第7話 お断りします!
こんにちわ!
久々の投稿です!
先日の休みはアーサーさんの計らいで、シモンズさん引率の下バッキンガム宮殿の他、ロンドンの繁華街を案内してもらい充実した休日を過ごすことができた。まあ、途中変な邪魔者が現れたりはしたが…。そして週が明け、いつもの様に授業を受ける私達。渡英してから1週間以上もすれば段々と雰囲気にも慣れ始め、授業も理解できるようになってきたのでなんだかんだで私はイギリスになじみ始めたいるんじゃないかと思っていた。そして、この日も授業を終えた私は、一恵ちゃんや玲と一緒に外へ夕飯を食べに行こうとしていた。
「一恵ちゃん、玲。ご飯行かない?」
「行きましょう。もうおなか減っちゃって…。」
「今日の授業、一気に難しなったな。お陰で頭の栄養使い果たしたわ。」
こうして私達3人は教室を出て、いつも行ってるレストランへ向かおうとしていた。私はなんだかんだいってあそこの肉料理が結構お気に入りなので、毎日通っていても飽きることは無かった。今では私達3人はすっかる常連になり、店員にも顔を覚えられた。そんなことを考えていると、誰かが声をかけてくる。
「やあ、3人とも!」
声のする方向を見ると、アーサーさんが笑顔で手を振っていた。これから帰る所なのか、荷物を持って外へ出ようとしている。
「アーサーさん。お疲れ様です。」
私はそう挨拶し、一恵ちゃんや玲と共にアーサーさんの所に駆け寄った。何せ、この間のお礼も言いたかったからだ。
「この間はシモンズが色々案内してくれたみたいだけど、どうだった?」
「はい、すごく楽しかったです!色々ありがとうございました!」
「バッキンガム宮殿、素敵でした!」
「日本じゃ見れへん物、ぎょうさん見れてホンマ楽しかったです!」
本当に面白かった。一恵ちゃんも玲も心からアーサーさんにお礼を言った。すると、アーサーさんも笑顔になった。
「よかった。そう言ってくれると僕も嬉しいし、シモンズにお願いしてよかったよ!シモンズはいい奴だから、これからも仲良くしてあげて欲しいな!」
「勿論です!日本の文化、一杯教えてあげたいです!」
「うんうん。じゃあ、僕は帰るよ!今日は娘の誕生日なんだ!」
「そうでしたか、お気をつけて!」
私はアーサーさんを見送り、再び一恵ちゃんと玲の3人でレストランを目指す。夕飯時なので、早く行かないと混んで待たされる羽目になるから急がないと。校舎を出て、店に辿り着こうとしたその時だった。どっかで見たことがあるような車が止まっていたかと思えば、そこから見覚えのある巨漢の男性が出てきた。そして、男性は出てくるなり、私に笑顔で声をかけてくる。
「Hello!また会ったね、アジアンガール!」
げっ!なんで?そこにはなんと、先日バッキンガム宮殿で私をナンパしてきたおっさんがいた。名前は…忘れたけど相手にはしたくないから無視してそのまま行こうとした。
「あの人、有希子先輩をナンパしてきた…。」
「有希子、相手にする必要あらへんで!早よいこ!時間の無駄や!」
「う、うん!」
一恵ちゃんと玲に言われて私達はさっさと行こうとしたが、奴はそれでもしつこく食いさがろうとした。
「ちょっと待ってよ!無視するなんてひどいな!この僕とまた会えるなんて、これは運命だ!もう僕は君のことしか考えられなくなりそうだ!」
「や、やめてよ気持ち悪い!」
いきなり私達の前に立ちふさがって寒いセリフを吐くナンパおデブ。ここまでしつこく、そして下心丸出しにされると流石に悪い意味で鳥肌が立ってきた。
「冷たいな!この国内ナンバーワンの御曹司であるケーシー・グレゴリウスがディナーに誘おうとしているのに!僕は自分の将来のことをしっかり考えているから君が必要なんだ!そうすれば君は社長令嬢に慣れるし、苦労することは無い!なぁ、お願だ!僕の気持ちに応えてくれよ!」
どうしよう。こんなに腹が立ってきたのは初めてかもしれない。イライラが頂点に達した私は頭の中で何かが部ちぎれて、遂に噴火してしまった。
「うっさい!好みじゃねーんだよ、このデブ親父が!いくら金持ってても、私が好きな人とは顔も性格もあんたじゃ足元にも届いてねーんだよ!つーか、悪いけど私年上興味無いし!だからもう来るなよ!迷惑なんだよ!」
それだけ言うと、私は足早にその場を立ち去ろうとした。一恵ちゃんと玲も私に続き、ごれごり薄とか云うおっさんの気持ち悪い発言に苛々していたのか、二人も攻め立てる。
「学校にまで押し掛けるなんてストーカーですよ!嫌がってるじゃないですか!そんなんだからいい年して結婚できないんですよ!」
「ええ加減にせぇや、ワレ!今度来たら丸焼きにするで、チャーシュー野郎!」
散々言われたグレゴリウスは唖然とした表情でその場に立ち尽くしていた。そのうちに、私達3人はその場を離れる。
「あーあ。どうしてこんな事に!この場に森君がいれば向こうも諦めてくれるんだけどな。」
「大丈夫ですよ有希子先輩。あんな奴気にする事無いですよ!」
「今度来たら通報したれ!さーてと、美味いもん食べて元気になろうや!」
苛々する私を二人が慰めてくれた。しかし、どうして私はあんなのに好かれてしまったのだろう?意味が分からないし、何だかだんだん怖くなってきた。まぁいいや。ご飯食べて忘れよう。こうして気を取り直した私は3人で夕飯の楽しいひと時を過ごしたのだが、後にとんでもない事件が起きるとはこの時は考えもしなかった。
こんにちわ!
随分間隔が開いてしまってごめんなさい。
有希子を巻き込む飛んでも事件とは一体何でしょうか?
次回をお楽しみに!