24.魔法を開発しました
「ぬぬぬぬ…また失敗…」
さっきからどうにもうまくいかないのだ。異空間を作り出すことまでは、うまくいったのだ。問題はその先だ。物を入れるためには口を作らなくてはいけない。だから、出口を作らなければ、開けることができない。しかし、出口を作るとこ今度は、そこから動かせなくなるなってしまい、使えない。いっそのこと、空間を固定しないで、引っ張ってみようとしたら、空間がもろくなって維持できない。さてどうしたものかな…
異空間の作り方でも変えてみようかな。いっそのこと、ここじゃない世界みたいなものでも作ろうか。勇者召還なら出来るんだから意外と使えるんじゃないかな…
「よしそうとなれば、さっそくやってみよう!」
まずは別空間に新しい空間を作る要となるの物を作り出し、そこを中心に空間を広げる。そのあとに、そこを俺が見つけるために、俺とパスをつなぐ…よし、これで空間の創成は完了。次にここに干渉するための魔法を作る。勇者召還の魔法はさっき解析したから、それを応用して空間をつなげるための出入り口を作る…うむ、これでこの世界につなげるのは出来た。それで、空間を固定する。さて、次にこれにどこからでも物の出し入れができるかどうか、確認してみなくては…
俺はもう一度空間を見つけて、出入り口に干渉する…うし、いけた。俺の目の前に直径10cmくらいの穴が開く。どうやら、向こうは真っ白い空間のようだ…次に物を入れる。入れようとしたペンが吸い込まれ、中にあるのが見える。空間を閉じ、そしてまた移動してから、もう一度空間に干渉してさっき入れたものを取り出す…おお、こんどはさっきと同じように穴が開き、入れたものが見える。中に手を伸ばし、ペンを取ろうとすると、取ることが出来た!
おお、成功だ!うまくいった。無詠唱でもやってみよう。
さっきと同じことをする。こんどは、さっきよりも簡単に出来た。なんというのか、俺が作った空間が、どこにあるのかが、だいたいわかってきたからだろうか?
さて…これで、ポケットの中をいじれる。
というわけで、ポケットの中を全部出し、全部作った空間の中に入れる…にしてもかなりいろいろ入れてたな。縄にペンにメモ帳セット、釘が数十本と金槌、カッターに裁縫道具、ハサミ、定規コンパス、懐中時計、ナイフ2本と鎖と自作の拷問道具、この世界に来てから手に入れた貨幣を入れた麻袋、他にもいろいろと…全部しまい終わる。次にポケットに一つ一つ別の出入り口を刻み込む…こうすれば別々の所にしまえる、と思う。もう一度ポケットの中から、中身をしまい直す。
さてやってみるとしよう。ポケットに手を入れる。すると、今までのポケットではありえないほどの空間が感じられる。次にしまったものを取ろうとする…よし取れる。取り出したものをしまい、他のポケットも試す。ふむ、全部うまくいった。一応、別のポケットの物をとろうとしたら、出来たが少し遠くのものを取った感じがした。
そういえばこれ、入れるのかな?もう一度出入り口を開く…口のサイズを大きくしようとしたら2mくらいに広がったので、中に入る…
「おお〜!入れた〜!つ〜か、広ぉ〜!」
入ってみたら、俺の入れた物とそのそばに一つずつ無骨な門があり、俺の来た真後ろに2mくらいの門がある、真っ白い空間が広がっていた…中の物は入れたポケットごとに分かれてまとまっていた。ついでに、中は暖かくもなくて、かといって寒いわけでもない、程よいくらいの温度だった。そして、ただただ広い空間だけが広がっていた…今度、ベットとか持ち込もうかな…
「あ、やべ…どうやって出よう…」
俺は帰り方を考えてないことに気づいた。
「う〜ん…」
あ、この門に魔力注げば、できないかな。まぁ、とにかくやってみるとしようか。
「おお〜」
魔力を注ぐと、門がゆっくりと開き、門の外に入ってきた場所が見える。
俺は門から外に出てみると、もと居た場所にいた…どうやら入っても、問題はないようだ。
明日からは実質ずっと自由時間なので、明日に備えて早めに寝る必要がない。なんだかんだで、そのあとも幾つかの魔法を作り上げる…
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