29.思わぬ収穫がありました
「ねぇ〜、この卵ってどうする〜?」
ワイバーンのものと思われる卵が二つあった。眷属したいなぁ…
「売るしかないが…欲しいのか?」
「貰ってもいいの〜?」
「別にいいが、食べようにもマズいくて、食えたもんじゃないぞ。騎獣にするのか?」
「いや〜、眷属にするんだ〜。僕の職業、魔物使いだしっ。」
「そうだったのか⁉︎それなのに、あんなに魔法使えて接近戦もできるとか、もはや反則だろ…」
「ははは〜、言ってなかったみたいだね〜」
「まぁいい、代わりに他の素材の分け前を減らすからな。」
「いいよ〜」
初めてのドラゴン系統の眷属ゲット〜。まだ予定だけどね。
でもまぁ、さすがに二匹はいらないから、一匹神野たちの誰かにあげようかな…
「こっちは、終わったぞ。」
「こっちも、もうすぐ終わる。」
少しして俺らも終わったので、馬車に戻る…
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「ベル、今戻ったぞ。」
「あっ、やっと帰ってきた。遅かったじゃん。どうだった?」
「ワイバーン4体討伐、3体撃退だ。ちゃんと村と反対の方に行ったのを確認した。」
「へぇ〜。じゃあ戻ろうよ。」
「ああ、そうだな。」
どうやら、素材を片してる時フェルナンがいなかったのは確認のためだったようだ。
俺らはフェルナンとイザベルが話してるのを無視して、馬車に乗る。ちなみに帰りの御者はアリーヌだ。
すこしして、俺らは村に帰ってくる。
「さて、バーナード村長に報告に行くぞ!」
「「「「了解。」」」」
「ほーい。」
俺らは村長の家に向かう…
「にしてもよ、新お前は何者なんだ?」
「ごく普通の一般人だよ〜。」
「そんな一般人がいるなら、紹介してほしいわ…そうだったな野暮なことを聞いた。忘れてくれ。」
「ほーい。」
エリックの質問を軽く受け流す…
「そういえば、シンさんが一回も魔物使ってるの見たことないっすね。」
「そうだな。」
「ユーグ、フェルナンみたい?」
「もちろん、みたいっす!」
「ああ、できれば。」
「じゃあ、やだ〜。」
「ええっ⁉︎なんでっすか⁉︎」
「冗談だよ〜。それに、いつも魔物は連れてるよ?」
「え?どこにいるっすか?」
「胸ポケットの中〜。」
俺がポケットを軽くつつくと、テラが出てくる…
「うわっ⁉︎そんなとこにいたんすか!」
「ずっといたよ〜。」
「初めて気づいたっす。」
「俺も今初めて見たわ。」
「テラって言うんだ〜。」
「なんか可愛いっすね?」
「おお〜、わかるか!特別にユーグには触らせてあげよ〜。」
「ええっ⁉︎触っってもいいんすか?じゃあ…」
プニッ
「おお〜、初めての感覚っす。きもちいっすね。」
「でしょ〜?」
「俺はダメなのか。」
「触りたい〜?」
フェルナンが首を縦に振ってる。赤べこか、おまえは。
「しょうがないな〜。」
プニプニ
「ふむ、不思議な感覚だな。」
しばらくユーグたちとテラを触ってると、村長宅に着く。
「では、俺と新とフェルナンで報告に行ってくるから。お前らは今日の宿を取っておいてくれ!」
「了解っす。」
俺らは村長宅に入る…
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「…ということで、ワイバーンは3体を残し討伐した。」
「なるほど、わかりました。ありがとうございます。明日にでも確認し、ギルドに報告します。」
「了解した。あと、ワイバーンの素材なのだが。」
「それはもちろん、そちらでもらってくれて構いませんよ。」
「ありがとうございます。では、我々はこれで失礼します。」
フェルナンが状況を報告し、俺らはそこにいるだけだった。もともと”竜宮”はチームで補い合ってできてるパーティだ。エリックは戦闘の指揮はできるが、報告などは状況をうまく説明するのが得意じゃないため、フェルナンが報告するのが常だ。
「さて、もう結構暗くなってきたし、宿に行って飯食って寝るか!」
「宿がどこなのか知ってるのか。」
「いや〜、知らないね〜。」
「俺も知らんぞ!」
「どうするんだよ。」
「ここでまってる〜?」
「そうだな!」
「はぁ…。」
待つこと5分、ユーグが来た。
「おぉーい、宿取ってきたっす。」
「おう、おつかれ。ベル達はどうした。」
「飯食うために食堂で待ってるっす。」
「あいつら…まぁいい。早く行こう。」
俺らはユーグの案内で宿に向かう…
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