作者様の創作意欲を失くす感想はどうなんでしょうか?
「感想」の意味は「物事について、心に感じたことや思ったこと」です。
作品に対しての「感想」とは端的にいうと、「おもしろかった」か「おもしろくなかった」かを感じることかなと思います。
この「なろう」では、作者様に直接「感想」を伝えることができます。作者様がそれを読んで、今後の参考や励みにすることのできるツールだと私は考えています。なので、「この部分に感動した」や「ここは納得できなかった」というのが「伝えるべき感想」だと考えます。
この「なろう」では「感想を書く際の禁止事項」というものが決められています。
■意味を為さない日本語
■作者に対する誹謗中傷
■催促して作者を追い詰めるような行為
■評価・感想依頼
以上の内容を踏まえた上で、続きをお読みください。
私が読んでいるとある連載中の作品の作者様の話なのですが、作品を定期的に更新をしてくださり楽しませていただいています。
ある日、その作品の作者様の「活動報告」で「休載します」という報告がありました。
その理由が「作品内のある表現に対してクレームがあったため、今後の展開を考えたい」というような内容で、「場合によっては、連載終了も考えている」とも書かれていて、私は驚愕しました。
それは主人公に対する表現なのですが、私自身はその表現に不快感や嫌悪感を抱いたことはありませんでしたし、何ならこの作品の象徴のようなものだと思って読んでいました。
表現方法は人それぞれのはずです。
その表現の仕方が「独創性」なのに、なぜ否定するのでしょう? 私、気になります。
幸いといいますか、その作者様は「休載」報告後に、「クレームは気にせず、頑張って下さい」というコメントが多数あったようで、「自分の表現方法」を貫くことにされ連載を再開されています。
作者様に連載を断念しようと考えさせるほどの「感想」を送った人(達)は何を考えて送ったのでしょうか?
そして、この「クレーム」は「感想を書く際の禁止事項」に抵触していると考えます。
最初に述べた通り、私は「感想は作者様がそれを読んで、今後の参考や励みにすることのできるツール」だと思っています。
「批判」をするのが間違えていると言っているわけではありません。作者様の参考となる「批判」もあるでしょう。
一例をあげますと、
参考になる「批判」
↓
・誤字や脱字の指摘
・文法の間違いの指摘
・設定の矛盾の指摘
ここでの「設定の矛盾」は一度作品内で書かれた設定を、後に何の説明もなく変更することです。
例えば、主人公の髪が最初は「茶髪」だったのに、途中で何の説明もなしに「金髪」になっていたりすること。
参考にならない「クレーム」
↓
・世界観などの設定の否定や罵倒
・表現方法の否定
・上記の「参考になる批判」ができていないことに対する罵倒
「世界観」や「設定」云々の話は、拙作の『「設定」にこだわりすぎではないですか?』を読んで頂けたらと思います。
私は「表現方法」や「世界観」の否定といった、「読者の基準や価値観」を作者様に押し付け、作者様の執筆意欲を失わせる批判は参考にならない「クレーム」だと考えます。
そして、私は「クレーム」は言うべきでないと思っています。
「クレーム」の元々の意味は、【要求・請求・主張】で転じて、【不満や怒りを伴った何らかの要求や主張】となっています。
では、ここで言う「不満や怒りを伴った何らかの要求や主張」が何に当たるかと言えば、「不満や怒りを伴う部分への改善要求」となり、平たく言えば、「内容を書き換えろ」「同じ内容を二度と書くな」ということになります。
私はこれは「創作活動の妨害」だと考えます。
読者が作品を読んで思ったことを伝えることが「感想」です。「感想」の内容が「批判」であることもあるでしょう。しかし、「批判」から「こう(自分の考え)であるべきだ」と伝えてしまうと、それは「感想」ではなくなり「クレーム」になってしまいます。
「作者様」に伝えるべきは「感想」であり「感想を書く際の禁止事項」に抵触している「クレーム」ではない。
と、私は考えますが、皆様はどう思われますか?
ご意見・ご感想をいただけると嬉しいです。
感想でご指摘いただいた部分を、加筆・修正しております。