30.打ち上げをしました
「俺らの勝利を祝して…」
「「「「「かんぱーい!」」」」」
俺らは今、宿屋の一階にある食堂で夕食を取っている。テーブルには大量の料理がのっており、”竜宮”は皆酒を片手に、それを食ってる。
「にしてもよ〜、新のあの魔法なんだったんだ!」
「あれ、知りたい〜?」
「おっ、教えてくれんのか!」
「いやだよ〜。」
「まぁ普通、自分の手札を晒す冒険者はいないからな。当然だろうな。」
「何の話してんのよ?」
イザベルが会話に入ってきた。
「シンの魔法だ。」
「へぇ〜。どんなのだったのよ?」
「ワイバーンがぶつ切りになる魔法。」
「はぁ⁉︎何によそれ!私でもそんなことは出来ないわよ⁉︎」
「やっぱり新は反則ってことだな!」
「反則の何も、この国でそんなのが出来るのは、宮廷魔導師のトップ数人程度よ!」
「シンってすごかったんだな。」
「ふふふ〜。もっと褒め讃えたまえ〜。」
「なんでそんなのが冒険者してるのよ…」
しばらく飲んだり食ったりして時間が過ぎていく…
「だかりゃ、新がおかしいにょよ。普通の魔法使いはそんにゃのはできないのよ!」
「おい、ベル。おまえ飲み過ぎだ。呂律が回ってないぞ、もう寝ておけ。アリーヌ、こいつを部屋に連れて行ってくれ。」
「もぐもぐ…わかった。もぐもぐ…」
アリーヌがイザベルを部屋に連れて行く…というか、あいつどんだけ食うんだよ。最初から何も話さずにずっと食ってたよな…テーブルの料理のほとんどをあいつが食ってたぞ。いったいどこに、あんなに入るスペースがあるんだよ。
「さて、明日の8時過ぎにはここを出るから。俺らも部屋に戻るぞ。」
「おう、わかった!」
「ユーグはちゃんと起きろよ。」
「りょ、了解っす。」
「じゃあ、また明日〜。」
あいつらは部屋に戻っていく。俺も戻るとしよう。
俺は部屋に戻る…
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部屋は5畳くらいで、ベットとタンスが置かれているだけの部屋だ。これで料理とは別で40Bってのは高いと思う。
俺はアイテムルームにしまってたワイバーンの卵と分け前の素材を取り出す。
卵はだいたい、大きさが20cmくらいで重量は2kgくらい。見た目は灰色の大きな鶏の卵みたいな感じだ。
「さて、鑑定してみるかな。」
『鑑定』
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名前:竜種の卵
種類:魔物
説明:竜系統の魔物の卵。魔力を与えると、与え始めてから5日ほ
どで孵化する。また、魔力を与えた者を親と認識し、与えた魔力
量によって種族が変わる。
追記:まだ一度も魔力が込められていない。
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ふむ、ワイバーンの卵であってたようだ。
ワイバーンなどのドラゴン系の卵は、孵化するときの魔力の量で種族が変わる。ワイバーンが魔力を注ぐと、ワイバーンの子供が生まれるのは、ワイバーンの魔力量がその程度しかないからだ。つまり、もっと大量の魔力を注ぐと別の魔物が生まれる。実は、これは以外と知られていない。俺もたまたま、図書館で魔物についての研究記録を読んで見つけたのだ。
確認はしたので卵をアイテムルームにしまう。
じゃあ、次だ。
分け前の素材は、ワイバーンの鱗と、爪だ。
ツノとかもあったけど、今使いたいのはこっちなので、鱗と爪にした。
さて、神野たちには眷属化のスキルがないから、代用品を作ろうと思う。そのうち神野たちにも眷属を作ろうと思っていたので、構想自体は前からあったのだが、いい素材がなくて諦めていたのだ。
まず、鱗をワイバーン一体分もらったので、その半分をまとめて『改変』で紐状にする。
次に爪に闇属性魔法の”従属”を刻み込み、付け根に穴を開けて2cmくらいまで『改変』で小さくする。
最後に、作った紐を通して、全体に空間魔法の”収縮”を刻み込めば、完成。
じゃあ鑑定してみよう。
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名前:契約の首飾り
種類:魔道具
説明:魔物と契約をすることができる。契約するには、魔物にこれ
をつけて、爪に魔力を注ぎながら『我、契約を成すもの。汝、名を
” ”とする。』と唱えて名前をつける。
追記:”収縮” が刻まれている
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よし、うまくいった。
今までは、つけると壊れるという不良品が出来たんだが、やっとうまくいった。
さて、うまくいったし、もう寝るかな。
俺はベットに入り、目を閉じた…
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