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8 出発準備

「助かったよ。これなら安心して登録ができる」

 

 青色になった髪と目の色は、徐々に慣れていけばいいか。


《御礼なら、今晩夜のお相手をしてほし・・・・》


「あぁ、それは遠慮します」


 容姿もかなり良く、雰囲気も凛とした大人の女性と言う感じのクールビューティー(見た目だけは)。だけど、何故かそういう事をするのにはちょっとばかし‥‥‥かなり抵抗があった。


《酷い!自分で言うのもなんだけど、容姿には自信があるわよ!》


 だからそういうのは結構だから、あと知っているから。


《まぁ、君の召喚に立ち会ってしまったから、百年は下界には降りられないのだけど》


 だったらそんな男を誘う様な事を言うな!

 見た目が大人びたクールビューティーなのに、その残念な性格が全てを台無しにしてしまっている。そういう事をする気が失せるのも頷ける。


《町までの道のりと、町の中の案内は私に任せなさい。ここの近くにあるオリエと言う町には私も良く足を運んでいるから》


 ツッコミを入れたいが、今はスルーしておこう。本当にマイペースな女神だ。

 だけど、町の案内をしてくれるのは助かる。

 デリウスからの説明に耳を傾けながら、俺はタンスの中に入ってあった備え付けの服を身に着けた。当たり前だが、見るからに女性物の服が多かった。そんな中、僅かにあった男性物の服に手を付けた。

 本人曰く、たまに男装する事もあるらしいから男物の服も置いてあったが、女性が着る服のサイズがピッタリと言うのは男としては逆に考えものであった。と言うか、何故わざわざ男装をする必要があるのだ。

 向こうに着いたら、食料と装備だけでなく衣服も買っておこうと決めた。

 靴は、履いたもののサイズに合わせるようになっているのでしばらくは大丈夫だろう。いずれは自分に合った靴も買わないといけないが。


《うん♪とっても素敵ッ♡いやん、惚れちゃいそう♡》


 今回俺が来た服は、青の長袖シャツの上にベストに似た紺色い上着を着用し、ズボンは黒色の長ズボンを穿いた。

 腰には、デリウスからもらった神刀ハバキリを服の上から腰に巻いた帯に差した。

 靴は踝までの革製のブーツで、曰くあらゆる衝撃に強い耐性が付与されているらしい。名前は、女神の靴。ネーミング残念過ぎる。


「そんじゃ行くか」


《あぁ、その前にリビングに小さ目のリュックがあるからそれも持って行くといいわよ》


「リュックも?」


《えぇ。でも、ただのリュックではないわ。五百キロ位までなら何でも収納できる、持ち運びに便利なアイテムボックスになっているわ》


 ほほぉ。それは良い事を聞いた。

 早速俺は、1階のリビングへと走って行った。そこには、白色のリュックがソファーの上に置かれていた。


《冒険者にとっては必須アイテム。昨日私がこっそり用意したから存分に使って》


「ありがとう」


 そのリュックを背負い準備を終えた翔馬は、玄関を出てすぐに足場から飛び降りた。小屋から地上まで二十メートルもあったが、衝撃に強い女神の靴を穿いているお陰でこんな高い所から飛び降りても、足にかかる負担はほぼゼロに近く、階段を一~二段飛び降りたような感覚であった。


「スゲェ。あんな高い所から飛び降りたのに」


《当然よ。オリエの町見つけて即購入した高級品で、名前も私が付けたのよ》


 神器とは全く関係なく、人間が作った靴だったようだ。正しくは、ドワーフなのだけど。余談だけど、今朝用意してくれたアイテムボックスもドワーフ作らしい。


「でも、町に行けばこの靴みたいに何かしらの付与が付いた装備や衣服が見つかるかもしれない。これはちょっと希望が持てそうだ」


 最悪、鎧でも買おうかと思っていたけど、こんな便利な付与が付いた服や装飾品があると分かると幾分か気が楽になった。帯刀流剣術は鎧や盾も諸共切り裂く剣術の為、鎧を着用する事がない。

 なので、様々な付与がある服や装飾品は非常に助かる。高級品って言っていたし、かなり高いとは思うけど。


「依頼をこなす事で報酬がもらえるって言ったけど、その依頼は何件でも受けられるのか?」


《そこは私ではなく、冒険者ギルドの受付の人に聞いておいて。その人の仕事を取る訳にもいかないから》


「そうか」


 あと、町に着いたらこういう会話は口に出さないようにしないといけない。今までは誰も居なかったから思わず口に出して話していたけど、人がいる前では気を付けないといけない。

 そんな事を考えながら、馬車道に出た翔馬はデリウスの示した方角へと歩いて行った。途中、昨日戦ったトレントと、真っ黒い姿をした狼、ファントムウルフと遭遇した。殆ど動かないトレントと違い、ファントムウルフは素早い動きで翻弄しつつ、鋭い爪と牙で攻撃してくる。

 だけど俺は、それでも全く苦戦することなくファントムウルフ身体を両断。更に、昨日はそのまま放っておいてしまったが、魔物の体内には魔石という物があり、ギルドが高値で買い取ってくれると言うのだ。

 デリウスの指示通り、倒した魔物の心臓にあたる部分を切り開いてみると、確かに赤やら青やら魔物の種類によって色の違う掌に収まるくらいの魔石が見つかった。

 取り出した魔石を、デリウスが用意してくれたアイテムボックスの中に入れた。

 こんな事なら、昨日倒したスライムとトレントの魔石も取っておくべきだった。


《あぁ。スライムだけは例外で、体内に魔石が存在しない本当に正体不明の魔物なのよね》


 スライムには魔石はありませんでした。


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― 新着の感想 ―
[一言] 死んで転生でも召喚や意味不な転移もそうだけど時空間魔法や収納系スキルは必須よね(笑)
2020/01/31 22:03 退会済み
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