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36.孤児院を救おうと思いました

 俺は中の応接室に案内され、話を聞く。


 「ここ、シェード孤児院はもともと、シェード子爵という貴族が運営してました。ですが、前の当主様が亡くなって、現当主のアーノルド・シェードになってから、ここにかけられるお金も随分と少なくなりました。それどころか最近では「金がないから、子供を売るので寄越せ。」とまで言われるようになりました。」

 「ふむふむ。そのシェードってのはどんな奴なんだい?」

 「ええと、もともとの当主であったアルカディー様は良いお方で、ここにも目をかけてくださいましたし、時には民と混じって商売をするような優しい、まるで貴族とは思えないようなお人でした。しかし、息子のアーノルドに変わってから、財政は危機に陥り、民からの信頼も落ちてしまっているのですが、この王都の裏社会の者たちとのつながりがあるようで、裏金が実は多量にあるとか、違法奴隷を大量に所有しているとか、よくない噂が絶えないのですが、証拠がなくて、国も手が出せないような人です。」

 「で、ここは最近どうなってるの?」

 「今までは、私兵が来ていたのをどうにかして、追い返していたのですが。この頃はそれがひどくなり、暴力などの手段に出るようになり、私たちでは対処できなくなっていたのです。今もすでに、3人の子供が連れて行かれました…」

 「…よし、殺すか。邪魔だ。」


 俺が王都で、時折子供がさらわれていたり、違法奴隷にしようと人さらいなどが出た時に、近くにいたら助けてるのだが、なかなかなくならないのだ。

 その原因の一端がわかったのなら容赦はせん。拷問魔法の実験台にしてくれる。


 「へ?」

 「うん、ちょっとそのシェードってのを殺してくるね〜。」

 「いやいや、無理です。仮にも相手は貴族。平民が太刀打ちできるわけがありません。それに、王都の裏社会の者たちから狙われてしまうかもしれないんですよ⁉︎」

 「大丈夫。バレなきゃ犯罪じゃない。」

 「それに今ある援助金と、私たちの仕事の分のお金だけで、ここは成り立ってます。援助金がなくなったら、ここはやっていけなくなり、子供達が路頭に迷うことになってしまいます。」

 「う〜ん。そうだね〜…」

 

 困ったな、殺しちゃまずいのか。脅すかな?いや、洗脳してしまうか?うん、そうしよう。


 「ちょっと、洗脳してくるね〜。」

 「え?」

 「じゃっ。」


 よし、洗脳しに行こう。そうしよう。シェード子爵は確か、南門付近の貴族街に住んでたはずだ。


 え?なんで知ってるか?図書館の中に地図があったからだよ。



 「おい、貴様何者だ!」


 孤児院を出ようとしたら、目の前に兵がいました。シェードのところの私兵っぽいな。家紋がついてる。


 「通りすがりの一般市民です。」

 「貴様!ふざけてるのか!」

 「というか、兵隊さんがこんなところに何の用?」

 「私の質問に答えろ!」

 「聞いてるんだけど〜。」

 

 カチャッ


 兵士が剣に手をかける。


 「そんなことしていいのかなぁ〜?いっいのっかなぁ〜?」

 「貴様、私をバカにしているのか!」


 ブンッ


 剣を振りました。これでこっちは悪くない!


 「やったね?やっちゃったね?」

 「ふん、それがどうした。平民ごときが何を言う。」

 「残念でした〜。僕は国賓ですよ〜。」


 折角なので、権力ふりかざしてやりましょう!


 「なっ、何を言ってるのだ。貴様は!」

 「勇者って知ってる〜?」

 「そんな者がこんなところにいるか!」

 「いや〜、やってもいいんだけど。あとでどうなっても知らないよ〜?」

 「…っく!」

 「さぁ〜帰った、帰った〜。」

 「貴様、覚えておけよ…」

 「ふっ、勝ったぜ。」



 兵士は帰って行った。もし本当だったらマズイってことに気付けたようだ。よかったね〜、兵士さん。 


 「あのぉ、大丈夫なんですか?」


 後ろからアンリがやってきた。


 「問題なし!本当に国賓だから〜。」

 「ええっ、本当だったんですか⁉︎」

 「そうだよ〜。じゃあ、僕は行くね〜。」

 「ど、何処へですか。」

 「秘密〜。じゃあね〜。」


 さて、今度こそ行こうか。俺は後ろで止めようとしているアンリを無視して歩き出す。




^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^


 「こちら現場の新です!ただいまシェード子爵の邸に潜入しました〜!」


 と、いうわけで、不法侵入しました。今度は”隠密”と潜入用に作った闇魔法”消滅”を使ってるので、バレることはない。


 ちなみに”消滅”は、音、気配、存在感、魔力、その他もろもろを消す魔法だ。

 

 さて、アーノルドは何処にいるんだ?


 かれこれ、もう30分くらい探してるぞ。ここ広すぎるだろ。 


 『チッ、あのガキ。今度会ったらただじゃおかねぇ。』

 『でもよ、もしかしたらやばいかもしれないんだろ?』

 『だが、普通あんなところに勇者がいるか?』

 『もしもってこともあるだろう。確認が済んでからにしろ。』


 

 向こうから兵士がやってきたんだが、これって俺のことじゃね?


 『とにかく、アーノルド様に報告に行こうぜ。な?』

 『ああ、そうだな。』



 おっ、ラッキーこいつらに付いて行けば、アーノルドのところまで行けるな。

 

 俺は兵士のあとを追いかけていく…


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