46.これからどうするか考えました
”実現”を使ってから、大体30分くらいがたった。
「どう?」
「まだかなり。どうやらオービスの私を排除しようとしている力と、主の”実現”の力がほぼ等しいようです。主の力の方が強いですので、時間をかければいずれは解決されるかと。」
「う〜ん…じゃあしょうがないか。」
「申し訳ありません。」
”実現”に時間がかかることなんて初めてだ。”実現”を使って色々試してみても、時間がかかるなんてことはなかった。これは、オービスに対することじゃなかったからなのだろうか?
でもまぁ、時間がかかるのは仕方のないことなので、気長にやるか。
「まぁ、それはしょうがないから、治ってからオービスに出よう。」
「はい、ありがとうございます。」
「じゃあ、とりあえずは世界に干渉しない魔法の研究かな。」
とりあえずは、ロメの記憶を読んで今までの魂たちの知識を得るのが先決かな?
「ロメ、”記憶干渉”で魂の記憶読むのってできるかな?」
「おそらく、私が記憶しているのと同じなので、読むことは可能と思われます。」
「じゃあ、こっちに来てくれる?俺もその記憶を共有した方が、研究が楽になるし。」
「承知しました。」
さて、記憶読むかな。『記憶干渉』起動…
「ぐっ…⁉︎」
俺の頭の中に何年、何百年、何千年、何億年と、大量の記憶が流れ込んでくる…
もともと、”記憶干渉”は一定時間内に、対象の持つ記憶をすべて読む魔法なので、大量の情報が一気に頭に流れ込んでくる…こんなことなら、読む速度を自分で調節できるようにしとくんだったわ。
「大丈夫ですか⁉︎」
「…だ、大丈夫、このくらいなら問題ない。」
実際、かなりの激痛が俺の頭を駆け巡っている。意識を保ってるのも結構辛いが、記憶はとめどなく流れ込んでくるのは止まらない。”連立思考”とかをフルで使って、やっとの状況だ。
まぁ、流れ込んでくる記憶自体は”完全記憶”でしっかり覚えているから、無駄にはなってないのがせめての救いだ…
そのまま、しばらく大量の情報が流れること10分。
「…はぁ、終わった。」
「お疲れさまでした。しかし、こんなに多くの情報を一度に記憶できるのですか?」
「ああ、それならスキルでいけるから問題なし。」
そういや、ロメにステータス見せるかな。
「ほい、これステータスプレートな。」
「魔物使い、レベル1ですか⁉︎」
「あ、書き換えたまんまだった。ちょいと待って…これでよし。」
そろそろ、レベルとか変えとかないとだな。
「ええと…今の時代では、ステータスはこれが普通なのでしょうか?」
「ああ、俺のがおかしいだけだ。普通は大体100前後ってところだ。」
「そうでしたか。主は、かなり高いステータスなのですね。」
さて、じゃあ今のうちにステータスを書き換えるかな。
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名前:松井 新一郎
種族:人間
性別:男
年齢:16
称号:異界人 読書家 暇人 悪霊
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職業:魔物使い レベル:39
筋力:150
体力:180
耐性:190
敏捷:290
魔力:340
知力:300
属性:風
スキル:ナイフ戦闘術 眷属化 異世界言語
魔力支配 大鎌術
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よし、こんなもんだろ。異界人ならこれで問題ないはず…
「ところで主。オービスに干渉しないで魔法を使うのは、どのように行うつもりなのですか?」
「ああ、そうだったね。どうやろうか?」
そうだった。そのために記憶読んだんだった。
「私が思うに”魔法”自体がこの世界”オービス”に干渉するための方法と思われます。」
「うむ。」
「ですから、この世界の魔法とは全く異なる『魔力等を使用し、現象を起こす方法』自体を初めから作らなければならないのではないでしょうか?」
「ああ、確かにそうだね。」
となると、魔法自体を考え直さなくちゃだな…
「こうなると、魔法自体が干渉の原因なんだから、魔法とはまったく別のものを作るしかないね。」
「そうですね。」
「じゃあ、どうやってやろうか?」
どうにも、思いつかないんだが…どうしようか?
「魔力について、初めに行うべきかと。」
「なんで?」
「新しく魔法に近いものを作るのであれば、そのエネルギーとなっている物を知っておくべきと思います。」
「そうだね。」
「また、エネルギーとなっている魔力の性質などがわかれば、新しく作るのにも役立つと思われます。」
「うん。じゃあそうしようか?」
「はい、まずは魔力を研究するべきかと。」
なるほど。魔力がわかれば、他のことも進めやすいな。
「その次に開発をすればいいな。」
「はい、ですがその前に、ここでは実験等は行いにくいかと。」
「そうだね。じゃあ、まず場所を移動しないとだね。『扉、空白世界』…行こうか?」
「はい。」
俺は”空白世界”の扉を開き、ロメと共に空間を移動する…
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