表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/361

43.魔物を倒しました

 俺らは神野たちのいる西門に来た。


 「あらら…こっちも屍体まみれ〜。」

 「…ですね。」


 まぁ、魂が回収できてありがたいですけど。でも、一応生きてるのもいたので、そいつらは門まで運んでおく。


 「神野くんたちどこだろ〜?」

 「あっちじゃないですか?さっきから”カキンカキン”って、剣の音がしてますし。」

 「じゃあ行ってみる〜?」

 「そうしましょう。」


 俺らは門から少し離れたところに向かう…

 

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^


 『はぁぁ!』 


 ブンッ!


 「ああ、いたね〜。」

 「いたね〜。じゃないですよ!あれって多分、魔族ですよね⁉︎」


 神野たちは魔族っぽいのと戦ってた。


 「みたいだね〜。まぁでも、もう終わりそうだから待ってようか〜。」

 「行かなくていいんですか⁉︎相手は魔族ですよ!」

 「大丈夫だよ〜。一応陣も描いたし。」


 一応陣を幾つか描いてあるのでいざとなれば、どうにでもなるので問題ない。


 「あ、そうなんですか。なら大丈夫なんでしょうね。待ってましょう。」

 「あ、その前にその辺に転がってる人たち、門まで運んであげてよ〜。」

 「そうですね。わかりました。」


 アルが死にかけてたり、怪我して動けなかったりしている人たちを運び始める。

 

 「じゃあ、行くかな。」


 俺はもっと近くに寄る。



 「おりゃぁあ!」


 ヒュン…ザク


 石井が投げた槍が魔族っぽいのに当たり、魔族っぽいのが倒れた。

 …終わっちゃったよ。せっかく来たのに。


 「お疲れ〜。」

 「あれ?しんちゃん。いつからいたんだ?」


 どうやら全く気付いてなかったようだ。


 「ついさっき〜。ところでそいつは〜?」

 「テオドラって名乗ってた。多分今回の件の首謀者だと思うよ。」


 テオドラって、アーノルドのところのやつじゃねぇか。もしかして、この魔物呼ぶのに人を生贄にでもしてたのか?


 「ふ〜ん。じゃあとりあえず戻ろうか。向こうは終わったし、怪我人とかもいっぱいいるみたいだからね〜。」

 「そうだな。まずはそこらへんにいる人を運ぶか。」


 神野が近くにいた怪我人をおぶって歩き出す。石井たちがそれに続く。


 「ここはどんな感じだった〜?」

 「俺らが来た時には、もう魔物のほとんどは片付けられてたよ。」

 「ふ〜ん。で、魔族は〜?」

 「あぁ…あと少しってところまで魔物が減った頃に、突然奥の方から出てきた。近くにいた冒険者から攻撃されて、俺らが止めようとした時にはこのざまだ。」


 神野たちが申し訳なさそうな顔をする。


 「神野くんたちのせいじゃないよ。神野くんたちがいたから、これだけで済んだんだよ〜?」

 「それでもね…」

 「俺らがもっと早く来てれば…」

 

 こいつら面倒だな…


 「はぁ…せっかく魔族倒した勇者がそんな顔してたら、他の人たちも浮かばれないよ?」

 「…そうだな。」

 「ほら、もっと誇らしくしてないと。」

 「…おう!」


 うん、一旦はこれでよし。あとは自分たちでどうにかするでしょ。

 というか、してくれないとダメだ。俺いなくなるのに、これからはどうするつもりなんだよ…


 「じゃあ、魔石回収して戻るよ〜。」

 「そうだね。」

 「その前に怪我人運んでからな。」

 「アルが働いてるから、大丈夫だよ〜。」

 「新ちゃんも働けよ…」

 「いやだ、めんどい。」


 俺らは、怪我人を運んだり魔石の回収をしたりとかを始めた…



^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^


 「よくぞ、魔族を倒し、魔物の脅威から我が国を守ってくれた…」


 俺らはやることを済まし、城に戻ってから2日、最初に謁見した部屋に呼ばれ、結構な量の貴族の中で表彰的なことをされている。長いし、めんどい…

 

 「はっ!ありがたき幸せ。」


 神野たちがが教えられたように受け答えをする。


 「何か褒美として、所望する物はあるか?」

 「いえ、特には。」

 

 神野が答える。


 「そうか、では金貨10枚を褒美として授ける。」

 「あ、僕は魔族の魔石が欲しいです〜。」


 俺が適当な敬語で声をあげたら、周りの貴族にめっちゃ睨まれた。


 「…そうか、如何に用いるつもりだ?」

 「えっと…あ、言葉遣い。はっ!私の今行っております、魔石を使用した魔道具の研究に。」

 「それならば、もうすでにあるであろう。」


 俺が今までに作った道具は”魔晶石”を使ってるからできているが、この世界の魔道具はまだ、下級程度の魔法しか込めることしかできない。


 「いえ、今までのものでは行えなかった、強力な魔法の込められた物を製作する研究をしております。ゆえに、できる限り良い素材が欲しく思いますので。」


 実際は魔物作るのに使おうと思ってるけど。


 「そうか。ならば、それを褒美として授けよう。」

 「はっ!ありがたき幸せ。」

 「ではこれにて、…」


 少し王様の話があった後に褒美を渡されて、俺らは解散となり、部屋に戻る。




 「はぁ〜…新ちゃんが普通に喋り出したとき、どうしようかと思ったわ。」

 「ははは〜。ついうっかりね〜。」

 「面倒だったんだろ?」

 「あれ?別にそんなことはないよ〜?」

 「嘘つけ。」

 「ふふふ〜。」

 「まったく…俺はマジでビビったんだからな?」

 「そのためにやったんだもん。しょうがないじゃん〜。」

 

 神野たちをいじるためにやったのだ。別に後悔はしてない。


 「お前な…」


 俺は神野をいじりながら部屋に戻る…


意見、感想等ありましたらお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ