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王女な私は死にたくない  作者: 大久保周
王場内革命編
2/7

2 どじっ子いじめられメイドちゃん

二話です! とりあえず五話くらいまでは一日一話更新できるといいな……。

 鏡の前でいわゆる女の子座りをしたまま後ろへひっくり返った体の柔らかい王女様は、次に目が覚めたとき、もう一度柔らかな何かの上に居た。今度は前回とは違って月明かりしか室内を照らすものがない。



「……手がちいさい」



 だけれどそれで充分だった。今まで見ていた17歳の自分の手とは違う、それより少しまるっとした小さな手。そして少し舌っ足らずな言葉。


 ルルシャロワは自分が眠っていた豪奢なベッドから落ちないようゆっくりと降りる。冷静な状態でいればそれがどれだけ簡単なことか分かるのだけれど、さっきはしょうがない、と自分を納得させる。


 そしてもう一度、鏡の前へと向かった。


 鏡の中にいる少女は厳しいつり目でルルシャロワを見ていた。月明かりに照らされる白銀の髪は柔らかなウェーブがかかり、白磁の透き通るような肌。そして王族の象徴の金色と緑花(エメラルド)の左右異なる瞳。


 紛れもなく私の幼い頃だ、とルルシャロワは鏡に手を付いた。


 前世は父王の溺愛にという鳥籠に囲まれ火刑に処された。前前世は特になんの変哲もない家庭の末娘として生まれトラックに跳ねられて死んだ。


 ならば今回は畳の上で大往生しよう!


 それが今のルルシャロワの目的。満足したのかにやっと笑うとさぁ寝ようと、ルルシャロワはベッドの中に入り込む。疲れていたのか数分と経たずに寝息が聞こえ始めた。こうして夜は静かに更けていった。


 そして朝、ルルシャロワの第一声はこうだった。



「この世界にたたみはないじゃない!」



 そんな、この世界の人達にとっては意味不明な叫びで侍女が大慌てで駆けてきたのは言うまでもない。



「どうしました姫様!」


「いえ、なんでもないですわ……。少しゆめみが悪かっただけなの」



 冷や汗をかきながらルルシャロワは答えた。心の中では「うわ、分かってはいたけどそんなすぐに飛び込んでこなくても……」と思っていたのはナイショにしておこう。


 すぐに着替えさせられ食事の席へ連れていかれる。前を歩くメイドは確か一番若いリーナという娘のはず。いじめの標的となっていたような、なんてことを考え義母と二人の食事が始まる。

 あれやこれや話しながら淡々と進められる食事。別に義母のことが嫌いなわけではないのだが……壁を作られているようないないような感じがしてぞわぞわするのだ。


 そんなとき、義母が取ろうとしたナイフが床に落ちた。銀のナイフは甲高い音を響かせた。義母は顔を真っ赤に染め上げリーナに声をかけた。



「これ、そこのメイド。代わりのものを持ってきてちょうだい」


「は、はい! すぐに!」



 そう、そうだ。確かリーナはここで滑ってナイフを義母に向かって投げてしまうのだ。義母に怪我は無く、料理なども無事だったが大層怒った。自分が失態を見せてしまい、焦ってイラついているからだ。


 そしてやはり、リーナは足を滑らせた。



「きゃぅ!?」



 いや、あの時の私は見ていなかっただけだろう。ずらりと並んだ五人の義母付きメイドのうち一人が足を引っ掻けたのだ。 



「王妃様!」



 義母は珍しくナイフを落として機嫌が悪い。それなのにリーナがミスをしたから、自分のことを棚にあげて怒るのだ。



「ちょっと! 貴女! ナイフが私に刺さったかもしれないのよ!? どうしてくれるの!」


「も、申し訳ございません……!」



 リーナはすぐに頭を下げて謝ったが義母の怒りは収まらない。少しヒステリック気味に叫んでいる。


 そしてルルシャロワがちらりと目線をずらした先に、彼女たちがいた。リーナの失態がさも面白いと言わんばかりにクスクスと笑いながら。

なかなか上手く描写出来ないですが……今の自分を詰め込んで次へ繋げる作品なので多目に見てください!

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