙
「どうゆうことだ?」
「おそらく魔力が言霊に乗ってなかったのかと…今度はそれを意識してやってみてください」
「わかった…『火よ、ファイア』」
ポッ
何回かやった後うまくいったみたいだが、あんまし強くないライターくらいの火が出た
「どうやら神野殿はあまり詠唱が得意ではない様子で…次は先ほど見せた陣を魔力で描き、そこに魔力を注いでください。」
「おう、やってみる」
魔力で陣を描き出したが、その陣は六方星とその中心に火を表す魔法文字が書かれているものらしいのだが、形が歪んでいる。あとついでに陣が見えるのは、魔眼を持ってるからのようで、安井たちが「うんうん」唸ってる神野を可哀想な奴を見るみたいな目で見てる。
「こんな感じか?」
ボッ
魔法陣に神野が魔力を注ぐのが見えた後、さっきより少し強いぐらいの火が出た
「では最後にできるかぎり、しっかりとイメージをしながらそれに魔力を込めてください」
「…火は、酸素と熱が必要で…エネルギーが…」
なんたブツブツ言ってる
「どうだっ」
ゴォウ
今度はさっきのが比にならないほどの強さで火が出た
「おお、すばらしいです。神野殿は、無詠唱での魔法が向いているようですね。」
「そうか、次は和也だろ。頑張れよ」
「おうよ」
「うーんと、こうか?『地よ、アース』」
ゴゴゴゴ…
どうやら神野が手こずってたのを1発で成功させたらしく、石井の目線の先の地面が2mくらい隆起している
「おお、これはすごい。では次をを願いします。」
「うん、わかった」
石井は陣を書こうとしてるのはわかるがいまいち形になってない
「あぁ〜、向いてないな、これ」
「そうでしたか、では最後のを。」
石井は無理だと諦めたらしい
「ていっ」
ちょっとした後、石井が声を上げる
ズズズ…
今度は20cmほど隆起する
「どうやら石井殿は、詠唱での魔法が向いてるようですね。」
「みたいだな、次は新ちゃんだね、ファイト!」
「うん」
やっと俺の番が来た!これで魔法が使える!
意気込んで俺は詠唱を唱える
「こうかな?『風よ、ウィンド』」
ヒュ〜
うちわで仰いだくらいの風が俺の前を通りすぎて行く
「うん、向いてないみたいだね」
「そのようですね。では次をお願いします。」
こちらは、昨日から暇さえあれば魔力を動かしていたので、完璧に陣を描き結構少ないくらいの魔力を注ぎ起動する
「よっと」
グォォォォォ…
俺の目の前の地面が10cmくらいえぐれた、うん、どういうことだろ
「マジか…」
「おお〜」
「うわっ」
神野たちに驚かれたし、目の前に誰もいなくてよかったわ
「これほど強く使えるのは初めて見ました。すばらしいです。では最後を」
「了解」
さっきみたいなことにならないように、今度はさっきよりもっと少なめな魔力をイメージに込める
ゴォォォ…
さっきよりは弱いがまた数cm地面がえぐれた、おそらくこっちも、さっきのと同じくらいの才能があるだろうと思う
「どうやら、松井殿は魔法陣を描くのが、とても向いているご様子ですね。」
「ようだね、最後は安井さんだよ。きっと僕よりも強いのができると思うから、頑張って」
「うん、わかったよ」
「『水よ、ウォーター』」
ザァァァ…
周辺が水たまりになるくらいの、水があふれる
「おっと」
「うわぁ」
「きゃぁ」
神野たちは、神野は少し、石井は安井の近くにいたのでかなり濡れた
俺は嫌な予感がしたので、こっそり無詠唱で風の壁を作ったので問題ない
「濡れてしまったので、他を終わらせたら、一度部屋に戻り着替えましょうか。」
「うぅ…はい、すみません」
「いえいえお気になさらず。よくあることです。それよりも風邪をひくといけないので、次をお願いします。」
「…わかりました」
安井はおとなしく指示に従い陣を描く
が、やはり少し歪んだ陣になる
ジャー
今度はシャワーくらいの水が出た
「では最後のを」
「はい」
安井はしばらく目をつぶり、しばらくしたのち目を開く
「はっ…!」
ジャァァ…
最後はシャワーより強いぐらいの水が出た
「安井殿は、詠唱が向いているようですね。では一度各々の部屋に戻りましょうか。」
マルミュロに促され俺らは部屋に戻る
「さっきはごめんね、大丈夫だった?」
「ああ、少し濡れただけだ」
「大丈夫だったよ」
「いや、お前はしっかりかかってただろ」
「大丈夫だよ、それよりなんで新ちゃんは濡れてないの?」
「神野くんを盾にしたからだよ〜」
「おい、おまえな」
ちゃっかり嘘をつきながら俺らは部屋に戻った
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