異世界アニメ不作? 2022年冬アニメ感想
2022年冬アニメが終わりましたね。
私はなろう系・異世界物のアニメが特に好きで、それを中心に楽しんでいました。
皆さんはいかがだったでしょうか?
本格レビュワーの方と比べると数は少ないですが、なろうエッセイをお借りし、いくつか紹介と感想を書かせて頂きます。(ネタバレはなるべく抑えます)
個人的な満足度という形で点数付けもします。私の中では50点いまいち、60点まあまあ、70点良作、80点名作って感じです。
個人的に作画よりストーリーが合うか重視する傾向があり、個人的満足度で評価すると同時に、作画やアニメの演出が良く、より多くの視聴者におススメできると思った作品はおススメ度と、2つの基準で評価する方式を取ります。
・天才王子の赤字国家再生術
個人的満足度 70点 おススメ度 ☆4
弱小国家の王子ウェインが優秀な能力を活かし国の危機にたちむかい周辺国家と渡り合っていく作品。
分類としては異世界物ですが転生なし、魔法なし、チートなし、異種族なしのシンプルな世界観にして内容で勝負しているのは好印象でした。OPED含め、あまり予算をかけている印象はありませんが側近の少女二二ムなど、女性陣は魅力的で細かい背景表現も丁寧。シナリオも爽快感あってエンタメ性があります。
不満点を挙げるならウェインを天才に描くためか、相対的に周囲を愚かに演出しているような印象を受けてしまう点です。ただ、最終回はようやく優秀な敵やポリシーを持った敵が出てきた上、ウェインも才覚が見えてきて良かったです。2期を期待ですし、原作を読んでいくのもいいと思いました。
・現実主義勇者の王国再建記 2期
個人的満足度 80点 おススメ度 ☆3.5
異世界転移し王位を譲られた主人公ソーマが傾いた国を立て直していく作品の2クール目。いわゆる内政物にあたる作品で、上記の天才王子と共通点も多く比較しながら楽しんでいました。作画の作りこみがチープさを感じる部分もありますが、戦闘が少なくひたすら内政描写を描き独自の世界観構築して説明に力を入れる様は、他とは違った異世界物を作ろうという作者・スタッフの強い意志を感じました。それでも名作1歩手前、評価付けるなら75点くらいかなと思ったら最終回の衝撃展開にめちゃびっくりし楽しませてもらったので、80点で名作評価。私の好きな異世界アニメ殿堂入りとさせて頂きます(*^^*)
原作も買って読みます。
ちなみにこの作品ラジオも毎週放送と充実していて楽しかったです。私も11幕と25幕で投稿を採用して頂きました。25幕は無職転生主演の内山夕美さんがゲストで、無職転生と出演者の共通点を指摘する投稿をしたら小林裕介さんや内山さんに大いに笑って頂き投稿者冥利に尽きました(笑)第1回からアーカイブが聴けますしアニメと同時に楽しむのもおススメです。
・リアデイルの大地にて
個人的満足度 60点 おススメ度 ☆3
病弱で入院生活を送っていた主人公が、プレイしていたリアデイルのゲームの世界に、美少女エルフ・ケーナとして転生する作品。主人公の子や孫など家族がたくさん出てくるのが特徴。ドラクエVみたいな家族愛の物語なのかと思いましたが主人公が少女なので実子ほど関係は深くないというか、養子がイメージに近いです。
毎回面白い場面はあり、手堅くまとめていると感じ最後まで視聴できましたが、悪く言うと何というか無難な作品に感じます。何が足りないのか考えましたが、キャラが多すぎて1人1人の感情表現が薄いのが一因かと。なろう小説は挿絵がなくキャラ容姿設定が不要な分、キャラが多い作品が多いですが、アニメ化にあたり絞ってもよかったのかも。
同監督の異世界物だとイセスマ、うちの娘~は楽しんでいまして、だいぶ前の作品だし私の中で美化されているのかなと久しぶりにイセスマの3話と最終話を見ましたがめちゃくちゃ面白かったです。脚本・シリーズ構成の筆安さんの作品だと回復術士や奴隷魔術が面白かったですが、男性主人公イケイケの作品は向いていても、リアデイルのような女の子同士の細かい感情の触れ合いを描くような作品は向いてない?とも思いました。
ケーナの性格が悪いという意見をネットで見ましたが、ケーナって自由奔放な感じが林原めぐみキャラというかスレイヤーズのリナみたいな印象があります。もし2期が見れるなら強大な敵を用意し一族総出で挑む、シリアス路線の燃えアニメを目指せばもっと面白くなる気がします。
そんなわけでアニメ単体では厳しめの点数ですがこの作品も毎週ラジオやっていて中堅・新人の色んなゲスト声優さんが来て面白かったので、実際の満足度はもう少し上です。(私も第6回に投稿採用して頂きました)アーカイブ続くようですしラジオと同時に視聴しながら見ればより楽しめると思います。
・賢者の弟子を名乗る賢者
個人的満足度 50点 おススメ度 ☆2
VRゲームでおじいちゃんキャラ、賢者ダンブルフを使用していた男性主人公が、可愛い少女ミラに転生し、ゲームが現実となった世界の危機に立ち向かう話。
今季の異世界物は作画で低予算が伝わる作品が多い印象。ただし他作品が随所で工夫しているのに対し、この作品は欠点が目立つ作りになっています(^^;)
随所に可愛いカット、凝ったカットはあるものの、戦闘時のCGが荒く、しかも毎回戦闘が入る作品なので、せっかく良い部分があっても悪い部分が記憶に残ってしまうんですね。
シナリオに目を向けても、見せ場・記憶に残るシーンが少ない印象。(ただし8話は心温まる話で今まで見てきて良かったと思いました)
そんなわけで点数的には厳しく付けますが、冬アニメ覇権候補着せ替え人形の視聴をやめてしまうくらい好き嫌いある私が最後までそれなりに楽しく見ることができました。それは主人公のミラが異世界物の主人公の中でも特に良いやつで、異世界人を尊重し世界を救おうと尽くす姿に共感できたからだと思います。
ところで最近はアニメ系ユーチューバーさんの動画を楽しんで色々チャンネル登録していますが、この作品は1話放送後、各所で一斉に批判動画が上がりました。私的には1話時点では楽しめており、独自演出も面白かったので驚きました。
(特に1話後半の無音演出が批判されましたが、私はディズニーのファンタジアみたいな視聴者の想像力をくすぐる演出に見えました、原作そのままにせずこうした独自演出を取り入れるのは名作アニメを生むうえで大事だと思います)
原作勢の方が不満あるのは分かりますが、ある原作勢の方の動画なんか「新規勢からも大不評」とタイトルに付けていて、いや私は楽しめてるんだが?一緒にしないでくれ(^^;)と思ってしまいました。たしかにこうした低予算アニメが増えると海外含め視聴者に飽きられ、良アニメまで同一に見られて異世界アニメ・日本のアニメ全般が下火になる危険があります。異世界アニメは配信が伸びやすいと安易に飛びつく、面白いアニメを作ろうというポリシーのない制作会社もありそうですし。だけどユーチューバーさんがそうした動画を出すのって、結局その方がアニメ視聴してない層も見てくれて再生数伸びやすいからだと思うんですね。それってそうした制作会社と何が違う?せめて4話くらい様子を見てから批判してほしいと思ってしまいました。
余談ですがダンブルフってファンタジーの元祖、指輪物語の映画のガンダルフがモデルですよね、懐かしい(´▽`)(あとハリーポッターのダンブルドア)世界で1番お金をかけた超大作ファンタジー映画だと思うので異世界アニメの低予算感が不満な方は1度見てみてはいかがでしょう。
・ありふれた職業で世界最強 セカンドシーズン
個人的満足度 70点 おススメ度 ☆4
高校生南雲ハジメがクラスメートと共に異世界転移。ありふれた職業である錬成師になったこともあり虐げられているがある出来事をきっかけに覚醒する。
なろうで累計4位、一時無職転生に次ぐ2位となった人気作の2期。ハーレム全開な他、主人公の中二病あふれる独特のキャラが特徴です。
1期はCG技術や脚本構成が甘かったからか世間的評価はぱっとしませんが、後半キャラが増えてから掛け合いが楽しくなり個人的には面白かったです。
2期はCGも良くなりましたし、話的には終盤が特に盛り上がって良かったです。
作画的には飛び抜けて良いというわけではないですが、所々描写が丁寧ですしセクシーなキャラが活躍する作品としてはかなり良い方ではないかと。例えば鬼滅の刃もセクシーなキャラは出ますが表現を気にしてかフェチ心をくすぐるような表現は少なく、その部分ではある意味鬼滅より上だと思います。
足りない部分はというと、BGMだと思います。無職や盾、転スラ、リゼロに比べ、OPED含めて印象に残るBGMが少ないです。逆に言えば3期できるならそれを改善すれば名作アニメにもなれそう。なろうアニメはまだ完結した作品がないですがありふれは本編は比較的短いのでできることなら3期・4期と作って完結1番乗りを目指してほしいです。
あとはアニメ外の話ですがラジオがなく特番も少なく、好きなアニメ系ユーチューバーさんで見て動画出している人が少なかったこともあり、あまり熱意持って見れなかった印象。何かしらあるといいのですが。
・失格紋の最強賢者
個人的満足度 65点 おススメ度 ☆2.5
異世界の最強賢者ガイアスがさらなる力を求め数千年後の世界に下級貴族の息子マティアスとして転生。失格紋と呼ばれる紋章を使い、世界にはびこる魔族打倒に乗り出していく。
まず最初に悪い所から。他の異世界物が何かしらの形で他作品と差別化を図っているのに対し、この作品、目新しい所はまるでないです。どこかで見たような設定ばかり。あとは主人公とメインキャラ以外は魔族側のキャラも人間側のキャラもかなり扱いがぞんざいに見えます。主人公最強系の典型というか、軽く、深みのない作品と言えます。
ただし制作スタッフはその弱点を理解しているようで、非常にシンプルに作っている印象でさくさく見ることができました。テーマパークのアトラクションを体験してる気分といいますか。アトラクションは複数回利用しても飽きないよう、感動・驚きあるストーリーは避け、利用者に短い時間で満足させるシンプルなストーリーにしてますよね。
そして仲間の1人イリスが声優さんの演技も良くてとても可愛い。1話の展開が速くてスタッフ大丈夫か?と心配しましたが、イリスを早く出すためだったのかなと。意味ある展開の速さなら歓迎します、終始安定的な面白さでした。ただしアニメに新しい発見や感動を求める人にはお勧めできないです。
ここまでがなろう系・異世界物の作品で、この先はそれ以外のアニメを取り上げます。
・鬼滅の刃 遊郭編
個人的満足度 70点 おススメ度 ☆4.5
大正時代、家族を鬼に襲われた少年炭治郎が鬼討伐と妹のため修行、鬼殺隊に入団する。
大ヒット作、鬼滅の刃。私は遊郭編からの視聴になります。以前1話を見たことはあるのですが、合わない部分を感じやめてしまいました。少年漫画の王道が苦手なんですよね、でもせっかくの話題作だし、それなら途中参加という王道でない楽しみ方ならいけるのでは?と踏み切ったわけです。
そしたらなかなか楽しめ、見て良かったです。隠密なのに大声で話すキャラのノリについていけない部分はあったものの、映画クラス、いやそれ以上かもしれない戦闘シーンのクオリティ。熱いシーンもあり、戦闘中宇髄さんが炭治郎に感謝するシーンはぐっと来ました。
歴史好きなので大正時代の遊郭の描かれ方も面白かったです。そこで働くキャラ達も良かったのですが原作に忠実に作っているためか、後半ほとんど描かれなかったのは残念な部分ではあります。今後描かれていくのでしょうか。
・王様ランキング
個人的満足度 80点 おススメ度 ☆4.5
耳も聞こえず会話もできず、蔑まれてきた主人公の王子ボッジが、国の動乱に巻き込まれていく作品の2クール目。
1クール目は魅力あるキャラ、目まぐるしく動くストーリー、1話につき1回はある驚きの展開、温かみのある作画と、本当に完璧な素晴らしい作品だったと思います。2クール目は驚きの展開と作画の良さはそのままなのですが、キャラに賛否別れるキャラが出たこと、舞台が動かず話がゆっくりになったことでやや落ち着いたものになりました。
敵キャラのミランジョには竜騎士先生の某なくころにシリーズのゲームに登場した、某ヤスを感じました(このネタ分かる人いるのか?)
なので行動は理解しがたいものがありましたが、1度経験していたこともあり受け入れられました。決着後の展開も意外性あって良かったし、確かな輝きのあるアニメでおススメです。
・86(エイティシックス)
個人的満足度 85点 おススメ度 ☆5
レギオンと呼ばれる自動機械と長年戦い続けるサンマグノリア共和国。その戦いはジャガーノートという機械に乗り戦闘する少年少女86の犠牲によって成り立っていた。犠牲に心痛める共和国少佐レーナが86の管制官に任じられる作品の2クール目。
2021年秋アニメでしたが、製作上の都合で最終22、23話が3月に放映されました。
2クール通じて名作と思ってましたが最後も素晴らしい出来でした。制作はSAOの会社ですが、技術も演出もはるかにパワーアップしています。ここ10年アニメの進化は頭打ちのイメージですがまだまだアニメって進化できるのだと思いました。
ストーリーも絶望感ある展開に引き込まれます。強いて弱点をいうならストーリーの進行が緩やかな点ですが、これから見る人は見放題サイトを使うなど連続で見れるわけで、その弱点が消えます。雑誌で漫画を追ってぴんとこなくても単行本なら面白いようなものです。
つまりおススメ度的には文句なしの神アニメということです。見なければ人生損するくらいの、2020年代を代表する作品の1つになると思います。
以上が最後まで見終えた作品です。以下の作品も6話までは見たので載せておきます。
・その着せ替え人形は恋をする
個人的満足度 省略 おススメ度 ☆4.5
ひな人形職人を祖父に持ち裁縫技術のある少年、五条新菜がコスプレ好きのオタク美少女ギャル喜多川海夢からコスプレ衣装製作依頼を受けるラブコメ作品。
同じ制作会社クローバーワークスの明日ちゃんのセーラー服と並んで、冬アニメの覇権候補と言われるくらい支持を集めた作品です。
クオリティ高く、コスプレへのこだわりなど特色あるラブコメであり、おススメできます。私も楽しくはあったのですが、ただ草食系の五条君のキャラがあまり合わなかったので6話で視聴を終えました。私はラブコメだとヒロインズの恋のさや当てが見れるという意味でハーレムラブコメが好きですが、この作品はあくまでメインヒロインは固定なのも大きかったです。
・異世界美少女受肉おじさん
個人的満足度 省略 おススメ度 ☆3.5
32才の会社員、橘日向は親友、神宮寺司と共に女神に異世界に飛ばされる。そこで橘は金髪美少女になってしまったというギャグ系ラブコメ作品。
異世界物は私の好きなジャンルでありますが、橘と神宮司、元男同士でラブコメするという点があまり合いませんでした。ギャグのセンスは高く、毎回面白かったのですが、元々ギャグ系に振るよりシリアスのある異世界物の方が好きなので6話で視聴を終えました。あと主人公というより相方が活躍するというのは爽快感薄いなと思いました。
とはいえ評判は良く、作画も今季の異世界物の中ではかなり良い方なので、合う方にはおススメです。
2022年冬アニメを総括しますと、なろう系・異世界アニメについてはいくつか光る作品があったので不作とまではいきませんが小休止のクールだったかなと。ジョジョ・進撃・鬼滅など大作ラッシュの中で全体的に予算の少なさ、作画の悪さが目立ちました。私的には作画はそこまで気にしませんがシナリオ面で見ても、秋アニメはジャンルがバリエーション豊かだったのに対し、主人公最強系に偏ってしまったのは痛かったかなと。
昨年2021年冬アニメと比較すると無職・転スラ・蜘蛛・リゼロといった面々に比べるとどうしても力負けしてしまう印象。(なろうランキング上位から順にアニメ化しているのでいずれ来る事態ではありましたが
異世界アニメは海外含め配信好調らしいので数が増えていますが、こうした事態が続くと飽きられる心配があります、各制作会社はクオリティアップに努める他、主人公最強系にこだわらず、アニメに向いている異世界物を探すなど頑張ってもらいたいですし、我々視聴者も推しの作品を積極的に応援していきましょう。
とはいえどれも部分的には良かったですし、2022年春アニメは盾の勇者など、異世界物は面白そうな作品が多くバリエーションも豊かで豊作の予感がします。さらに3月のアニメジャパンのイベント見た限り夏も秋もかなり異世界物は充実しそう。今後も楽しみです。
2022年4月14日追記
本好きの下剋上の初回放送が終わり、一通り春アニメの異世界系は放送されましたが、数が多い割にクオリティ悪くなくバリエーションも豊かでガチ豊作になりそうです(´▽`)
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
評価の他、気軽にご意見、感想、好きなアニメなど教えて頂けると大変嬉しいです。
異世界アニメ中心に、他クールのアニメ感想も書いています
2021年秋
https://ncode.syosetu.com/n4774hl/
2021年夏
https://ncode.syosetu.com/n7426hg/
2021年春
https://ncode.syosetu.com/n0975hc/
2021年冬
https://ncode.syosetu.com/n9472gw/
2017年夏
https://ncode.syosetu.com/n7876gx/