第8章:奨学金という名の「借金」からの解放 —— 教育を私的負担から「公的投資」へ
奨学金問題を「未来への投資」と「富裕層の社会的名誉」という新しい観点から整理し、執筆します。
1. 「奨学金」という言葉の嘘を暴く
日本で「奨学金」と呼ばれているものの約7割は、利子や返済義務のある「貸与型」、つまり実質的な**「学生ローン(借金)」**である。 世界の常識では、奨学金(Scholarship)とは「返済不要の給付」を指す。学びたい意欲のある若者が、社会に出る前から数百万円の負債を背負い、その返済のために「手取り」を削られ続ける。この現状は、奨学でも何でもない。若者の未来を担保にした「公的な高利貸し」に等しい。
なぜこれほどまでに貸与型が放置されてきたのか。 それは、日本の教育観の根底に**「高等教育は個人の利益であり、家族が負担すべき私的な責任である」**という古い考えが根付いているからだ。しかし、この考えこそが、今の日本の活力を奪う最大のブレーキとなっている。
2. 教育は「コスト」ではなく「社会全体の投資」である
欧米諸国において、高等教育への公的資金投入が手厚いのは、彼らが「お人好し」だからではない。**「高度な教育を受けた人材が増えることは、社会全体のイノベーションと税収増に直結する」**という、極めて冷徹な投資判断に基づいている。
一人の学生を博士やエンジニア、高度な専門職に育て上げることは、本人を豊かにするだけでなく、日本全体の稼ぐ力を底上げする。これを「個人の自己責任」として切り捨てるのは、種籾を植えるコストを惜しんで餓死を待つ農夫のような愚策だ。
手取り未来党は、日本の教育観を「私的責任」から**「公的・社会的利益」**へと180度転換する。
3. 「富裕層の誇り」を財源に変える —— 命名権付与型・給付奨学金
給付型奨学金を大幅に拡充するためには、莫大な財源が必要だ。私たちはこれを、単なる「増税」だけで賄うつもりはない。 私たちが提案するのは、「富裕層の贈与税・相続税の適正化」と「社会的名誉(名誉のインフレ)」を交換する画期的なシステムだ。
「冠奨学金」の国策展開: 富裕層が次世代の育成のために供出した資金を、その個人の名前を冠した「〇〇(寄付者名)未来奨学金」として学生に給付する。
名誉による税の納得感: ただ税金を「徴収」されるだけでは、誰もが反対する。しかし、その資金が「誰の学びを支えたか」を可視化し、寄付者の名前が未来永劫、日本の教育史に刻まれる「社会的名誉」として還元されるなら、それは単なるコストではなく、誇り高い「投資」へと変わる。
税制上の大胆な優遇: この「教育貢献型贈与」を選択した場合、従来の硬直的な税制よりも、寄付者にとって納得感のある、かつ社会的な尊敬を集められる仕組みを構築する。
金銭的な「富」を、次世代の「才能」と「名誉」に変換する。これこそが、資本主義の成熟した形である。
4. 卒業後の「手取り」を守る
現在、すでに数百万人の現役世代が「過去の奨学金」という名の借金返済に苦しんでいる。 私たちは、新規の給付型拡充だけでなく、既設の貸与型奨学金の返済についても、**「年収に応じた返済免除・猶予制度」**を大幅に強化する。
「返済のために結婚できない」「返済のために子供を諦める」 そんな事態を放置することは、国益を損なうことと同義だ。奨学金の返済負担を軽減することは、その分だけ若者の可処分所得――すなわち「手取り」を増やす、最も直接的な経済対策なのだ。
5. 「全部、見せてやる」 —— 投資リターンの公開
私たちは、奨学金として投入された公的資金と寄付金が、どれほどの「将来税収」として返ってきたかを、ブロックチェーンで追跡し公開する。 「あなたが支えたあの学生が、今、このような産業でこれだけの付加価値を生んでいる」 そのデータを可視化することで、教育投資の正当性を証明し続ける。
「親の財布」で子供の未来が決まる時代を、終わらせる。 若者が借金を背負って社会に出る、いびつな構造を、解体する。 教育は、日本という国が再び世界で戦うための「最大の公共事業」なのだ。
次回予告
第8章:防衛と外交の「コストパフォーマンス」 —— 賢い平和の維持と国益 教育で育てた人材と、透明な政治。その土台の上に、いかにして「日本の安全」を築くか。理想論に逃げず、利権に媚びない、手取り未来党流のリアル外交・防衛論を展開します。




