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呪神社  作者: 天利紫由
1/1

一話

 この世にある不思議―


私が全て喰らいつくしましょう




―――――――――――



 夜中2時。

山の中は静かで、あたりは闇に包まれている。



 「もう少し…もう少し…」




ひたすら山道を登り、息を弾ませている女は長い髪を乱し黙々と歩く。

やがて開けた場所に着き、目の前にはさらに長い階段。



 「ここが…」


女はその階段を再び黙々と歩きだした。


 長い長い階段の先にはお社。

鳥居もなく、狛犬もいない。

一目見ればそれはただの廃屋に見えるだろう。

そのお社へ女は何の戸惑いもなく歩みを進めていった。



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