四ノ星 夢
「お〜き〜ろ〜!夜だぞ〜!」
俺は、聞き覚えのある声で目覚めた。
・・・・・・え、夜?ふと枕元の時計に目をやる。19時、か。確かに夜だ。
「まったく、ず〜っと眠ちゃって。いつまで寝てるのよ?」
どうやら、医師と話してから2日ばかり経過していたらしい。ずっと寝てたのか、俺は。
「事故ってから『魂なくなりました〜』みたいな顔しちゃって!天十郎らしくないぞ〜!ほら、シャキッとする!」
どうやら、寝ている間の整理整頓をやってくれていたらしい。俺の家族は、ばあちゃんだけだ。だから、中々病室にも来れないし、そもそも負担になっちゃうから来るなら日中にしてねと言ってある。
「水欲しくなったら言ってね!取ってあげる!」
有難い。
正直な所、南雲の消息が分からなくなってからぽっかり穴が空いてたんだ。「南雲」が居なくなったことで空いた穴を、別のもので埋めようとしても無理だ。南雲は南雲だから。親友だから。そして、もういないのだから。
その穴を塞ごうと、いや、代わりになろうと献身してくれている。感謝してもしきれないな。
「そういえばさ!私のお兄ちゃん、そろそろ帰ってくるんだって!私もあんまり会ったことないから楽しみだなぁ〜!」
ミソラには兄がいる。ただ、世界中を冒険しているらしく、ほとんど日本には居ないらしい。・・・ってところまでは聞いた事があるけど、名前や年齢、人物像は知らない。あまり話題にもならなかったし、当然なんだけど。
「こっそり帰ってきて、こっそりお土産置いてって、そしてこっそりまたどこかに旅に出ちゃう。本当に居るのかも怪しいよね(笑)でも・・・」
突然言葉を詰まらせる。どうしたんだ?「大丈夫か?」と声をかけようと、声の主に初めて目線を移す。
「私も""私じャ無イ""かラ、居なイヨウナモンダヨネ!アハハ!」
声が出なかった。いや、""出せなかった""。そういえば、目覚めてから""ずっと声が出せなかった事""に気付く。
なんだ。
お前は誰だ。
ミソラはどこだ。
声の主はこちらをギロリと見る。左目で。そして、脳に響く声で喋り始めた。
「其ノ感ジ、ヨウヤク""私""に気ガ付イタヨウダネ。初メマシテ・・・イイヤ、久シブリデスネ!ン。アア、デモ、コウシテ話スノハ初メテカ。・・・ウーン、ドッチデモイイヤ!」
「アア、君ノ声ガ出ナイ原因ハ、私ノ""チカラ""ダ。アー。ソウイエバ、自己紹介ガマダダッタナ」
「私ハ、〈ジェレンダ・パルペンシア〉。君ヲ、ソウ、""殺シニ来タ者""ダ。・・・ダガ、『邪魔』ガ入ッタ。ソシテ、マダダ。""マナ""ガ熟シテイナイ。天紋印ニモ目覚メテイナイヨウダシナ」
「アア、勘違イシナイデクレヨ?私ハ""天紋印ニハ選バレナカッタ""。マナガ多イノニ!!コンナニモ沢山有リ余ッテイルノニ!!・・・ハァ。ダガマア、我々ノヤリ方デ""チカラ""ヲ手ニスル事ハ出来タ。ダガ、マダダ。マダ""マナ""ガ足リナイ」
「・・・成程。コッチハ""月ノチカラ""ニハ目覚メテイルヨウダガ、アッチハ""太陽ノチカラ""ニスラ目覚メテイナイヨウダナ。ヤッパリマダ早スギタカ」
「アーア、仕方ガナイ。今日ハ帰ルトシヨウ。イズレ必ズ、君達""マナ二愛サレタ人間""ヲ殲滅シテヤル。ソノ時マデニ、セイゼイマナヲ蓄エテオクンダナ。マァ、全テ喰ライ尽クシテヤルガナ。アハハ」
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★キャラクター解説-その3-★
■ジェレンダ・パルペンシア
→『片面の女』の正体。「マナ狩り」を行う集団の一員。どうやらミソラや南雲の事も知っているようだが…?
・誕生日:???
・天紋印:なし