71 王都・ジュラノ
クフォト王国に入国して二日が経ち、俺達は今王都・ジュラノへと足を運んでいた。俺達が野宿した場所からジュラノまでは、馬車で僅か五時間という距離にあった。まぁ、国土の七割を占める巨大都市だから、そんなに時間が掛からなかった。
(それにしても、最初に訪れたベルガの町とは雲泥の差だな)
貧富の差はあれど、ベルガの町の様に建物の塗装が剥がれ、窓や戸が取り付けられていないなんて事は無く、腐った食材が市場に並ばれる事も無かった。もちろん、ガリガリに痩せ細った子供達も見られなかった。
建物もしっかりしていて、窓と戸もきちんと取り付けられていた。雰囲気はとても明るく、活気に溢れていた。まるで、ベルガの町だけが違う世界であるかのように全然違っていた。
ただし、入った瞬間に俺達の監視をする別の偵察員が三人、俺達の後を尾行していた。
(迂闊な行動と言動を控えれば、特に何か起こる訳ではありませんので)
(気を付ける)
一番良いのは一言も喋らない事なのだが、商人としてこの国に入国した以上そんな事は絶対に出来ない。情報収集の為に、積み荷の幾つかはこの町の役所や職人に売ろうと考えている。
やはり、一人一人が気を付けないといけないな。
(それにしても、滅茶苦茶デカイな。王城が全く見えないぞ)
(そうだな‥‥‥)
メリー操車で揺られる馬車から、今いる所を地図で確認していた。
それによると、俺達は今ジュラノの最東端辺りに居ることが分かり、日比島達が居る王城付近まではまだかなりの距離がある事が分かった。
(このペースで進むと、王城付近のエリアに到達するのは三日後だな)
城はここジュラノの中心に点在し、この辺りの人口の密度がかなり高い事が地図を見て予想できた。何故かというと、住宅の数と飲食店や食品店の数が非常に多く、意図的に寄せ集められているみたいに多かったからだ。
(意図的で間違いないと思います。お城付近にいろんなお店が集中しているのは、お城により多くの食料品等を仕入れる為だと思います)
となると、馬車でここまで進むのは少し困難になるな。しかし、だからと言って別々に行動を取る訳にはいかない。ただでさえ物騒な国なのに、女の子達だけで行動はさせられないし、桜と紅葉が盗まれるのも困る。
(どうにかして進むしかないか)
(その辺はお任せください。何とか進んで見せます)
(すまないメリー、頼む)
手を差し伸べる事が出来ないこの状況が、優しくしてあげられないこの環境に、それに従うしかない自分に憤りを感じてしまった。
(気に病む暇があったら、この後どうするのか決めたらどうだ?こんな国から早く出たいのならな)
(あぁ)
フィアナの言う通り。この国のあり方と、それを覆せない自分に憤る前に、当初の目的通り先ずは情報収集をしないといけない。
(メリー。この先を真っ直ぐ進んだ先に市場があるから、そこで積み荷を少し売りながら情報も収集していこう)
(承知しました)
指示通りに馬車を進めていくと、数多くの露店と工芸品や小物を売っている店が数多く並ぶ通りに到達した。
この辺りには、魔物から回収した素材や魔石を高値で買い取ってくれるお店が集まっていた。その素材と魔石は、主にギルドが冒険者から買い取った物が殆どである。もちろん、商人から直接売り買いを行う事も可能である。
その買い取った素材から、武器や防具はもちろん、工芸品や生活雑貨、更には包丁やフライパンやお鍋等と言った調理器具までも作っているそうだ。以外に幅が広かったのだな。
魔石は主に、魔法具のコアとして使われることが多い。代表的なのが、カナデも使っている魔法銃である。他にも、杖やワンドの先に取り付けて魔法の威力を増幅させる効果も与えてりる。
生活面では、かまどやコンロの火を起こす為の道具や、お風呂でお湯を沸かす際に使われる事がある。要するに、ガスの代わりみたいなものだな。マギグラムゴブリンみたいに、魔法が使える魔物なんてそうそういる訳がないので、基本的には二ヶ月おきに買い替えるというシステムになっている。
そりゃ、魔石が常に必要とされる訳だ。
「よし。先ずはあそこの武器屋に行くぞ」
「承知」
俺の指示でメリーは武器屋の前で馬車を停めて、俺は試練のダンジョンで手に入れたレッドゴーレムの指が入った箱を馬車から下ろした。フィアナとカナデにも手伝ってもらい、その間にアリシアさんが店の人に交渉しに行ってくれた。
残骸を売っている間、メリーとミユキには馬と荷物の警護を任せた。
「あんたかい?レッドゴーレムの残骸を買い取って欲しいというのは」
出てきたのは、ガタイのいい四十代後半のおっさんだった。
「はい。行商人のショーと申します」
ついでにアリシアさんとカナデとフィアナの事も紹介した。設定とはいえ、フィアナが俺の妻だと知ってお店の人がガッカリしていたが、まぁ気にしないでおこう。
「それで、これがレッドゴーレムの残骸、これは親指にあたりますね。トウランで活躍しているショーマ殿から、高値で買い取らせていただきました」
「ほほぉ、あの噂のショーマ殿から」
「はい」
自分の名前を使って商品をアピールするのも、何だか変な気分である。
「どれどれ‥‥‥ん‥‥‥間違いなく、レッドゴーレムの残骸、ヒヒイロカネで間違いないな。それも、かなり純度が良いぞ。よく買取が出来たな」
「えぇ。こう見えて伝手は広いので」
適当に誤魔化した。
本物なのは間違いないが、職人から見てかなり純度が良いのかどうかはまだ分からないからな。
「で、ショーマ殿からいくらで買い取ったんだ?」
「えぇっと‥‥‥」
《市場価格は金貨二十枚。けど、君から買い取ったという設定なら、もう少し高くても良いと思うわよ》
助言感謝。
「確か、金貨三十枚ほどでした」
「やはり金ランク冒険者から買い取りをするから、相場より高いのは仕方がないか。よし!じゃあ、一箱金貨五十枚で買い取ろう。それでいいか?」
「はい。ありがとうございます」
交渉が成立した所で、俺はレッドゴーレムの指が一本入った箱を十箱、武器屋の人に渡して金貨五十枚が入った袋を十袋貰った。合計五百枚だ。お店の人も、こんなにお金を出して大丈夫なのだろうか?
《問題ないわ。それ以上の利益が得られるし、何よりヒヒイロカネはオリハルコンよりも希少価値が高く、頑丈さで言えば色付きアイアンに一枚劣るが匹敵するとも言われているわ》
なるほど。そんなに希少な金属なら、超高値で取引されるのも頷ける。しかも、ヒヒイロカネで出来た剣は物凄く高い割には上級の冒険者に非常に人気が高く、店頭に出されてもすぐに無くなってしまう程である。
「ところで旦那。半年以上前にこの国に勇者が召喚されたって、旅の道中に耳に入ったのですが」
「あぁ、彼等ね‥‥‥」
何やら険しい表情を浮かべながら辺りを見回し、作業をしているように見せかけて顔を近づけ、小声で話してくれた。
「大っぴらに言えねぇが、連中の評判は最悪だぜ。どいつもこいつも、魔物とまともに戦おうとはせず、毎日毎日遊んでばっかりで。魔王が現れるかもしれねぇのに、あんな連中を送り込んでも勝てるもんも勝てねぇぞ。とても勇者とは呼べねぇ」
「そうですか‥‥‥」
顔と近づけて小声で愚痴ると言う事は、相当あの三人に嫌な思いをさせられているのだな。
何でも、男の方の勇者が良い剣が欲しいと言って、店に売られている希少金属で鍛えられた剣を片っ端から取っていっているのだそうだ。
買っているのではなく、取っているのである。男の勇者は、金を払う事無く手当たり次第に剣を持って行き、国王からは「勇者の為に貢献したのだ、名誉に思え」とバカ発言をして一蹴する始末。
これには武器屋も相当頭を悩ませており、しかも王の圧力も加わっているのだから、抗議する事も出来ないのである。
酷い話である。
「安心しろ。このヒヒイロカネは、剣にした後城から遠く離れた武器屋に売るから、取られる心配はねぇ」
「良いんですか?」
「良いんだよ。こんな性根の腐った国に生まれちまったんだから、このくらいの知恵があっても罰は当たらねぇ」
強かに生きているね。
「それに、この国の国王ってかなりバカで自分勝手な独裁主義者だから、王が言う事は何でも正しいと言う事にされてるから、俺達みたいな良識ある奴からしたら何言ってんだって思う訳よ」
「ははは‥‥‥」
どうやらクフォト国民も、全員がただただ盲目的に王の意思に従い、崇拝している訳でもないのだな。単純に、王城から距離が離れすぎているからそういう考えを持つようになったのかもしれないが。
「旦那。俺がこんな事言ったというは、」
「分かってます。内緒にしておきます」
おそらく、外で見張っている偵察員を警戒しているだろうが、流石に建物の中の話声までは聞こえないだろう。屋根裏とか、床下などに潜んでいれば小声でも聞き取られていたかもしれないが。幸いにも、この場には俺達しかいないので大丈夫だ。
レッドゴーレムの残骸を売り、勇者の情報を得た俺は、金の入った麻袋をアイテムボックスに入れて馬車へと戻った。
その後、試練のダンジョンで獲得した悪魔型魔物の魔石と虫型魔物の素材、更にはドラゴンの鱗まで売った。どれも良い素材だった為、かなりの高値で売ってもらえた。
それと同時に、日比島達の情報も聞き出した。聞けば聞く程、あの三人はこの世界に召喚されてから性格が百八十度変わってしまい、かつての面影は完全になくなってしまっていた。
それに対して、買い手側の反応はさまざまであった。
ある人は、全く魔物とは戦わず堕落しきっている役立たず、と怒りながら言っていた。
またある人は、この国の平和のために神がこの国に与えた贈り物であり、この国の希望だと崇拝に近い感情で言っていた。
更に別の人は、自分達が特別だと言っているが、実際にはその権力で好き放題遊んでいるただの子供、と呆れながら言っていた。
「何と言うか、日比島も、丸本も、左京も、目を覆いたくなるくらいの堕落っぷりだな」
「話だけ聞いても、本当にそいつ等が勇者で大丈夫なのかって不安になるわ」
カナデの三人に対する評価も、かなり酷評のようで。
俺達は今、東側エリアで最も値段の高い宿に泊まっていて、そこで今日聞いた勇者三人の情報をまとめていた。部屋全体に、アリシアさんが風魔法で音が外部に漏れないようにしてくれたので、物凄い大声や奇声でも上げない限り、俺達の会話を聞かれる心配はない。
「特に日比島という男、相当な外道だな。手当たり次第に女と関係をもっているらしいし、そんなんでこの先魔王と戦う事が出来るかってんの」
「日比島という男も酷いですが、丸本という女にも腹が立ちます。自分が欲しいものを手当たり次第に買い漁り、それがないと奴隷を使って暴力を働き、酷い場合は辱めまで受けさせるなんて」
「私は左京さんという人が許せません。彼女は、自分こそが常に正しい事をしているのだと信じて疑わず、その為にたくさんの人に暴力を振るっていい訳がないのに」
フィアナとメリーとアリシアさんは、それぞれ日比島と丸本と左京を名指しで非難していた。
「デリウスの言う通り、この国は俺達を国土拡大と、権力の象徴として利用しているのが分かったな」
そうすると予想していたから、デリウスは俺をトウラン武王国へと召喚してくれたわけだし、そのお陰で俺はこうして真っ当な人生を送っている。
「それにしても、驚いたのは国民全員が国王と勇者を崇拝している訳ではないと言う事だな」
「はい。正直言って、私も驚きました。クフォト国民は、全員がナルダン国王を崇拝して、その意志に何の疑いも抱かずに従っている人ばかりと思っていました」
「そうだな‥‥‥」
アリシアさんの意見に同意する。
最初に訪れた武器屋の店主はもちろん、他にもたくさんの人から「この国の王はどうかしている」、「あんな奴らを勇者とは認めたくない」、等を言っていた。
「この国にまともな人間がいたなんて、チョー驚き」
一度訪れた事があるカナデも、そういう人がいること自体珍しがっていた。
要するに、クフォト王国に住む民も全員が全員ナルダン国王を崇拝している訳ではなく、中にはその行いを批判し、不安に思っている人もいた。
どうやらおかしいのは、この国そのものではなく、ナルダン・チス・クフォト王がおかしかったのだ。
自国を愛するのは悪い事ではないが、だからと言って過去ばかりを誇っても国が発展する訳ではないのに。
「私も、姉さんと妹の情報は何一つ入りませんでした。一体全体、何処にいるというの」
俺達が素材を売り歩いている間、ミユキは可能な限り姉と妹情報を探っていた。
けれど、この辺りにミユキの姉妹たちはおらず、有力な情報は得られなかった。
「焦らなくても大丈夫だって。明日も素材を売りながら、情報を集めに行くんだから」
王城が見える所に着くには、少なくともあと二日は掛かる。というか大きすぎるのだよ。トウランの王都・ランテイはここの十分の一だというのに、国土の七割を占めるなんて頭がおかしいだろ。
王都・ジュラノには、純粋なクフォト国民のみが滞在を許されており、それ以外の人種は全て奴隷としてこの町に住んでおり、その全てが冷遇されているのだそうだ。男は過酷な労働を強いられ、若い女は精の対象にされてしまっている。
その為、早く二人を助けてあげないといけない。ミユキが言うには、二人ともこの世界では珍しい黒髪をしているのだそうだ。顔立ちについては、姉は少し垂れ目でおっとりした雰囲気の二十歳の大人の女性で、名前はホノカ。
妹はやや活発で、大きな藍色の瞳と屈託のない笑顔をよく浮かべる好奇心いっぱいの十四歳の女の子で、名前はアカリ。
それだけ特徴があって、更にとても珍しい黒髪をしているのだから見つけられない筈が無い。
それに
(デリウス。あれからかなりの月日が経っているが、二人は見つけられないのか?)
《ごめんなさい。カリンヴィーラときた、ミユキだけでなくその二人にも自分の神力でガードをしているらしく、下手に干渉しようとするとすぐにカリンヴィーラに気付かれてしまうわ》
(マジかよ)
(どこまで嫌がらせをすれば気が済むのよ!あのクソ女神!)
ミユキや俺達だけでなく、デリウスの様に他の神にも察知されないように小細工を施していることが分かった。
自分が目を付けた人間は、とことん自分の管理下に置こうとする。そしてそれには、目を付けた人間の親類縁者も含まれているらしく、そう簡単には手放そうとはしないみたいだな。
《でも、所在は掴めたわ。かなり面倒な所にいるみたいだけど》
(本当か!?)
どうやらデリウスも、ただ指をくわえてみていた訳ではなかったようだ。これなら、探すのがかなり楽になれる。
だけど気になるのは、かなり面倒な所にいるという言葉だ。一体ミユキの姉と妹は、この国の何処に居るというのだろうか?
デリウスからその場所を聞いた聞いた瞬間、俺達は衝撃のあまり言葉を失ってしまった。
《ミユキの姉と妹は今、クフォト王国の王城にいるわ》
(王城って‥‥‥)
《ハッキリ言うけど、二人を見つけたのはただの偶然。日比島武治の様子を見た時にね》
((((((っ!?))))))
まったく何の悪い冗談なのだと、俺は思わず口に出てしまいそうになった。
《カリンヴィーラのやつ、神力で二人の髪の色を変えちゃっているから、二日前まではよく似た別人だと思ったわ。でも、よく見ると神力を感じられたからもしかしらたと思った。おそらく、君達から見たら黒髪に見えるかもしれないわね》
少し自信なさげだが、カリンヴィーラならやりかねない汚い手段だなと思った。
というか、二人揃って王城の、ひいては日比島の部屋で見つかったというのか。それで思い浮かぶ、二人の現在の様子は想像に難くない。
王城の、しかも日比島の部屋にいると言う事は、あの二人も日比島の性奴隷として買い取られてしまったとしか思えない。更に厄介な事が、関係を持ってしまった女性全員が望んで自分の身体を捧げているという事だ。
そうなると、ミユキの姉と妹の現在の様子が容易に脳裏に浮かんだ。
(まったく!自分の身体を何だと思ってんだ!)
念波越しではあるが、容易に見ず知らずの男に自分の身を捧げる二人を想像して憤っていた。
(おそらく、過酷な労働を強いられるよりはマシだと思われたのでしょう。しかも、求められている相手が召喚勇者となると尚更)
アリシアさんの予想は、おそらく的を射ていると思う。
超有名人である異世界の勇者と肉体関係を持てるのだから、奴隷として売られた女性達にとってはこれ以上にない幸福に感じたのだろう。
(だからと言って、大切な貞操をアッサリとクソみたいな勇者に捧げるなんて!)
(落ち着けミユキ!まだそうだと決まった訳ではないだろ!もしかしたら、日比島から解放されたと思っているかもしれないだろ!)
《いやぁ‥‥‥あんな満面の笑みを浮かべながら日比島武治に抱かれていたから、二人ともそんなに嫌がっている様には‥‥‥》
デリウスはもう少し空気を読め。
(アリシアさん。主の決まっている奴隷を、俺が手に入れる事って出来ないのか?)
(できなくはありませんが、正直言って確率はゼロパーセントと言っていいでしょう。一つは、主がその奴隷を手放したいが為に他の主に譲渡させる方法)
譲渡って、人は物じゃないのだからその方法はあまり現実的ではないかもしれないな。
(けれどこの方法は、主側に手放したいという感情がないと成立しません。言うまでもないと思うけど、今までそんなやり取りが行われた事は一度もないです)
(やっぱそうか)
そりゃ、過重労働奴隷であれ、性の対象でしかない性奴隷であれ、高い金を払って手に入れた奴隷をそう簡単には手放さないだろう。そりゃ確かに、ゼロパーセントだわ。
(二つ目は、前の主を殺して所有権を無理矢理移譲させるという)
(うん、二つ目の方法は使えないな)
堕落してしまったとはいえ、元はクラスメイト。殺すなんて論外だ。
《一応言っておくと、あの二人がミユキの姉と妹だとハッキリと言いきる根拠はないし、証拠もない。かけられている術を跳ね除けて確かめるという手もあるけど、それだとカリンヴィーラに気付かれてしまうから、あなた達が危なくなってしまう》
(分かっている)
おそらくそれが、自信を持ってミユキの姉と妹だといえない理由なのだろう。俺としても、デリウスの勘違いであって欲しいと思っている。そしてそれは、デリウス自身も思っている。
《とりあえず、私も引き続き探してみるわ》
(分かった。俺達も、明後日には王城付近に到達するだろうと思うから、デリウスが言っていた二人が本当にミユキの姉と妹なのかどうか確かめて来る)
日比島が女達を連れて外に出るとも限らないが、何となく明後日は三人がそれぞれ奴隷を伴って外に出るだろうと考えている。まったく根拠はないが、異世界の召喚勇者特有の運の強さが発揮できていれば、もしかした顔を見る事が出来るかもしれない。




