私
押し付けたがりなあんたの態度が
踏みつけた私の小さな自尊心は
萎れて枯れ続けたままで
あんたにとっちゃミジンコほどの価値も持ち合わせちゃいない
私がワタシをありのまま作り上げることは許されず
あんたたちが信じる普通とか常識ってやつらに
わたしであることを否定され続けた私の人生は
腐って捨てられて忘れられた
いつだって多数派が力をもつ
共感は喜びや悲しみを分かち合うが
悪も同時に孕んでいくのだ
いつだって気に食わない少数派を
共感を通して弄ぶのが多数派だ
だから少数派はいじめられないために
多数派に黙って溶け込んでいく
いつしか本当の私はどこかに消え
私の偶像だけがそこに残った
私からそこなわれた感情やアイデンティティは思想として返り咲くことはなく
ただ空虚としてそこに存在し続ける
そこにあった、という事実だけが
私の心に住みつく
私がわたしであるために
「皆の社会」を否定する程の気力なんてものは、教室の中でゴミ箱に捨てた
大人になった私は
私はわたしであることを諦めたのではなく
「普通に」生きていくための最善策をとった
その代償は生涯ぬぐいきれるものではないが
こうするほかになかっただろう
人に傷つけられるよりも
自分で傷つけるほうがマシだ
私は私を否定する
私はわたしを否定し続ける
皆が私をそうしてきたように
皆それが当たり前だ普通なのだと言うのだから
私は皆の言うとおり、私を否定しよう
きっといつかお前たちも自らを否定する時がくるのだから。