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悪の組織にいたらしい女の子が好みだったので、同居することにしました。  作者: 四季


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72話 一緒に行動しよう

 学園祭初日。


 日頃の学校生活とは少し違った一日になるだろう。


 校門が開く時間になると、学校の敷地内に人がぞろぞろと入ってくる。これはかなり珍しい光景だ。学校の敷地に大勢の人が入ってくることなんて、普段であれば滅多にない。こんな場面を目撃できるのは学園祭ならでは。もっとも、学園祭だからといって誰でも入ることが許されるわけではないのだけれど。


「今年も人多過ぎ」


 窓から校門の方を眺め、小雪が呟く。

 彼女は自分の机に肩肘をついて手の上に頭の側面を乗せている。


「ねぇねぇ! 小雪ちゃんは今年も誰も来ないの?」

「あぁ、まーね」


 面倒臭そうな退屈そうな顔をする小雪のところへやって来たのはクラスメイト数名。わらわらとやって来て、小雪を囲むような位置取りをしている。


 こういう時は少し近寄っていきづらい。

 取り敢えずそっとしておこう。


「あたしたちもそうなんだよね! 誰も来れないんだー」

「あーそう。確か去年もだっけ?」

「そうそう! よく覚えてたね!」

「去年も大声で言ってたじゃん。誰も来れないとかサイテーって」

「そうだったっけー? あばば、覚えてなーい」


 小雪はクラスメイトたちと喋っている。

 私は夢見さんと共にその後ろ姿を眺めるのみ。


「そろそろ解散の時間だね」


 夢見さんがそんなことを言ってくる。


「うん!」


 今日は学園祭に来た家族などと合流することが許される日だ。校内でできることも日頃と違って幅広く、他の行事と比べても抜きん出て自由度が高い。

 当然最低限守らなくてはならない規則はあるのだけれど。

 それでも、ほぼ自由と言っても過言ではないくらい、好きなように振る舞える日だ。


「できれば一緒に回らない?」


 夢見さんがいきなり言ってきた。

 内容自体は問題ないのだけれど、唐突だったので驚いた。


「え」


 自然と声が出てしまう。


「駄目……かな?」


 気を遣ったような顔をする夢見さん。

 申し訳なさが込み上げる。


「ううん! 大丈夫だよ! でも、はなちゃん家族は?」

「さっき連絡来たんだけど無理みたいで……」

「そうなんだ。じゃあ一緒に回ろうよ! せっかくだし! ……あ、でも、母とリリィも一緒になるけど大丈夫かな?」


 念のため確認しておく。

 後から揉めたらややこしいから。


「うん、一緒でいいよ」

「ありがとう!」


 その後私は母とリリィのところに合流した。夢見さんも一緒に。夢見さんの親が来ることができなくなってしまったという事情を説明すると母もリリィも理解してくれて、無事四人で行動できることになった。


「夢見さん、いつも日和と仲良くしてくれてありがとうねー」

「い、いえっ……! こちらこそお世話になっています……!」

「展示を作る作業でもお世話になったみたいで、本当にありがとうー」

「そんなこと! 仲良くしてもらっているのはこちらです!」

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