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閑話:望む者




 「おお、我らが神ゲニウス様!ついに、ついにやり遂げましたぞ!」


 1人の妙齢の女性を横に控えさせる男が暗闇の中で叫び、女性とともに跪く。

 その暗い空間のあちらこちらには火の灯っていない悪魔をモチーフにした燭台があり、目を凝らせば周囲の壁にも大量の悪魔の絵が描かれている。その悪魔の姿は全て同じで、こめかみの辺りからぐるりと捩れた角を生やし、矢じりのように尖った尾とコウモリのような皮膜のついた翼を持ち、赤く縦に割れた瞳孔を持つ整った容姿の青年のような姿だった。



 「我らはゲニウス様の御神託をついに完成させました!」

 『ソウカ。デハ貴様ニ我ガ法ノ使用を許ソウ』

 「あ、ありがたき幸せ…っ!」

 『速ヤカニ贄ヲ捧ゲヨ。ダガ、マダソノ姿ハ晒スナ』

 「し、使徒を使えと?そう、おっしゃられるのですか?」

 『是ナリ。マダ時デハナイ』

 「しっ、承知いたしました。し、しかし…いえ、出過ぎた真似を。申し訳ございません」 

 『ヨイ。許ソウ』

 「ありがたき幸せ…では、今まで通り、使徒を使い多くの贄を献上いたしましょう!」

 『期待シテイルゾ』

 「はっ…では、失礼いたします」


 男性は立ち上がり、そのまま立ち去る。

 そして、控えていた女性は衣服を脱ぎ去り、祭壇と思しき場へと登り横たわった。



 「ゲニウス様…お受け取りください」


 女性がそう言うと、次の瞬間女性は急速に衰え息絶えた。

 祭壇に残った女性の肉体は砂のように崩れ去る。



 『許サヌ…我ガ怒リ。忘レヌゾ』


 おぞましき声のみがその場に響き渡った。


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