プロローグ
初投稿です。書くのは初めてのど素人ですが、よろしくお願いします。
辺りは荒野。木は枯れ果てていて、草はほとんどない。
人が隠れられるくらいの、大きな岩が散らばっている。
そして空は血の色みたいな、濃く濁った赤に染まっている。
建物も、建物が崩れてできる瓦礫も一切ない。人間が暮らしていた証となるものは何もない、黒髪の少年の後ろ以外に。
後方に藍色でロングの女の子。学校の制服らしきものを着ている。
目の前には地球上に存在しない、もしくは未確認の生物。
動物というよりモンスターといった方がしっくりくるような形姿。
体長は二メートルほど。体高は一・七メートルくらい。
口は大きく、頭まるごと喰えそうなくらいだ。さらに尻尾も太く、頑丈そうだ。
ティラノサウルスに若干似ていて、どっかの狩りゲーにいそうな感じの見た目。
そのモンスターはこちらを凝視している。少しでも気を緩めれば、即座に喰われるだろう。
手にはサバイバルナイフ。リュックの中にハンドガンはあるが、弾薬は一つもない。
こんな貧弱な装備で、勝てる確率は非常に低い。状況は絶望的。
そもそも助けに来たというより、彼が巻き込まれただけ。
――少年マンガだったら、誰かが助けに来たり、主人公が覚醒したり、奇跡が起こるだろう。だが、俺には奇跡なんか起きない。なぜなら…………
俺は運が悪いから。
俺は運が悪い。だからなのか、わけのわからない展開が続いて、こうなった。
見る側を置いてけぼりにする、いわゆる超展開ってやつだ。
だが、俺は冷静に、目の前のことを対処するだけ。
どんな超展開も、どんな理不尽も、どんな不運も、己の実力で跳ね返していくだけ。