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閑話:石井 和也の友情《上》

3話連続です!

 「和くん、もうちょっとで外に行けるね!」 

 「うん、そうだね。」

 「それにしても、ランド大きくなったね。」

 「ガルッ」

 


 俺は未来と訓練室に向かってる。その後ろにランドが付いてくる。ランドは今、だいたい2mくらいまで成長していた。

 未来もこの世界に来てから、少し変わった。こっちに来てすぐの頃は、「帰りたい」ってずっと泣いてたのだが、少し前にしっかりと話し合ったからか、最近はそんなに言わなくなった。けど、それでも無理をしているのはわかる。かれこれ未来とも、もうすぐで1年だからな。それにしても、もうそんな経つんだな…

 拓巳たちと会ったのは高校に入ってからだったが、未来と会ったのはその少し前だったっけ。


 俺は、高校に入った頃のことを思い出す…


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^


 「たく、なんで春なのにこんなに暑いんだよ。」


 今、俺は入学式のために、自転車に乗って高校に向かってる。

 俺は頭がいい方ではないが、それでも行ける高校の中で最も高かったところに、ぎりぎりで合格した。


 「おい、君。早くしなさい。遅刻するよ。」

 「あ、はい。」


 高校に着いたのが8時13分で、教室に入ってなければいけないのが8時20分だったので、これからクラスの確認をして教室に向かうから、結構ぎりぎりだ。

 

 「えぇと、1-4か。2階みたいだな。」

 

 俺は、階段を上がって教室に向かう。


 「ここかな?」

 

 俺は1-4と書かれた教室に入り、自分の席に着く。席は窓際の前から2番目の席だった。


 「お前随分遅かったな?」


  隣の席のやつが話しかけてきた。こいつが拓巳だ。


 「えっと…」

 「ああ、俺は神野 拓巳だ。よろしくな。」

 「俺は石井 和也な。こちらこそよろしく。」

 「でも、なんでこんなに遅かったんだ?」

 「時間見てなかったんだよ。」


 今日から高校でいろいろ準備してたら、いつの間にか家を出ようと思ってた時間を過ぎていたのだ。


 「ああ、準備とかでもしてたのか?俺もそうだったし。」

 「そういうことだ。」

 「そうか。にしても、もう20分になるぞ、新ちゃん遅いな…」

 「しんちゃんって誰だ?」

 「俺の中学の時からの親友。」

 「へぇ〜。でも本当に遅いな。もうすぐ20分だぞ。」


 もうそろそろ、先生が来てもおかしくないような時間なのだ。


 「とうちゃーく。神野くん、おはよ〜。」

 「あ、やっと来た。もう時間ぎりぎりだぞ。」

 「本当だ〜。危なかったね〜。」

 「本当だよ、まったく…ああ、そうだ。こいつが新ちゃんだ。」


 拓巳の横にそいつが座る。そいつは、少し長めの髪を後ろで結んだ、やる気のなさそうな奴だった。


 「ええと、神野くんその人は誰〜?」

 「ああ、和也だ。」

 「はじめまして〜。松井 新一郎だよ〜。」

 「ああ、石井 和也だ。よろしく。」

 「よろしくね〜。」

 

 ガラガラガラ…


 「よし、全員いるか?体育館に移動するぞ。」


 先生がやって来て、俺らは体育館に向かうために廊下に並んだ。


 「ええと…この前、助けてくれた人…ですよね?」


 俺は並ぼうとしたら、後ろから女子に声をかけられる。この女子が未来だった。


 「ええと…先輩に絡まれてた子?」


 そうなのだ。高校の始まる1週間ほど前に、俺の家からコンビニに行く途中にある空き地で、うちの中学の、ガラの悪かった先輩に絡まれていたのだ。


 「あ!はい、そうです。一緒の学校だったんですね。これからよろしくお願いします。」 

 「ああ、こちらこそよろしく。俺は、石井 和也だ。それに、もっと気軽に話してくれていいよ。」

 「じゃあお言葉に甘えて、私は安井 未来。”未来”って書いて”みく”って読むんだ。よろしくね、石井くん。」

 「おう。」

 「でも、よかった〜。最近引っ越してきて、知ってる人誰もいなくって、友達できるか不安だったんだ〜。」

 「へぇ〜、どの辺に引っ越してきたの?」

 「えっとね、正門側から出てずっとまっすぐ行ったところにあるコンビニの、ちょっと向こう。」

 「俺の家のすぐそばだな。俺の家そのコンビニがあるところの、少し後ろの家だから。」

 「そうなんだ〜。じゃあ、これから近所の人に挨拶するから、行くかもしれないね。」



 その後も、未来と話しながら、体育館に移動した。


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