四日目
3月14日(月)
今日は、朝五時頃に起きた。
というか目が覚めた。
それからしばらくして、朝食に小さなおにぎりが一人二つずつ配られた。
そして今日は、衣類などを買えるところを探しに行った。
昨日から買い物袋をぶら下げてどこかから帰ってくる人の姿があったので、取り合えず行ってみようということになった。
母と姉、それから私は津島中から山の方へと歩き出した。
一時間くらい歩いたのだろうか、ハッキリとしたところはわからないが開いている服屋を見つけた。
何日津島中にいなければならないのかわからないので、下着類を買っておこうとそこに立ち寄った。
ちょうどいいサイズの物はほとんど売り切れで、少し小さめの下着代わりになるものなどを選んでいると、店主の娘と名乗る人物が奥から箱を引っ張り出してきて
「これ、私が昔着ていたものなんですけど、よかったら持っていってください」
と言う。
しかも無料で。
私たちはありがたく使えそうな古着をいくつかいただき、売り物は買い取った。
しかし、売り物も一つ100円ととても安くしてくれた。
お礼を言いながらまた歩き出す。
少し行くと、古い家が倒壊していた。
そして結局店に行くも品切れで、すぐに帰ることになった。
帰りは長い道のりを休むことなく歩いた。
その後、屋内避難などの指示があったりもしたが特にこれといったこともなく夜を迎えた。
未だに帰れる見込みはない。
家に残っている犬は心配だが、もうなるようにしかならない。
M、A、Y、R、N、皆が無事であることを祈る。
浪江に帰っても、会えるとは限らない。
下手をすれば、もう…。
それでも、早く帰って無事を確かめたい。
早く帰りたい。




