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vol.1

朝、目が覚めると真っ先にカーテンを開け

天気を確認するのが日課。

その後、今日の現場と撮りの内容を最チェックし

移動方法を決める。

撮りが詰まってるor現場移動が多い時は電車かバイク

反対に少ないor1ヶ所集中の時は車を選ぶ。


移動現場が多い方が荷物も多くなるので

本当は車で移動したいのだけれど

都内の道は時間が読みづらい。

なので確実な電車か、小回りのきくバイクを選ぶのだ。


スケジュール帳を見ると、今日は1ヶ所での長丁場。

ここ数年通いなれたスタジオなので

近隣の駐車場もバッチリ頭に入ってる。

それにこの所忙しかったので

車を全然動かしていない。

そろそろ動かさないと車が拗ねそうだと感じ

今日は車で動くことにした。






*






窓から入る風が心地良い。

危惧していた車の状態も思ったより安定性している。

今日は幸先いいなと思い、ハンドルをきると

とたんに感じる愛車の異変。



「嘘だろ…」



「さっきまでの調子の良さはどこへ行った!?」

と、思わず叫んでしまったくらい

車の調子はあっという間に自分の手には負えない状態へとなっていった。



このままでは後続車に迷惑がかかる



ただそれだけ思い、最後の力で車を路肩に寄せる。

たったそれだけの事でずいぶん疲れてしまった。



「勘弁してくれよ…」と呟いても車はうんともすんとも言わない。

ボンネットを開け、自分でチェックできる所はチェックするも

自分の手には負えない事を実感するばかり。


この車は子供の頃憧れていたモノで

この歳になってやっと手に入れた車だ。

自分の年齢とほぼ変わらない車は

レストアに当然時間もお金もかかったのだが

手のかかる娘をもったようで、それも楽しい。

が、今日は少し、いやだいぶん困るだろ。



「頼むから機嫌直してくれよ…」と、呟いても

愛車は何も言わず、ただソコにあるだけだった。



俺はため息を1つつくと、

知り合いの工場への電話番号を電話帳から探し始めた。

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