37.裏社会を一掃させることにしました
しばらく、ついて行ったあとに部屋に着いて、入って行ったので、俺もそれに続く。
『報告します。孤児院に行ったのですが、勇者などと自称する男に防害され、一時戻りました。なお、その男はまだ孤児院にいるものと思われます。』
『なぜ、その男を殺さなかった?』
『はっ。もしそれが事実であるならば、殺すのは問題になると考え、一時戻りました。』
そろそろ、出るかな。『解除』っと…
「何者だ!」
「なっ、さっきの男です。」
見つかっちゃったぜ。まぁ当然だが…
「お邪魔してま〜す。」
とりあえず、この部屋から声が出たらマズイので、『音遮断』起動っと。
「おい、貴様こんなことして許されると思ってるのか!」
「君らは自分の心配をするべきだと思うよ〜。」
「自分の身を心配すべきは、貴様の方だ!」
「少し黙れ…何を言ってる?」
「言ったよね〜、僕は勇者だって。」
「ふん、それがどうした?」
「つまり、僕はこの国の国賓。僕が言うことをこの国は信用してくれる。」
「なっ!まさか貴様、国に報告でもしたというのか?」
「いや〜、まだだよ〜。」
「ならば、今ここで殺してしまえばいい。」
殺すんだってさ。ステータスを考えろよ馬鹿が。
「君ら如きが、僕を殺せるのかなぁ〜?」
「ふん、テオドラ様に頂いた力があれば、貴様など我らの敵ではない!」
テオドラってのが、裏社会のボスか何かかな?でも力を貰うって、どういうことだ?
「テオドラって誰〜?」
「我らに力を授けてくださったお方だ!」
ペラペラと話してくれて、こいつらアホなのかな…
にしても、人間にはそんな能力はないし、魔族かな?
「それって魔族〜?」
「ふん、これから死ぬ貴様には関係のないことだ。かかれ!」
まぁいいや。どうせ、後で記憶見るし…とりあえず、『風檻』起動
「ぐぁっ⁉︎」
飛びかかろうとした兵士二人が、風の壁に阻まれ押し返される。
「な、何があったのだ⁉︎」
「貴様、何をした!」
「これから、傀儡になる君たちには関係ありませ〜ん。」
さて、記憶見てから、性格塗りかえるかな。
「ふん、この程度の魔法など、屁でもないわ。はっ!」
プシュウ…
「な、なぜだ⁉︎」
魔法に干渉しようとしてるみたいだが、ギミックと罠を入り交えて作った俺の魔法陣が、そう簡単に破れるかっての。
「うん、知ったことか。大人しくしてろい。」
『真空世界』起動っと。
「うぅ…き、貴様…何を…」
ドサ
この魔法は名前の通り、真空にする魔法。風=空気って考えて作ってみた魔法で、周りに戦闘跡とかみたいな証拠も残らないから、とっても便利なのだ。
「さて、記憶でも見るかな〜。」
俺は、闇魔法の精神系統の魔法 ”記憶干渉” でこいつらの記憶を探る…
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やっぱりこいつら殺していいかな…
記憶を見たのだが、こいつらクズだわ。横領、人攫い、殺人、etc…本当に碌でもない。
しかも、挙げ句の果てには魔族と繋がってたし。
こいつは魔族に人間を差し出して、代わりに魔道具を得ていたようだが、関係がいつばれても問題がないように、魔族の情報はほとんど知らされていなかったようだ。
魔族は名前を”テオドラ”といい、見た目は普通の人の肌を青くしただけらしい。というか、それ以外のことがわからなかった。というか、魔族は総じて肌の青い種族だから、結果的には何の収穫もなかったことになる。
「さぁ、傀儡にするかな。『地獄郷』起動。」
”地獄郷”ってのはディストピアのことで、民が洗脳され意思統制された世界のこと。それをモチーフに、魔法をかけた者の意思を、俺が完全に選択し、人格を作り直す洗脳魔法だ。
「とりあえず、聖人君主にでもなりたまえ〜。」
俺はアーノルドを一般的に言う”善人”に作り直す。
ついでに、裏社会と魔族との繋がりも切り、裏社会を問題ない程度に壊滅させるように、記憶させる。
「これでよし。じゃあ帰るかな〜。」
俺は隠密と消滅を使って、孤児院に戻る…
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