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灯火の余白

作者: 遥(はるか)奏汰(かなた)
掲載日:2026/08/31

灯りがひとつ消えるたび、私たちは本当の孤独に近づいていく。

互いの傷に触れないように重 regionalねた「余白」は、優しさではなく、過去の影から目を背けるための言い訳に過ぎませんでした。届かない誰かを想うあなたと、そんなあなたを愛しながら別の温もりを夢見るわたし。

静かな夜の暗がりに沈む、二人の歪で切ない恋の記録です。どうぞ、この揺れる灯火の終わりまでお付き合いください。

灯火の余白

街の灯りがひとつずつ消えていく時刻

あなたの部屋の明かりだけが

わたしの世界をかすかに照らしていた

すべてを知りたいわけじゃない

知れば知るほど近づく終わりが怖くて

あえてつくったふたりの隙間

触れ合わないその余白にこそ

愛があるのだと信じていた

「またね」と囁くあなたの声に

寂しさを隠して頷く夜

孤独を抱えているからこそ

わたしたちは求め合えるのだと

自分に言い聞かせては胸を撫でおろす

けれど、本当は知っている

この胸を焦がす冷たい余白は

ふたりの愛の深さなどではなく

あなたの心に居座り続ける

あの人の影がつくった傷跡なのだと

灯火が揺れて影を伸ばす

わたしは今夜もその暗がりに隠れて

あなたじゃない誰かの温もりを待っている

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

互いに本当の想いを隠したまま重なり合う、二人だけの少し歪な時間をお届けできていれば幸いです。

静かに消えていく灯火の余韻が、皆さまの心に少しでも残りますように。また次の物語でお会いできることを楽しみにしています。

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