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ノニサクハナ  作者: 遠藤 敦子
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 6月に入り、3人娘でアイスクリームを食べに行くことにする。暑くなってきたのでアイスが食べたいという話になり、そこから向かうことになったのだ。サーティーフォーアイスクリームで、それぞれが食べたいものを注文する。友美はいちごアイスとチョコミントアイス、咲空はバニラアイスとチョコアイス、沙織は抹茶アイスとクッキーアンドクリームアイスにした。アイスを食べながら談笑しているとあっという間に時間が過ぎていく。そうこうしているうちに聖真が沙織を車で迎えに来た。

 聖真は確かにコンタクトに変わっていて、髪も茶色になっている。高校時代の印象とは違っていて垢抜けた感じだった。聖真と沙織は右手薬指にペアリングをしていたので、友美が

「あ、それってもしかしてペアリング?」

 と言及する。聖真は

「そうそう。付き合って2ヶ月記念日ってことで沙織に買わされてさー」

 と返した。すかさず沙織が

「ちょっと、言い方考えてよ!」

 とツッコミを入れる。友美と咲空はその様子を見て笑っていた。

「これから沙織を送っていくんだけど、松下と清家も乗ってくか?」

 聖真に言われ、2人は後部座席に座る。聖真は咲空と友美を先に送り届けてから、最後に沙織を送り届けた。



 家に着いた頃、高校時代の他のクラスの男子から1通のLINEが友美宛に来ていた。

「松下久しぶり。元気? ちょっとこれ見ろよ。やばくね?」

 LINEを開けてみると、学年のマドンナと言われていた女子が霰もない姿で写った写真が何枚か送られてきた。全裸もあれば、ナース服姿やコスプレ姿のもある。素人であるという設定なので、目のところに黒い線が引いてあった。それでも学年のマドンナだった彼女の面影はあったのだ。「まい(17)」「ゆうあ(19)」「のあ(18)」「大竹るな(仮名)」など彼女の本名とはかけ離れた名前が書かれており、文言も「永遠の17歳」「こんなエッチな私を見て」などうさんくさいグラビア誌に書かれているような内容だ。

 彼女は実家がお金持ちでMARCHのどれかに通っていて、同じ大学に彼氏もいると友美は風の噂で聞いていた。お金に困っている様子なんて彼女のインスタグラムを見ても微塵もなさそうなのに、何が悲しくてエロカメラの前でこんなポーズをしなければならないのか。友美はなんとも言えない気持ちになる。

 なんでわざわざ彼女のこんな写真を見つけて送ってきたのかと、男子本人にも怒りを抱く。友美は彼のLINEには既読のみ付け、何も返事は返さないことにした。彼女の写真を見てしまったことは誰にも言わないことにする。たとえ3人娘のLINEだったとしても。

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