表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノニサクハナ  作者: 遠藤 敦子
3/13

3

「しかも教えてもないのに、下の名前も知られていてさ。怖すぎた」

 友美が言うと、咲空は

「その山田って男キモ……。友美のストーカー?」

 と驚き呆れている。沙織は

「何かあったら言ってね? そのキモ男からガードするから」

 と言ってくれた。3人娘で支え合っているのを感じ、友美は心強く思う。2時間ほどカフェに滞在した後、それぞれ帰路に着く。友美も帰宅し、雅仁と自身に夕食を作った。今日の夕食はオムライスだ。

「友美、コンビニのバイトは慣れたか?」

 雅仁に訊かれ、

「覚えることたくさんあるけど、ぼちぼちやってるよ」

 と友美は答える。山田からのセクハラの件で雅仁に余計な心配をかけたくなかったのだ。

「なら良いけど。正直と瑞樹ちゃんは元気か? 真凛も高校で上手くやってるか?」

 雅仁は家族の様子について尋ねた。

「お父さんとお母さんは元気にしてるし、真凛も高校で勉強と部活頑張ってるよ。前にバレー部の友達と誕生日パーティーしたって言ってた」

 友美が答えると、雅仁は安心した様子だった。真凛は1月26日に16歳の誕生日を迎えたのだけれど、バレー部の女友達数人とカラオケ店で誕生日パーティーをしたのだそう。正月に正直たちが会いにきてくれて以来、雅仁は彼らとは会っていなかった。友美は2週間前に実家に1人で帰省しており、その時の様子についても話す。


 翌日も友美はアルバイトがあり、コンビニに出勤した。髪を1つ結びにし、青いシャツを羽織り、「まつした」と書かれた名札も付ける。また山田と顔を合わせる羽目になり友美は憂鬱だった。しかしずっと一緒というわけではない。山田のシフトは12時から21時までなので、9時から14時までの友美のシフトと重なるのは最後の2時間のみだ。11時から中塚さんが出勤してくるので、友美にとって心強かった。

「松下さん、新商品のとこにポップ貼っといて」

「はい」

 品出しの際、友美は店長から3枚のポップを受け取る。2つは平塚(ひらつか)直幸(なおゆき)店長が経営する「ケセラセラ」というキッチンカー監修の冷凍食品ーーたこ焼きとたい焼きーーで、1つは大阪で白坂(しらさか)葵唯(あおい)店長が経営するキッチンカーで作られたコラボメロンパンだ。平塚店長はイケメン店長としてSNSで有名になったこともあり、友美もその存在を知っていた。白坂店長のメロンパンも大阪で人気が爆発し、顔出しでインタビューに答えた様子がネットニュースになっている。白坂店長のキッチンカーは、大阪だけでなく東京にも来てほしいと熱烈なラブコールがあったほどの人気だ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ