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32.戦闘訓練を眺めました

 「おじちゃーん、門開けて〜。」

 「だから、誰がおじちゃんだ!」

 「ははは〜。」



 ギギギギギギギギギ…


 門が開く。


 「ありがとね〜。」

 「おう。」



 俺は門をくぐり、第3訓練室に向かう…


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^



 俺は、第3訓練室に向かってる。



 『はぁああ!せいやっ!…』

 『攻撃が単調になってるぞ!もっと柔軟に動け!』


 神野とアレクの声が聞こえる。結構離れてるんだけどな…



 ガチャッ


 「ヤッホー。ただいま〜。」


 俺は訓練室の扉を開けて、中に入る。


 「あれ、しんちゃん早かったね。おかえり。」

 「安井さん今休憩?」

 「うん。拓巳くんたちも、もう少ししたら休憩だと思うよ?」

 「そっか〜。最近どう〜?」

 「スキルに杖術と体術がついたよ。」

 「おお〜、やっとだね〜。おめでと〜!」

 「ありがとう。でね、最近…」


 少し安井と話してると、神野たちも休憩に入ったようだ。



 「はぁはぁはぁ…あれ、新ちゃんいつからいたの?」

 「すこし前からだよ〜。」

 「今日は早いんだな。」

 「時間が余ったから、早く帰ってきたんだ〜。」

 「へぇ、今日は何狩ってきたんだ?」

 「ワイバーンだよ〜。」

 「は?ワイバーンってCランクだよな?」

 「そうだね〜。あ!そうだ〜…」


 俺は卵を取り出す。


 「じゃ〜ん。ワイバーンの卵です!欲しい人〜。」

 「え?くれるのか!」

 「うん、誰か一人にあげる〜。」

 「でも、俺ら眷属化とか持ってないぞ?」

 「それは大丈夫。道具があるから〜。」

 「それなら、私欲しい!」

 「俺も欲しいな。」

 「あ、俺も。」

 「じゃあ、じゃんけんってことで〜。」

 「「「最初はグー、じゃんけんぽん!」」」

 「よっしゃ!」


 石井が勝った。


 「じゃあ、石井くんにこれをあげよう〜。」

 「ありがとうっ!」

 「魔力を注げば5日ほどで孵化するみたいだから〜。」

 「へぇ〜そうなのか。」

 「あと、その魔道具の使い方の説明するね〜。それは契約の首飾りって言って、魔物につけて魔力を込めながら、呪文を唱えて使うんだよ。しっかりとしたのは、孵化してから教えるね〜。」

 「了解。」


 「おい、再開するぞ!」

 アレクが神野たちを呼びながらこっちに来る。


 「さて、俺らは訓練に戻るな。しんちゃん、このあとどうすんの?」

 「見学〜。」

 「どうせなら、参加するか?今から魔法ありで、集団戦の訓練なんだが。」

 アレクが突然言い出す。


 「パス〜。僕がいると戦闘にならないよ〜。」

 「そうか、ならそこで見てるといい。」

 「りょうか〜い。」


 神野たちは訓練室の中央に行く。ちなみに、石井は卵は置いていった。


 俺はその場に座り観戦する、ついでにもう一個の卵を取り出し、魔力を注ぐ…ただし全力で。


 「よし、かかってこい!」

 「いくぞっ!」

 「おう!」

 「ええ。」


 神野がアレクに向かって走り出す。それに合わせて、石井と安井がそのあとに続く。


 「はぁぁ!」


 ブンッ…ガキン!


 神野が振り下ろした大剣を、アレクが持っている長剣で一瞬受け止め、攻撃を受け流す。



 「てやぁ!」

 

 シュッ!


 そこに石井が槍を突き出す。アレクはそれを躱す。



 「はぁっ!」


 後ろから神野が斬りかかる。アレクは、それをしゃがんで回避する。


 『光よ。集い、放て。ホーリーボール』

  

 キュイィィィン


 安井がそこに魔法を放つ。アレクはそれを、持ってる長剣に魔力を込めて切り裂く。そしてそのままの勢いで神野を突き飛ばす。


 「くっ…」

 「拓巳っ!」

 

 石井が一瞬止まった隙に、詠唱している安井に向かってアレクが駆け出す。それを石井が追いかける。


 「はぁっ!」


 アレクが安井になぎ払いをかける。


 「『光よ、きゃっ…!」

 

 安井をなぎ払った勢いで、真後ろまで来た石井を蹴り飛ばす。


 起き上がった神野が走ってくる…


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^


 「そこまでだ。」


 時間にして、25分くらいのやりとりが終わる。


 「拓巳、お前は周りをもっと気にしろ!もう少し近かったら和也に当たってる攻撃が何回かあったぞ!」

 「ああ。」

 「和也、お前は俺の安全を気にしすぎだ。何回か危ない攻撃があったが、戸惑って攻撃をやめるな!魔物は待ってはくれないぞ!」

 「はい…」

 「安井、お前は詠唱に意識を持っていかれすぎだ。もっと相手を意識しろ!」

 「はい。」

 「お前らまだバラバラだ。もっと全体を見て動け!いいな?」

 「「「はい。」」」


 アレクの注意が終わると…


 「新、お前はやらないか?俺と。」

 「僕はそういう趣味じゃないので〜。」

 「そうじゃない!模擬戦だ!」

 「やってもいいけど、めんどい〜。」


 別にやってもいいのだが、今は卵に魔力注ぐのに忙しいのだ。それに面倒いし…


 「じゃあ、やるぞ。お前らは見てろ。」

 「しょうがないな〜。」


 仕方ないので、一回だけ相手をしてやるとしよう…


 「じゃあ、頑張れよ!」

 「頑張る必要もないけどね〜。」

 「は?どういうことだ?」

 「行ってくるね〜。」


 卵を抱えたまま、中央に行く。


 「魔法ありなんだよね〜?」

 「ああ、使っていいぞ。」

 「じゃあ始めようか〜。」


 俺は7つほど重ねて『烈風』を起動する。”烈風”は死風とかの風魔法だけのバージョンで、これに別の魔法を組み合わせるのが普通なのだが、今回はこれだけを使う。


 グウォォォォォォォォォ…ガシャン!


 魔法陣から異常なほどの風か放たれ、アレクが訓練室の端まで吹き飛ぶ。


 「降参する〜?」

 「ぁぁ…」

 「了解〜。」


 微塵たりとも動けないくらいの風を浴びせられ、勝てないとわかったのか、アレクは降参した。

 開始10秒で俺の勝ち。いえーい。


 「しんちゃん、何あれ…?」

 「風速20m/sくらいの風〜。」

 「なるほどね。それは動けないわ…」


 簡単に安井に説明してると、アレクが帰ってくる。


 「さすがにあれでは、俺も動けない。勝つのは無理だ。よくそんなこと考えたな。」

 「本当は涼むための魔法の強化版だよ〜。魔力込めすぎて気付いたんだ〜。」

 「なるほど。そんな使い方もあるのだな。」

 

 アレクにも説明してやる。


 「そういえば石井くん、卵育てないの〜?」

 「そういえば、そうだな。どうやればいいんだ?」

 「魔法使う感じで、卵に魔力込めてみて〜。」

 「こんなかんじか?」

 「多分あってるよ。そうやって毎日魔力を注げば、5日くらいで孵化すると思うよ〜。」

 「わかった。」

 「あと、出来るだけ一緒にいてあげてね〜。そうすれば勝手に魔力持ってくから〜。」


 本当は持ってるだけでいいのだが、ワイバーンじゃないものが生まれた方が面白そうなので、魔力を込めさせる。


 「おう、そうか。でもこいつどうやって持ってようかな。」

 「リュックとかに入れとけばいいんじゃないか?」

 「それがいいと思うよ〜。」

 「よし、あとで探してこよう。それまでは俺がずっと持ってる。」

 「じゃあ、僕が探してきてあげるよ〜。」

 

 俺は訓練室から出て、また外に行く…


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