42.魔物が攻めてきました
俺は廊下に出る。
「おい、新。北と西に魔物が攻めてきた。他の奴らはどこだ?」
ちょうど、そこにいたアレクに答えが聞けた。
「そこにいるよ〜。」
「そうか。なら、早く準備をして北門に向かえ。西門には、もうギルドの奴らがいるが、北門には人手が足りていない。」
「りょうかーい。聞こえた?神野くんたち。」
「ああ…聞こえた。」
聞こえてたようだな。なら先に行くかな。
「うん、じゃあ先に行ってるね〜。」
「ああ、俺らもすぐに行く。」
「アル〜行くよ〜。」
「はい!」
俺はアルと北門に走る…
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北門を出てすぐのところに、屍体の山ができていた。そして、その奥には魔物が大量にいるのが見える
「ありゃ〜…ちょっと遅かったみたいだね〜。」
「…はい。」
仕方ない。じゃあ、魂だけでも回収しましょうかな。
アルが訓練している間に、俺は死霊魔法と眷属化の合成に取り組んでいた。死霊魔法を使いながら死んだ魔物を見たら、死んだ魔物の上に、モヤモヤとした魔力の塊のようなものが見えた。それを鑑定したら”〜の魂”って出たので、それに向かって眷属化したら出来たので、いっぱい集めて強い魔物を作ろうと思って、今集めているのだ。
「じゃあ、殲滅といきましょうかな〜。」
「はい、了解です。」
「アルは右ね〜。左に来たら死ぬよ?」
「へ?」
俺は”烈炎”を取り出す。
「じゃあ行こうか…『魔力を喰らえ”烈炎”』」
グウォォォォォォォォォ…
俺より左側が一瞬にして焼け野原に変わる。
「いやいや、それやっぱりおかしいですよね…」
「僕もそう思うよ〜。ほら、早くやらないと来るよ〜?」
「…はい、そうですね。」
「じゃあ、終わったらここに集合ね〜?」
「了解です。」
「魔石回収してきてね〜。」
アルが、魔物の群れに向かって駆けていく…さて、俺もやりますかな…
「じゃあ、やろうかな。『我、汝らを呼ぶ者、来たれ眷属たちよ。』」
俺の後ろから魔法陣が浮かび上がり、俺の眷属たちが湧いてくる。
「じゃあ、行け〜!」
眷属たちは魔物を狩り始める。
今出した眷属は、キングゴブリンx20 ソルジャーゴブリンx25 ゴブリンナイトx25 ゴブリンアーチャーx25ってところだ。ギング以外はDランクの魔物だが、ナイトはDランクの中でも上位の魔物だ。
他にも眷属はいるのだが、今出して討伐に巻き込まれなされなさそうなのが、こいつらだけだったのだ。何故かといえば、こいつらは野生とは違い、俺が作ったりした武器や装備をつけているので、もはや一種の軍隊のように見えるからだ。
俺は、ゴブリン兵団が魔物を駆逐しているのを眺める。え?参加しないのかって?嫌だよ、面倒じゃん。
「おい、しんちゃん。大丈夫か?」
「こっちは大丈夫だから、西門に行ってあげて〜。」
「ああ、わかった。そっちも気をつけろよ!」
「頑張ってね〜。」
10分ほどして、魔物がほとんどいなくなった頃、神野たちがやってきたが。魔物はゴブリン兵団が狩りつくしてしまったので、西門に行ってもらった。
「はぁはぁ…師匠、終わりました。」
アルが帰ってきた。
「お疲れ〜。魔石回収してきた〜?」
「あ…まだです。」
「やってこないと、今度はアンデット系の魔物が大量発生するよ〜?」
「い、行ってきます!」
「いってらっしゃ〜い。」
アルが走っていく。
「にしても、今までいなかった魔物が、突然大量にいるのは不自然だな。魔族でもいるのか?神野たちに注意しておけばよかった…」
こっちにそんな奴はいなかったから、いるならおそらく、神野たちの方にいるんだろうな。
…だとしたら、あいつら倒せるのかな?
「一応行った方がいいな。ゴブリン兵団とアルが戻ったら行くか…」
かれこれ考えてるうちに、ゴブリン兵団が魔石の入っている袋を持って、帰ってきた。
「結構あるな、今のうちにまとめるか…『改変』っと。」
ゴブリン共の持ってきた魔石を、拳サイズくらいにまとめる。
俺が魔石を”アイテムルーム”にしまうと、アルが向こうから帰ってくるのが見える。
「師匠〜終わりました〜。」
「じゃあ向こうに行くよ〜。」
「ええっ⁉︎」
「ほら早く〜。」
「少し休ませてください…お願いします。体力が持ちません。」
「しょうがないな〜。10分したら行くよ〜?」
「わかりました。」
仕方がない。少し待ったら行くとしよう。
「よし、じゃ行くよ〜。」
「はい!」
どうやら復活したようだ。
「あ、ゴブリン戻さなくちゃ。『帰還』」
すっかり忘れていた。こいつら連れていたら、向こうで騒ぎになるわ。
俺はゴブリンを”孤独の多重世界”の中にある”魔物の箱庭”に戻す。
「さて、今度こそ行くよ〜。」
俺らは、西門へと向かった…
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